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カテゴリ:日々のこと
総合病院というのは、多種多様の医療関係者だけではなく事務方もたくさんいますから、ひとつのことを決めたり変えたりするのにも何かと面倒なところもあります。head&neckの病院でもいろんな委員会があって、物事を新しく始めるときはこの委員会を通さなければいけません。このやり方がはたしてよい事なのかそうでないのかは判りませんが、日本人はとにかく会議好きであることは間違いなさそうです。
たとえば、新薬を採用するときは薬事委員会に出席して説明しなければなりませんし、臨床試験を行うときは治験検討委員会と倫理委員会の承認を得なければなりません。その他、診療部長会、病院運営会議、手術室運営委員会、救急部運営委員会、防災委員会、感染対策委員会、研修管理会議などなど、このあたりは少し大きな病院ならば当然ありそうな会議がずらりと並んでいます。 必要悪なのかそうでないのか、わけのわからん会議もあります。セクハラ対策委員会、サービス向上委員会、あいさつ奨励委員会などは出席したこともありません。しかし、組織が大きくなると管理側の目が行き届かなくなるのか、通常は常識で片付くことも委員会で規定を設けなければならないといった面もあるようです。 「委員会を開き、その討議をもって意思表示・コンセンサスを得て、物事を動かす」という形をとりたがるのは、ある意味官僚的手法で、責任の所在の分散化でもあります。なにか問題がおきたときに、「一応みんなの意見を聞いたことだから」という言い訳でもあります。民主主義といえばそれまでですが、委員会や会議が増えれば組織としての機動力は徐々に落ちてゆきます。かつて公立病院にいたときには、会議の場所では議論が紛糾していたにもかかわらず結論が事務方の良いように書き加えられて報告されていたことは何度もありました。会議の前に物事は決まっていて実質は上意下達の場なのですが、それに「皆で決めた」という隠れ蓑をかぶせるためだけの手続きであったようです。 さすがに今いる病院は私立病院なので、このようなことはなく、会議は意見を取り入れる場所として機能していますが、どこの集団にも議論好きはいるもので、必ず反対意見を言ってくる人や、会議を混乱させる人たちはいます。結局バランス感覚の良い人がいないとまとまりません。 それにしても、当院の会議、委員会の数を一覧表にして見ると全部で40を超えています。「委員会整理委員会」なんてのも必要かな?と思ったりするのでした。 ←やや下降気味。一日一回のぽちを。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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