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カテゴリ:日々のこと
多くの病院でも導入されていますが、head&neckの病院でも院内PHSが導入されています。いわゆる院内専用の携帯電話ですが、これが導入されたのは5年ほど前だったと思います。それまで、院内での呼び出しはポケットベルが主体でした。Dr.に用事があるときはこれをならすと、折り返し連絡が入るというシステムです。固定電話からかけ直さなければならないので、連絡が来ないとイライラしたりしていましたが、院内PHSに変わってからはこのイライラは無くなりました。
一方、強いて云えば携帯電話は所かまわずといったマナー面でのデメリットもあります。患者さんと面談している最中に電話がかかってきたりすると電話に出ないわけにも行かず、「折り返しかけます」と一言いってから切るのですが、こちらの用が済んでから折り返し電話すると今度は相手が手が離せない状態だったりして、申し訳ない気持ちになります。まあ、この辺は運用の問題で、大きなトラブルにはなりません。なんといっても圧倒的に便利なものですから、皆重宝して使っています。 問題点は、この院内PHS,外見が通常の携帯電話と見分けがつかないということです。部外者からみると、院内の通話に携帯電話を使用しているように見えてしまうのです。病院の中には、携帯電話の電波に影響を受けて動作に狂いが生じる精密機器があるので、場所によっては携帯電話の使用が禁止されています。身近な所では心臓のペースメーカーなどが代表機器ですが、その他精密持続注入ポンプ、心拍監視装置、人工呼吸器、IABP、PCPSで誤作動の報告があります。実際に誤作動したのを目撃したことはありませんが、色々調べると1m以上離れていればまず大丈夫というのが定説のようです。 つまり、1m以内に精密機器が無ければ使って良いのです。この結果を受けて、head&neckの病院ではロビーや休憩室では携帯電話の使用可となっています。ところが、患者さんや付き添いの方のなかにはベッドサイドで携帯電話を使ってしまう場合があり、看護師が注意をすると、「先生たちだって使っているじゃないか」と逆ギレされたりしてなかなか困ったものでした。院内PHSは医療機器に影響を与えないことが確認されている電波の周波数で使用されているのですが、そんなことは患者さんは知りません。 いくつかこういう事例が重なって、院内PHSには赤い首かけストラップをつけて、そこに「医療用」というロゴが入るようになりました。これで、かなりの数の人たちが「ああ、あれは医療用なんだな」と分かるようになったみたいで、クレームは減少したと聞きました。 ただ、うちの病院でなぜ赤いストラップを採用したのかは判りませんが、個人的には白衣に赤いストラップをすると血液が首から流れているみたいに見えてしまってどうも好きになれません。皆同じように感じるのか、結局ストラップは電話に巻きつけて電話を白衣のポケットに入れて持ちあるくDr.も多いようです。 まあ、どちらでも良い話なのでした。 ←じりじり低下中、ぜひぜひ一日一回のぽちを。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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