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音伽奏誌

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2005年11月30日
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息が必須な管楽器や、
アンサンブルが基本の弦楽器などと比べて、
ピアノの演奏をする時の呼吸って、
おざなりになりがち。

むつかしいところに差しかかると、
息を止めて演奏する人なんかもいますが、それは禁物で、
音楽では、フレーズと一体となった呼吸が不可欠です。

音楽には、フレーズという、音楽のまとまりがあります。
これは、文章の、句点(。)読点(、)を打つまでの
言葉のまとまりと同じようなものです。

この一フレーズを一息で弾く、ということを、
私は「フレーズを通す」という言葉で言っており、
自分が弾く時はもちろん、レッスンでも、重視しています。

この頃、かなり、フレーズと身体が一体になってきた感があって、
そんな自分が演奏しているのを観察してみると、
いろいろと、面白いことに気づきます。

今、練習している曲を例に、説明しますね。
シューベルト作曲の「アヴェ・マリア」のリスト編曲モノですが、
歌曲の「アヴェ・マリア」を思い浮かべてもらえばOKです。

まず、この曲を演奏するには、1分間に4回の呼吸が必要です。
前奏の、波がふくらんで、ひいて、のひと波が15秒ぐらいなので。

引き続き、ひと波ごとに説明しますね。

Ave Maria
(♭シーーーラ♭シレーード♭シ)
「ri」が、このフレーズの頂点です。
ここで、背中の心臓の裏辺りを開く感じになります。
この曲の調性変ロ長調の主和音をベースにしたフレーズなので、
ずっと、静かな調子。なので、まだ、胸は開きません。

Jungfrau mild!
(ドーーレド♭シラソラ♭シ)
Ave Mariaのフレーズと関係して、
もう少し、大きな波になります。
「Jung」で、胸を開いて息を吸います。
始めからの2つの波を考えても、ここが頂点になります。
「mild!」の終わりは、フレーズの終わりですから、
深く息を吐きます。

erhore einer Jungfrau Flehen,
(レレーード♭シラソレミレーミド)
いきなり、ニ短調の和音が使われていて、そのエネルギーを感じつつ、
「Fleh」までぎゅーっと運んできます。
お腹の右側の筋肉で支えています。

aus diesem Felsen starr und wild,
(ラドーー♭シラドレ♭ミドラ♭シ)
さっきのニ短調からト短調の和音に納まるフレーズです。
胸の右側の真ん中に、フレーズの余韻をしまう感じで弾いています。
(基調のロ長調がお腹の中心、それに比べてト短調は胸の辺りなんでしょう)

soll mein Gebeth zu dir hinwehen.
(レドドーーラソシレファレシドーーソラ♭シラソファ)
「hinwehen」で、ヘ長調に転調したことがハッキリします。
「Gebeth zu(ソシレファレシド)」のところで、
右胸をいっぱいに開いて演奏します。
「hinwehen」では、大きなフレーズのまとまりの終わりなので、
(歌詞の始めからここまでのフレーズのまとまりの終わり。
 文章では段落の終わりみたいな感じ)
息を吐ききります。
でも、ロ短調と比べて強いイメージのヘ長調なので、
そのニュアンスを出すために、鎖骨の真ん中辺りでは支えています。

・・・という感じで、
曲の途中ですが、ここまでにしておきますが、
メロディーの頂点や、和音の機能、転調を意識しつつ、
かなり細かく、胴体のいろんな筋肉を使っていることがわかります。

このように、自在に呼吸ができる身体は、
たくさんの音を扱うピアノにこそ必要ではないのかしら。
そこで初めて、曲のニュアンスが生きてくる、と思っています。












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最終更新日  2005年12月11日 22時43分49秒
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