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カテゴリ:診療
医療に限らず、仕事をしていると、物事がすごく上手く回る日と、とってもトラブルが多い日があります。昨日はそうとうめぐりが悪い一日でした。
朝、病棟処置が終わって、さあ、手術室に行こうとすると看護師さんに呼び止められました。「先生、今日オペのAくん(2歳)が一昨日予防接種したみたいですよ」「え・?何打ったの??」「三種混合」・・・・三種混合は弱毒生ワクチンなので、接種すると1ヶ月は全身麻酔するべきではないので、中止です。この患者さん、特殊な奇形でずいぶん前から準備して、手術器具を取り寄せて他科の医師とも連携をとって日程を組んだのですが、すべてキャンセル。 気をとりなおしてオペ室へ。1件目は耳ろう孔の手術。通常30分で終わるのですが、この症例は感染を繰り返し患部はぐちゃぐちゃ。たっぷり2時間かかりました。 続けて舌癌の舌部分切除。レーザーを使用して舌をそぎ取ります。これも1時間前後の予定が予想外に腫瘍が大きく、何とか切除して病理で診てもらったら「もう少し取った方がいいよ」との返事。結局予定時間を2時間オーバー。 最期に甲状腺癌の手術。反回神経が左右両方腫瘍に癒着していてなかなかはがせずに顕微鏡を出してやっとこさ剥離。気管切開術を追加して終了。 病院を出たのは夜中12時を回ってしまいました。 医療行為は予想される結果の幅が大きく、あらかじめいろんな可能性を患者さんに説明してありますので、上のような事態も勿論想定はしてあります。とは言え、概ねは無難に終わることが多いのですが、すべて一番厳しい方向にシフトしまってへとへとになりました。何とか無事に終わってホッとしています。 イケてない一日だったのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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