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カテゴリ:映画
心に降り積もった雪は溶け、人生となる。 都会育ちで繊細な少年ピエトロは、山を愛する両親と休暇を過ごしていた山麓の小さな村で、同い年で牛飼いをする、 野性味たっぷりのブルーノに出会う。 まるで対照的な二人だったが、大自然の中を駆け回り、濃密な時間を過ごし、たちまち親交を深めてゆく。 やがて思春期のピエトロは父親に反抗し、家族や山からも距離を置いてしまう。 時は流れ、 父の悲報を受け、村に戻ったピエトロは、ブルーノと再会を果たし… 世界39言語に翻訳され、イタリア文学の最高峰・ストレーガ賞に輝いた同名の国際的ベストセラー小説が、待望の映画化。 『オーバー・ザ・ブルースカイ』の監督&脚本家が共同監督し、山と対峙して己と向き合い未来を見つめる青年たちの、かけがえのない友情と魂の交流を丹念に紡ぎ出した。 ルカ・マリネッリ&アレッサンドロ・ボルギ、イタリア映画界屈指の実力派俳優豪華競演。 北イタリア、モンテ・ローザ山麓のアオスタ渓谷を中心に、トリノ、ヒマラヤ山脈で撮影を敢行。 パルム・ドール受賞作『TITANE/チタン』の撮影監督ルーベン・インペンスによる圧倒的な映像美とカメラワークで豊かな四季の自然と友情、葛藤しながら2人がそれぞれの道を発見してゆく様を映し出す、揺さぶられるほど懐かしく切ない一大抒情詩が誕生した。 ●映画メモ● ★ピエトロ: ルカ・マリネッリ(ピエトロ役) 映画『マーティン・エデン』(2019)では、第76回ヴェネツィア国際映画祭で見事男優賞に輝いた。 イタリア語、スペイン語、英語、フランス語、ドイツ語の5か国語を使いこなすマルチリンガル。 ■『マーティン・エデン』■を映画で見た時、「マーティン・エデン役のルカ・マリネッリの顔立ちは、魅力的!!」と記している。 ★主役・ピエトロの親友・ブルーノは、小さい頃から牛飼をして山の村で暮らしている。 山を熟知している彼は、「山の民」。 しかし、一人暮らしであれば、やっていける山暮らしも結婚し、子どもが生まれるとそうはいかない。 自給自足で暮らせない、現金がいるのだ。 昔は、みんな自給自足で暮らせていたのに・・・。 日本でも、米を作り、山で燃料やキノコを採って何百年も暮らしていたが、80年ほど前から自給自足では暮らせなくなった。 自分で家を建て、牛を飼いチーズを作る、 山の民のようなブルーノは、生まれてくるのが遅すぎたのだ。 ★ブルーノにとって「自然」という言葉はない。 そこは、湖であり牧場であり、岩場であり、林、森・・・。 ★自然ととも暮らす人を映画の中で「山の民」と言っている。 日本の「山の民」ってアイヌではないかと思った。 アイヌの人々は「自然や身のまわりのものに神様がいる」と捉える。 そのため、彼らにとってモノを使うことや狩猟や採集で食材を得ることは「神様の持ち物の一部をおすそ分けしてもらっている」ような感覚なのだという。 彼らは、普段から資源をとりすぎないよう細心の注意を払っており、狩猟や採集で得た魚や樹木は、皮まで衣服や靴に利用するなどして余すことなく使ってきた。 必要以上に木を切ることがなかったので、明治以前の北海道は全道の9割が森林地帯だったと言われている。 水も空気も風も、山の中では平地とはまったく異なる相貌を見せ、 山の民はそういう元素とともに生きている。 たどり着こうとしてたどり着けない山の民の世界。 中沢新一(人類学者) なによりも、山々の美しさに圧倒された。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.08.07 00:07:25
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