昨日の手術は久々に腰に来ました。症例は下顎歯肉癌頚部転移例です。ちなみに行った術式をすべて書くと「下顎および口腔底部分切除術、抜歯術、左根治的頚部郭清術、右上頚部郭清術、気管切開術、遊離腓骨及び下腿外側皮弁による口腔底下顎再建術、全層植皮術」となります。医療関係者でなければ訳がわかりませんね。とにかく、手術室入室が朝9時、手術終了したのが本日朝4時半、ICUに入ったのが5時半。概ね全体の7割ほどをhead&neckが術者で行いますから、17時間のうち10時間ほどは入っていたことになります。もちろん助手も、再建をお願いした先生もオーバーラップして手術に入りますから、一同クタクタです。おまけに、本日は一日中外来。さすがにへばります。
ここのところ、大学病院の人員不足のあおりを受けて、head&neckのいるような市中病院でこういう症例をやることが増えてきました。今は年におよそ20例前後ですが、増加傾向にあるのは間違いないので、数年後が恐ろしいことになりそうです。
ただ、しんどい症例を一緒に乗り切ることでチームワークは良くなります。小さい症例を効率よくこなすよりも指揮系統がはっきりするからかもしれません。麻酔科の先生に聞くと、ロングオペがあることで、うちの科はよその科よりも仲が良くなるとの評価です。確かにその通りで、手術のあとには一緒に頑張ったという共感が一同を支配します。
きつい仕事には、それなりの満足感と充足感、そして同僚との絆を培う魅力があるのでした。
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最終更新日
2007.10.18 18:22:23
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