今週は大きな手術が多かったので、病棟の処置も結構時間がかかります。10時間以上かかる大きな手術をした患者さんはICU(集中治療室)に術後一旦入室し、創の状態が落ち着いてから病棟へ移動します。現在はhead&neckが手術した患者さんが2名ほどICUでお世話になっていて、経過は順調ですが、こういうときには病院を離れて遠出はできません。呼ばれればすぐに来れる範囲にいなければならないのですが、よく考えると文章でこれを決められているわけではなく、我々が自主的にやっていることです。したがって行動の制限に対する報酬は全くありませんが、何となく医師たるものこうすべきという習慣が身についていて、なかなか病院の患者さんを無視して遠出する気分にはなりません。
ところが、最近医師になった若い先生たちはある意味ドライです。もちろん仕事中はしっかりと働いていますが、お休みの日は一切病院のことを考えないという人も増えました。ナースが休み中に電話連絡すると「今日はオフなんで他の先生に頼んでください」という返事が返ってくることも多いようです。
これ自体は間違ったことだと思っていません。医師だって人間ですから、休みを取らなければ肉体的にも精神的にも疲弊してしまいます。しかし、「他の先生」たるhead&neckはその都度呼び出されるというしわ寄せに耐えなければいけません。上司である以上は仕方ないのか、それともhead&neckも「きょうは休み」と言って病院に行かないのか、まあ結局出勤してしまうわけですが。こういうのが現場の医師不足の実態なのでしょう。
心意気だけで医師はできず、かといって心意気は不可欠で、どちらにバランスをおくか。難しい問題だと思うのでした。
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