テーマ:映画館で観た映画(8573)
カテゴリ:映画
ワインボトルを開けた瞬間、行き止まりの人生が動き始めた。 ワインがない国で知られるジンバブエ共和国から、「世界ブラインドワインテイスティング選手権」に4人のソムリエが初参戦した。 ジンバブエから南アフリカに逃れた難民であるジョゼフ、ティナシェ、パードン、マールヴィンは、白人がほとんどを占めるワインの世界に故郷の誇りを懸け挑もうとしていた。 クラウドファンディングによってフランスのブルゴーニュに到着するも、わずかな資金で雇った彼らのコーチは久しぶりの晴れ舞台に暴走してしまう。 ワインのない国出身の4人組が「世界ブラインドワインテイスティング選手権」に挑む姿を描いたドキュメンタリー。 出場するチームのほとんどが先進国の白人で構成されるなか、難民かつ黒人で構成された「チーム・ジンバブエ」は彼らの誇りを懸けて勝負に挑んでいく。 メガホンをとったのは『世界一美しいボルドーの秘密』のワーウィック・ロスとロバート・コー。 南アフリカのトップソムリエとなったジンバブエ難民の4人とスカイプで話をしたらとても魅力的でした。彼らは自国の圧政と経済危機の中から南アフリカへ。 一人は南アに来るまでに命を落としそうになりました。 元々、彼らはワインのワの字も知らなかったんですよ。なのに「チーム・ジンバブエ」を結成して、なんと「世界ブラインドワインテイスティング選手権」に挑戦する。 それ自体がおとぎ話のようで心を掴まれ、映画にしたいと思ったんです。(監督) ジンバブエから逃げて、南アフリカに来たというと彼らは、愛国心がないと感じるかもしれないと思うけど、それは違う。 彼らは好きで逃げたのではなかった。 ジンバブエにいたら暮らしていけないから、命からがら逃げてきたのだった。 南アフリカについても、「難民」ということで、元からいた黒人たちに暴力を振るわれることもある。 「世界ブラインドワインテイスティング選手権」に出場することになった4人は、ジンバブエににいた時は全く知らない者同士。 彼らに共通するものは、 「ジンバブエ人」、「難民」、「ワインに対する情熱」、そして「祖国への愛」・・・。 だから彼らを追いやったジンバブエの国旗を持って、ジンバブエチームとして出場。 ジンバブエ人がワイン・テイスティング選手権チームを作るということは、 「エジプトにスキー選手のチームを作るようなもの」と映画ではいう。 私は、映画を見る前から「クールランニング」を思い浮かべていた。 1988年、カルガリーのオリンピックで世界中に注目されたチームがあった。 それは、冬季五輪史上初の南国ジャマイカのボブスレー選手団。 彼らの予想外の大健闘という実話を基に、とびきり愉快で心暖まるこの映画。 ヨーロッパの強豪チームに笑われたり馬鹿にされたりしながらも、大健闘する話は、何度見ても面白い。 そして、彼らのジンバブエへの強い愛にも心動かされました。 選手権出場を通して、母国ジンバブエの未知なる可能性を世界に示すことが出来たし、そしてこのスポットライトで、抑圧的な政権の下で生きてきたジンバブエの若者たちに勇気を与えたい、と彼らは強く願っていましたから。 この映画は単なる大会への挑戦だけでなく、希望と変革の物語なのです。 監督・プロデューサー・脚本:ワーウィック・ロス&ロバート・コー 「世界ブラインドワインテイスティング選手権」に出場しただけにとどまらず、海外で講演会をしたり、ワインの会社を作ったり、難民たちを助けたり・・・。 彼らの活躍は、まだまだ続く。 難民の見方が変わった映画だった。 ■動画:チーム・ジンバブエのソムリエたち■ にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.12.27 10:50:19
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