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カテゴリ:診療
本日、末期の患者さんがまた一人逝きました。
お亡くなりになることを、現場では「ステルベン」といいます。ドイツ語で「死亡」という意味です。医療を尽くしても、人はいつか必ず死にます。 head&neckは、癌の患者さんを扱いますから、これまで何人ものステルベンを見てきています。50人までは数えていましたが、今はもう数えるのをやめました。 誰かがこの世からいなくなるとき、独特の空気が支配します。それまでは他の病室と同じ雰囲気であったのに、徐々に空気がじっとりと重くなり、一つ一つの物音が凄く大きく感じられます。電灯の光、日光、人の足音までがすべて印象的になります。もちろん、各々の患者さんのキャラクター、家族など、いろんなものが影響して、一人ひとり、少しずつ違った最期を迎えて去っていきますが、そういったとき、昔の人が神や悪魔を信じて創造した気持ちが少しはわかるのです。 いつか自分も死にます。そのとき、どういう空間になるのか、と考えるのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.10.22 23:59:54
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