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臨床の現場より

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カテゴリ:日々のこと
 我々医師の出張はほとんどが学会で、いわゆる業務命令の出張は少ないのですが、本日はhead&neckの病院と同系統の病院に業務命令で出張してきました。出張といっても、診療をしに行ったわけではなく、今回新しく耳鼻咽喉科を開設することになったその病院の外来施設および診療用具監修と職員教育が目的です。
 11時前の新幹線に乗って景色を眺めること1時間あまり。目的地の駅に着くと向こうの病院の事務長さんが駅まで迎えに来てくれていました。お互いに面識がないので「○×病院」と書いたプラカードを持って改札口にたたずんでおり、少し恥ずかしい気持ちで挨拶をしました。 軽く昼食を済ませた後、病院に向かいました。新しく建てて1年の病院は、内装も外観も綺麗でモダンな感じです。院長先生に挨拶してから、院内の病棟、手術室などをかるく見学しました。どこも清潔で、やはり新しい病院はいいものですが、ひとつ気になったのは病床の空き部屋がまだ多いことです。事務長さんとお話して判ったことですが、この病院の病床数は約100床で、医師数は12名とまだまだ不足しているので、ベッドをすべて埋めるまでのマンパワーは到底望むべくもないという話でした。医師不足は全国的なことですが、立派な建物を建ててもソフトが充実しなければただの箱です。鋭意努力はされているとのことでしたが、なかなか確保は難しいという言葉が印象に残ります。
 さて、昼過ぎから耳鼻科の外来の監修に取りかかりました。とりあえずは非常勤体制で週に2回の外来のみの開設だということで、非常勤の医師はhead&neckの病院と、さらに横浜にある同系列の病院から週に一度ずつ外来診療をしにくる予定です。もちろん非常勤では入院や手術は不可能なのですが、それでも他科での入院患者さんや他科受診の時に耳鼻科にもかかりたいというニーズはあるようで、それなりにしっかりした医療を提供しなければなりません。
 これまでここの病院には耳鼻咽喉科がなく、当然外来の看護師も検査技師さんも耳鼻咽喉科の診察の流れなどまったくわかりません。あらかじめメールなどでベッドやユニットや診察いす、顕微鏡など、必要な物品はそろえられてはいましたが、その配置はとても使えるものではありませんでした。・・というわけで、まずは診察室の模様替えから開始です。
 耳鼻科のユニットは、患者さんの左側、医師の右側に配置されるのが通常です(右利きの医師が多いため)。また、鼻やのどの処置で迷走神経反射というのを起こして急に血圧が下がる人がまれにいるので、診察いすはボタンひとつで背もたれが倒れる仕組みになっています。ところが診察室に入ると、ユニットの位置は反対、診察いすはドアに接していて、まずこの場所を変えねばなりません。顕微鏡の位置も変え、ベッドの位置も移動。みな汗だくで作業を終わるのに1時間半かかりました。それから診察で使う器具、薬剤、検査の流れ、患者の動き、小児の診察の際の注意など、話しておくことは山ほどありました。看護師さんだけでなく、事務の方もいたので、医療行為のコストについても説明せねばなりません。たとえば鼻血を止めたときにはこういう処置料をその場でチェックするとか、この検査をしたときにはこの値段ですとかいったことを、あらかじめリストアップしておいた表を参考にすべて解説していきます。慣れてはいないが皆熱心で、たくさんの質問が出ました。判ることにはすべて回答を出したつもりですが、実際にやってみるといろんな不足物や、または不要物が出てくるとは思います。新しく診療科を立ち上げるのは大変なことだと改めて実感した次第です。
 全部終わるとすでに6時を回っていました。7時半から自分の病院の会議で帰らなければなりませんから、ぎりぎりです。挨拶もそこそこに病院を後にして新幹線に飛び乗って帰院しました。

 今のところ曜日の都合でhead&neckはこの病院に診療に来る予定はないのですが、何かあった時の責任者のうちの一人にはなります。医療崩壊を防ぐせめてもの防波堤のひとつになればと願うのでした。



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最終更新日  2008.07.29 23:10:08
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