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December 18, 2006
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カテゴリ:雑感
 平成18年12月15日(金)、日本の教育の根幹をなす法律『教育基本法』が改正されました。日本を、日本人を作ってゆくのは一にも二にも教育、であるはずなのに、こんなに大切な法律が(ことをすると憲法の次に大切なくらいの法律かも)いとも簡単に改正されてしまいました。
 昨年の郵政ドタバタ選挙で数を得た与党がドサクサにまぎれて強制的に議論を打ち切り、審議に入り数に任せて成立させてしまったのです。与党は100時間近くを審議に費やしたのだから十分に審議をした、ということを主張しているのですがそのほとんどが、タウンミーティングのやらせ問題だとか、いじめ問題だとかに費やされ、肝心かなめの法案についての審議はお世辞にも十分に成されたとは言いがたいものなのです。

 今回の改正が将来何をもたらすのか、それは今の段階では私にはまったく分かりません。私も組合に入っていろいろ運動をしています。ただ組合で言われるような改正=戦争の出来る国づくりへの教育と結びつくのかどうか、というと正直分かりません。
 しかし、少なくともこれまでの教育に『国家』『行政』がどんどん介入し易くし、安易に操縦することができるようになったのは確かです。

 これって相当不幸なことです・・・。

 なぜって、まったく機能を成していない“国会”の住人達である議員がボンクラで、教育や国づくりをまったくといっていいほど理解していないボンクラ行政が、これからの子どもたち、人間を作ってゆく“教育”に土足で踏み込んで介入してゆくわけですから、“戦争を出来る国づくり”にする以前に既にショックです・・。もう、これで日本の教育は荒廃どころではなく、教育の呈をなしていないものとなるでしょう・・。

 改正案と原法を読むと、ちょっとした言葉尻をちょこっと直しているような印象を受けますが、野党や組合の主張によると、そのちょっとした言葉尻を捕まえて、与党、文科省がやりたい放題、教育現場に持ち込むと言われています。私は彼らが言う程ひどい事も出来ないだろう、と思っていますし一般の人も、まさかこの民主主義の世の中でそんな独断専行のようなことが出来るなんてありえないと思っている方が大半だと思います。

 しかし、ここで、「待てよ?!」としつこいくらいに疑問を持たないといけないのかもしれません。なぜなら、この国にとても民主主義なんて成立しているとは思えないからです。過去に何度も、“まさか、そんなことは・・”と思っているようなことが、次々に勝手に決められ、知らぬ間に施行され、悪い方向へ進んでいく、そんな国の行く道を何度も見せられてきました・・。今度も、この根幹たる基本法を改正(もう改正なんて呼びたくない!何が正だっ!!正は正しい時に使うんですよねぇ・・。これは改悪ですよ怒ってる)したことで、何でもかんでもやりたい放題にできる。国民や世論の目があるから大丈夫なんてタカをくくっていると、世論操作をしたりして結局なし崩しにひどい方向へ進まれてゆくのは目に見えています・・。

 それにしても、教育基本法をこんなにあわてて改正しなければならない理由が一体どこへあったのでしょうか?与党は一切説明なしです。要は、アメリカ占領下でできた基本法だから変えたいという右に触れた安倍総理の少々(相当?!)ネジのゆるんだ頭で考えた事なのでしょう・・。いじめ問題やダメ教師問題、その他いろいろ学校、教育がらみの問題は尽きませんが、これらのどれをとっても教育基本法が問題なために起こったものなどどれ一つも無いのです。だって、すでにこの法が施行されてから60年近くも経つんですよ。この法が問題なら、この法の下教育を受けた60年前からの人たちも同じ問題を抱えてきたってことですよね・・。でも、そんな事は無いわけで・・。これだけの大問題を変更するならば、きちっとした説明責任を果たすべきです。この説明責任も前任の小泉がいい加減、果たしていないのと同じですが、このままで本当によいのでしょうか・・。

 行政が教育堂々と介入してくる・・。これから本当に恐ろしい世の中になりそうです。(教育の事を全く理解していない行政が入ってくるメチャクチャを考えてみてください・・。ぞっとします)

 自分の息子に、ちっとも美しくなんかない、このひどい国の国民として育ててゆく気持ちがなえていくのを感じる今日この頃です・・。お金があれば移住したよ・・。号泣

 最後に改正される憂き目にあう、教育基本法を全文掲載します。どこに問題があったんでしょうね??

教育基本法
 われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示
した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。
 われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。
 ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。
(教育の目的)
第1条 教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
(教育の方針)
第2条 教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によつて、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。
(教育の機会均等)
第3条 すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであつて、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によつて、教育上差別されない。
2 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によつて修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない。
(義務教育)
第4条 国民は、その保護する子女に、9年の普通教育を受けさせる義務を負う。
2 国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料は、これを徴収しない。
(男女共学)
第5条 男女は、互いに敬重し、協力し合わなければならないものであつて、教育上男女の共学は、認められなければならない。
(学校教育)
第6条 法律に定める学校は、公の性質をもつものであつて、国又は地方公共団体の外、法律に定める法人のみが、これを設置することができる。
2 法律に定める学校の教員は、全体の奉仕者であつて、自己の使命を自覚し、その職責の遂行に努めなければならない。このためには、教員の身分は、尊重され、その待遇の適正が、期せられなければならない。
(社会教育)
第7条 家庭教育及び勤労の場所その他社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によつて奨励されなければならない。
2 国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館等の施設の設置、学校の施設の利用その他適当な方法によつて教育の目的の実現に努めなければならない。
(政治教育)
第8条 良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない。
2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
(宗教教育)
第8条 宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。
2 国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。
(教育行政)
第10条 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。
2 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。
(補則)
第11条 この法律に掲げる諸条項を実施するために必要がある場合には、適当な法令が制定されなければならない

この笑顔を絶やさない国にしたい!







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Last updated  December 19, 2006 01:56:30 AM
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