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カテゴリ:こんな女のひとりごと
今日は母の日。
赤いカーネーションでもなく。 赤いガーナミルクチョコレートでもなく。 リコは72才の母にシャネルの口紅を渡した。 アクアルミエール49番。 ローズ系のツヤタイプ。 昨日、一人で街に出向き、 BAさんをお借りして物色してきた。 「お母さん、いつもありがとう!」 恥ずかしさを隠すようにふざけた口調で、朝食後に渡した。 とりあえず喜び、一塗りしてくれた母の顔を見てから、 今日は友人といつもの湖畔へピクニックを兼ねて、散歩に出掛ける。 絶好の行楽日和だぜぃ。 友人のミユキもリコと同じく3月で派遣終了となったのだった。 彼女とは以前英会話スクールで一緒だったが、今年になって連絡を取り始めると リコと同じ会社にハケンでいることを知り、最近は専らメールで近況報告をし合うのだった。 ミユキ、39才。 リコと同い年。独身。 「カレ?いないよ。。」 リコは、ちょっと安心したような、ヘンな仲間意識を持った。 リコたちはスーパーで食べ物を買い込み、湖に向かった。 そして、木陰で芝ランチ。 この気候で、富士山と湖を前方にピクニック。 ちょっと忘れかけていた幸福感を感じた。 寝転んで、お互いの近況報告が始まる。 ミユキは就活はせず、好きな英語を生かした仕事に就きたいという信念を貫き 現在は失業保険をもらいながら、翻訳の勉強を日々しているという。 彼女の信念は前から変わっていなかった。 変わらない信念を持つというおは強いなと思った。 信念は自分をブレさせない。 それと比べると、このリコの浮気性というか飽き性のひどいこと。。 英語、油絵、ハングル・・・ 「多芸は無芸」とはよくいったもんだ。 結局、手つけるだけでどれも長続きしやしない。 「リコは、きっとどれも本当に好きじゃなかったんだよ。 でも、また『やりたい』って思った時にやってみるんだよ。 やり始めなければ何も始まらない。やってみることが大切だよ」 昼間は家の農作業を手伝い、夜に毎日翻訳の勉強をしているという。 「結婚とか考えない?」とリコ。 「考えるよ。先のこと考えると不安だよ。 でも『今』自分ができることをするしかないから・・」とミユキ。 リコたちの周りには、ファミリー、カップルが休日を楽しんでいる。 ふと、リコたちのこの二人の空間が異質なのではないか?とも思えた。 リコが持て余す時間、暇と嘆く時間を 必死で生きている人たちがたくさんいる。 湖畔を他愛のない話をしながら2周、約80分散歩した。 彼女が甲状腺の病気であることも知った。 アイスクリームがとても好きなことも知った。 ミユキとはまた会おう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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