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臨床の現場より

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カテゴリ:日々のこと
 一気に気温が上がり、夏本番という感じです。head&neckの病院でもエアコンがかかり、窓から見える外の日差しと彼方の入道雲が夏を感じさせる季節になりました。
 気温が上がると、外来に見える患者さんの病気の種類に変化が現れます。梅雨のじめじめした時期はどちらかというと眩暈や難聴、帯状疱疹など、体調に左右される病気が多いのですが、暑くなると、扁桃腺炎、中耳炎といった細菌感染症が急増します。平均にしてたった5度の気温の差でも、微生物が増殖しやすい環境になるようで、中耳炎が増えると「ああ、夏だなあ」と感じるのです。
 病院の中はガッチリと空調が効いていて、head&neckも他の医師も長袖の白衣をTシャツの上に羽織ってちょうどよいくらいです。朝から深夜まで院内にいる生活を10年以上続けていると、昼間の外気に弱くなっているのではないかと心配になるくらい快適です。

 ところが、数年前に病院のエアコンが故障したことがありました。最近の建築物は病院に限らず、空調を効かすことを前提に設計、建築されています。つまり通気性よりも密閉性に重点を置いて、空気の流入、流出は主にエアコンのファンを通して行うという考え方のもとに建てられているのです。電気のエネルギー効率から考えると至極当然ですが、一旦エアコンがない状態になるとこれがすべて悪い方向に働きます。
 あさ9時に外来が始まる頃にはすでに室内温度は30度を超しています。窓は換気の概念なく設計されており、開けても風邪は入ってきません。カーテンではなくブラインドになっており、たまに風が入るとブラインドがじゃらじゃらと音を立てて診察のじゃまになります。診察室はまだ人口密度が少ないのですが、待合室となると大変です。人間の発する熱はすべて建物内にこもり、湿度も上がり、とても長時間居れるものでは無かったと聞きました。
 
 昔head&neckが小さかった頃に、母に連れられて小さな病院に行った覚えがあります。おぼろげなその記憶では病院の窓は木枠で、大きく開け放たれていました。待合室の椅子から網戸を通して外が見えていて、診察室との間にはついたてがある程度。そのついたての前に古い首振り扇風機が置いてあって、その音がちょうど診察室の会話が聞こえない程度に心地よい雑音となっていました。もちろん風通しは良く、夏のさなかであったと思いますがそんなに暑苦しかった記憶はありません。

 だからといって、現代の病院を否定するつもりはありません。ただ、いつの時代にもひとは様々な工夫をして生きていることを考えるとともに、器械や設備に頼ることの脆弱さに少しだけ思いをはせるのでした。


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最終更新日  2008.07.15 14:40:47
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