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カテゴリ:医療行政
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超勤上限、月60時間に=国家公務員、実態踏まえ指針見直し-人事院 11月30日2時40分配信 時事通信 人事院は、東京・霞が関の中央官庁に勤務する国家公務員が連日深夜に及ぶ超過勤務を強いられている現状を踏まえ、これまで「月30時間」としていた超勤の上限指針を見直す方針を固めた。実態を考慮して上限を倍の「月60時間、年間720時間」とし、各省庁の意見も聞いて今年度中に通知する方針だ。 中央官庁では、特に国会での与野党議員の質問内容把握や閣僚の答弁づくり、予算編成作業などで深夜に及ぶ勤務が常態化。繁忙期には超勤時間が月200時間を超えることも珍しくない。このため、タクシーでの帰宅が続き、一部職員がなじみの運転手から缶ビールなどの提供を受けていた「居酒屋タクシー」問題も発覚した。 そこで人事院は、超勤の上限を勤務実態に合わせて引き上げる必要があると判断。一方で、過労死のリスクは超勤時間が「月100時間以上」で一気に高まると一般的に言われていることから、超勤の上限を「月60時間」に設定する方向で検討している。 これ、読んだ勤務医のほとんどが「ばかいってやがる」と思ったのではないでしょうか?おそらく地域の基幹病院の勤務医で、超勤が30時間以内なんて医師は少数派です。head&neckは耳鼻咽喉科ですが、月の超勤時間はおおよそ平均して70時間。呼び出しや緊急の多い産科や整形外科、心臓外科などは120時間を恒常的に越えています。上の記事には「繁忙期」とありますが、我々は一年中です。 さらに訳がわからないのは、「繁忙期には超勤時間が月200時間を超えることも珍しくない。過労死のリスクは超勤時間が月100時間以上で一気に高まると一般的に言われていることから、超勤の上限を「月60時間」に設定する方向で検討」とありますが、上限設定の数値の根拠がまったく不明ですね。上限60時間なんて決めるより、繁忙期は超勤した分をきちんと払い、暇な時期はしっかり休ませるのが当たり前だとおもいますけど。。 とはいえ、head&neckの病院でも超勤は上限50時間までしか支払われません。お役人を笑えないわけですが、理不尽にまみれて仕事をしているのはやはりやりがいと使命感に支えられていると思っています。 もちろん、まじめな公務員の方々を批判しているわけではありませんし、彼らだって忙しいことは承知です。しかし、あちこちでいわれているように、医師や医療職の労務環境は公務員の労働環境よりはるかに劣悪かつ過酷であるのに、人事院はまず身内と言うべき公務員の環境を改善する通達を出していることにゆがみを感じるのでした。 ←低迷中。一日一回のぽちを。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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