head&neckの病院もすっかり夏休みモードです。と言っても、我々が休みを取るわけではなく、患者さんのお休みにあわせて予定手術が一杯になってくるという意味です。もともと、耳鼻咽喉科というのは良性疾患も多く、良性疾患は今すぐ手術をしなければならないわけではないので、どうしても患者さんや、そのご家族の都合に左右されます。学校が夏休みになるこの時期からおよそ1ヶ月間は、特に子供の予定手術が増えます。
もっとも多いのは扁桃摘出術で、現在の段階で8月一杯までで40件近くの予定が入っていますが、例年のことで、さらにねじ込みます。手術をする医師も大変ですが、それ以上に病棟もてんやわんやとなります。一日に同じ手術を3件からひどいときは5件、それが月水金と週に3回も続くと、どの患者さんがいつ入院していつ退院か混乱のきわみとなります。なにしろ年齢も皆5歳から8歳前後と似通っており、診察のさいにもよほど気をつけていないと、昨日手術した患者さんに間違えて退院をさせかねません。幸いにして今までそういうミスはありませんが、会話していて「あれ?」と思ったら違う患者さんだったということはたまにあります。
ミスを防ぐためにはダブルチェックと、面倒くさくても必ず患者さんかその家族に自分の名前を言っていただくことが重要です。医療現場では最近当たり前になってきましたが、判りきっていても手術の前、入院診察の前には複数の人間が名前を確認してから診察や手術を始めます。それでも背格好が似ていたり、名前が似ていたりする人が同時に入院していると危険は倍増です。鈴木さん、田中さんは要注意です。
この時期に入院する方にお願いがあるとしたら、現場でくどいほど名前を確認されても、嫌な顔をしないで欲しいということでしょうか。そうたくさん居るわけではありませんが、やはり中には「さっきも言ったじゃないか」と怒る患者さんがみえます。しかし、ご本人にとっては当たり前と思うことでも、取り違えでもあると大変なことになりますから、ここはぜひご協力いただきたいものです。
さて、夏場の始まりです。この夏も事故無く乗り切りたいと思うのでした。
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