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カテゴリ:診療
本日は当直です。現在、head&neckは月に2~3回の割合で病院の外科系当直をしていますが、年々自分の専門以外の患者さんを診るのが恐ろしくなってきますが、仕方なくこなしている面が大きいといったところでしょうか。
それにしても、お正月や休み明けの救急外来には、お正月ならではの患者さんがやってまいります。印象に残っている方々をご紹介しましょう。 ・52歳男性、いきなり意識消失、冷や汗にて救急車で搬送。既往に糖尿病あり。 年末に糖尿病の教育入院で1ヶ月を過ごしたこの患者さん、お正月だからと自宅に帰り、ついつい甘いモノやお酒を飲み過ぎたので、反省の意味をこめてインスリンを倍量注射したとか。低血糖発作で倒れました。もちろんとっても危険な行為で、このようなことは絶対にだめと教育された筈なのですが・・・なんでも「休み明けに先生に叱られるのが怖かったので血糖を下げようと思って」とのこと。場合によっては命の危険がありますよときつく諭しましたが、また叱られたの思われると辛いので、「そんなことで糖尿の先生は怒りません、高血糖の患者さんはしょっちゅう診られてますからね」と一応フォロー。とんでもないことを思いつくものです。 ・5歳男児。外耳道の異物で外来受診。お正月休みで実家に家族で帰省し、いとこと銀玉鉄砲で遊んでいるうちに、何となく耳の中に銀玉を入れてしまいとれなくなってしまいました。父、母、叔母、みんなで耳かきや綿棒を使うも銀玉はどんどん耳の奥に入り込んでゆきます。そこにおばあちゃんが登場! 婆「マッチ棒に接着剤つけて引きずり出そう」 母「あ、瞬間接着剤がある。これ使おう」 婆「よっしゃ、あたしにまかせなさい」 てなわけで、父と母で痛がる子供を押さえておばあちゃんは自分のアイデアに、気合い満々で異物摘出を試みました。 顛末は、見事に失敗。小刻みに動く子供の耳たぶにマッチ棒はしっかりとひっついてしまい、外来受診時には右外耳道に異物、耳たぶにマッチをはやした状態で来院・・ 「生兵法は怪我のもと」です。 ・9歳女児。黒色便にて救急受診。 黒色便といえば、医師としてはまず消化管出血を疑います。それにしても9歳とは年齢が小さすぎ、腹部にも全く自覚症状なし、膨満感、緊満等の他覚所見もありません。便検査でも潜血は陰性。しかし実際の便を母親が持参したものを見ると、確かに真っ黒です。はて?? head&neck「昨日は何を食べたの?」 母「お餅と、おせちと・・別に変なモノは食べてません。家族もおなかこわしてないし・・」 head&neck「○○ちゃん、おなか痛い?」 患児「痛くないよ。平気。元気だよ。」 ふと気付くと、洋服に黒いしみがついています。これは・・・ head&neck「昨日、何してたの?」 患児「ええと、あさからお兄ちゃんとたこあげして、昼からおばあちゃんと書き初めして・・」 書き初め???? よくよく聞くと、どうやら古式ゆかしく墨をすって書き初めをしているさいに、おばあちゃんが筆をなめるのをまねして筆を舐めたくった様子。そりゃ、便も黒くなります。 患児「だって、ああすれば筆がとがって上手に字が書けると思ったんだもん」だそうな。 良くも悪くも、お正月はいつもと違う日々なのでした。 ←また30位台に下降。ぜひぜひ一日一回のぽちを。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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