テーマ:映画館で観た映画(8573)
カテゴリ:映画
舞台はモスクワ南東35キロに位置するゴールキ村。 レーニン(レオニード・モズゴヴォイ)は 1918年8月30日に狙撃され、健康を害していた。 その療養を兼ねて彼はこの村で休暇を過ごすようになり、 1923年から亡くなる1924年までは定住することになる。 映画はレーニンが理性を完全には失っていない1922年夏の一日を描いている。 レーニン52歳。 6本の白い円柱で飾られた瀟洒な邸宅に暮らすレーニン。 ここにはモスクワからの手紙も届かず、電話もかかってこない。 革命の指導者は、病人としてあらゆる外界の出来事から隔離されているのだった。 隣室では護衛局長がレーニン宛の手紙を検閲し、暖炉で燃やして処分していた。 別の隣室には妻(マリーヤ・クズネツォーヴァ)と妹が不安げに暮らしていた。 レーニンの秘書である女性は不可解な振る舞いをし、なぜか陽気に笑っている。 邸宅全体を奇妙な雰囲気が覆っていた。 孤立させられていることを感知し、自由にならないわが身に苛立つレーニン。 痙攣の発作を起こし、まだらボケも始まっている。 この革命の立役者は、いまや信じられないような境遇に陥っているのだった。 そこにモスクワから客人がやってくる。 空虚な黒い目の、小悪魔を思わせる風貌の男だ。 意味も無く苛立っているその男は一体何のために来たのか良く判らない。 不可解な客人とレーニンとの対話が繰り広げられる。 その後、庭のあずまやに行く妻とレーニン。 しかし、妻は電話で呼び出され、館に戻っていく。 やがて一人取り残されたレーニンの、妻を呼ぶ叫び声が庭に響き渡るのだった……。 ロシアの鬼才・アレクサンドル・ソクーロフ監督による、20世紀の権力者についての3部作の2作目。 監督にとっては最も近しいであろうレーニンの末期に挑戦した問題作。 レーニンをレオニード・モズゴヴォイが、その妻をマリーヤ・クズネツォーヴァが演じている。 ロシアを代表する映像作家アレクサンドル・ソクーロフ監督が歴史上の人物を描く全4部作のうちの1本で、 第1作ヒトラーの「モレク神」と 第3作昭和天皇ヒロヒトの「太陽」の間につくられたシリーズ第2弾。 歴史上初の社会主義政権を樹立したロシアの指導者レーニンにスポットを当て、病に倒れ志半ばで権力の座を手放した男の孤独な晩年の1日を静謐に綴る。 ■「太陽」で昭和天皇ヒロヒトの苦悩を描いた■アレクサンドル・ソクーロフ監督が、祖国ロシアにおいて史上初の社会主義政権を築いたレーニンの晩年に焦点を当て、権力者の人間的な側面を浮かび上がらせた問題作。 モスクワ郊外の屋敷で外界から切り離された療養生活を送る52歳のレーニン。 右半身が麻痺しているため体の自由はきかず、痴呆の症状も現われ始めている。 スターリンが見舞いに訪れても、その名前さえ思い出すことができず……。 「牡牛座 レーニンの肖像」の公開日は2001年になっている。 21世紀になって、「英雄」の哀れな最後が公開できるようになったのだろう。 スターリンが見舞いに来るが、レーニンには、誰だか理解できていないようだ。 それより、スターリンは、レーニンの屋敷が気に入った。 レーニン亡き後には、この邸宅をもらおうと思った入るんんじゃないのか? じっさい、スターリンは、政治とトップになったあと、大邸宅に住んでいた。 ■スターリンの葬送狂騒曲■ レーニンもスターリンも資本主義の成功者的な暮らしだった。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.08.05 00:06:29
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