テーマ:映画館で観た映画(8575)
カテゴリ:映画
丈夫なふり。 完璧なふり。 酔ってないふり。 韓国・ソウルに暮らす三姉妹。 ★シングルマザーの長女ヒスク(キム・ソニョン)は、客のほとんど来ない花屋を営みながら、別れた夫の借金を返済中。 一人娘には疎まれ相手にされなくても“大丈夫なフリ”をして日々をやり過ごす。 ★次女ミヨン(ムン・ソリ)は、大学教授の夫、2人の子どもと高級マンションに暮らしている。 教会へ熱心に通い聖歌隊の指揮者も務める模範的な信徒で、“完璧に”家庭でも振舞うが、そんな日常は次第にほころびを見せ始める。 ★三女ミオク(チャン・ユンジュ)は劇作家だが、スランプに陥り自暴自棄となって昼夜問わず酒浸りの日々。 人の善い夫の連れ子である息子ともうまくいかず、保護者面談に“酔っていないフリ”で乗り込む始末。 それぞれに問題を抱え、日々の生活に追われて疎遠になりがちな三姉妹は、父親の誕生日を祝うため、久しぶりに集まることに。 その席上で彼女たちは蓋をしていた幼少期の心の傷と真正面から向き合うことになる……。 「幸福の形はいつも同じだが、不幸の形はそれぞれ違う。」 という諺をこれほどあらわしている姉妹はないと思いながら見た。 ★長女・ヒスク:丈夫なふりしているが、病気を抱えている。 「ごめんなさい」が口癖。 娘に馬鹿にされている。 ★次女・ミヨン:自分は完璧なのだと思いたい。 それを崩す人には、容赦しない。 夫や子供に煙たがられている。 ★三女・ミオク:酔っ払い。家事を放棄。仕事も出来ない。 優しい夫を馬鹿にしている。 夫の連れ子に相手にされない。 映画を見ていて、それぞれの姉妹に、 「その性格を直したら、生活もちゃんとするのに・・・」と思いながら見ていた。 キンキキッズの曲に「硝子の少年」というのがある。その歌詞に 「僕の心は ひび割れたビー玉さ。 覗き込めば 君がさかさまにうつる」というのがある。 心にヒビが入っていれば、正しく映らない。 三姉妹の心にも傷がついてヒビが入っている。 姉妹の心のヒビは、いつ入ったのか? 弟も出てきて最後に彼女たちは闘う。 彼女たちは、ヒビを「金継ぎ」で直して、より美しい景色に出来るのか・・・。 とても、深い映画だが、面白くみた。 なんて痛い、なんて優しい世界なのだろう。 ヒスクの絶望、ミヨンの意地、ミオクの苦悩。 一つ一つが、わたしのものだと感じた。 これは、わたしの物語なのだと。 だから、彼女たちの闘いに彼女たちが勝ち取ったものに、 ラストシーンの美しさに胸の震えが止まらなかった。 あさのあつこ (作家) にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.07.27 00:26:32
コメント(0) | コメントを書く
[映画] カテゴリの最新記事
|
|