テーマ:映画館で観た映画(8573)
カテゴリ:映画
こんなふうに生きていけたなら 東京渋谷の公衆トイレの清掃員、平山(役所広司)は押上の古いアパートで一人暮らしている。 その日々はきわめて規則正しく、同じことの繰り返しのなかに身を置いているように見えた。 ルーティンは孤独を遠ざけるものかもしれない。 けれど男のそれはどこか違ってみえた。 夜が明ける前に近所の老女が掃除する竹ぼうきの音が響く。 それが聞こえると男はすっと目をあける。 少しのあいだ天井をみつめる。 おもむろに起きあがると薄い布団を畳み、歯を磨き、髭を整え、清掃のユニフォームに身をつつむ。 車のキーと小銭とガラケーをいつものようにポケットにしまい部屋をでる ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースと日本を代表する俳優 役所広司の美しきセッション。 フィクションの存在をドキュメントのように追う。 ドキュメントとフィクションを極めたヴェンダースにしか到達できない映画が生まれた。 カンヌ国際映画祭では、ヴェンダースの最高傑作との呼び声も高く世界80ヵ国の配給が決定。 ドイツ人監督の作品だけに、 外人の目線はこうなんだろうなと思うところがいっぱい出てきた。 ★竹帚での朝の道路掃除。 早朝、竹帚で道路をはく音。 外人からすれば、竹箒は珍しく、何より公共の道路を毎朝はくという行為が日本人的なのだと思う。 ★街の中の神社。 東京という大都会にあって、樹木の繁る神社は、異空間。 そこに入る時のは、鳥居をくぐるのだが、一礼してから鳥居の端を歩く。 ★銭湯。 これも「ザ・日本」。 ★平山の部屋。 小さな6畳くらいの畳の部屋。 置いてある家具といえば、小さな箪笥と本棚くらい。 テレビもないし、机やパソコンもない。 茶室のような部屋だ。 ★畳の上に布団を敷いて寝る。 ベッドは置いてなくて、畳の上に布団。 目覚めたら、布団をたたんで部屋の隅に。 小さな部屋でも家具が少ないから広く感じる。 第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所が日本人俳優としては『誰も知らない』の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した。 本作は同映画祭でエキュメニカル審査員賞も受賞している。 日本国内のキャッチコピーは「こんなふうに生きていけたなら」。 主人公の男に与えられた「平山」という名前は、『東京物語』や『秋刀魚の味』で笠智衆が演じた登場人物をはじめ、小津安二郎監督の作品に繰り返し使われる名前である。 ユニークな東京の公共トイレが沢山あった。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.01.27 00:32:18
コメント(0) | コメントを書く
[映画] カテゴリの最新記事
|
|