リコ、結婚相談所に行く
ついにその日がやってきた。ついにそんなキモチになってきた。そう、リコは本日結婚相談所に登録に行ったのであります。市のとある団体が運営する無料結婚相談所。市の施設の一室にこの相談所が開設されている。水曜日と隔週日曜日に開設されているこの相談所の今日は開設日の日曜。フツーな若い女子、リコと同じ世代であろう女子、帽子を深々被る男性・・何人かが、閲覧に来ていた。そしてロビーでは二組の男女がお見合いらしきことを繰り広げていた。第3者的に見ると、滑稽な光景のように見えた。同行してもらったサユリちゃんは、既に一昨年から既に会員となっていた。「あ、アレが今見合い中のカップルだよ。もう何回も来てるから、この光景に慣れたね」と、キョロキョロ辺りを見回すリコとは対照的である。こういう「光景」にも自分がいつか登場することとなるのか・・。申込料「タダ」ということもあり、気も楽だった。「タダ」だけに、「それなり」ということも既に一昨年に登録済みのサユリちゃんから聞かされていた事実。タダなんだ。当たれば儲け物さ。ちょっとくらい恥ずかしい思いしたっていいじゃないか。ちょっとくらい恥ずかしくたって・・。自分に言い聞かせた。自分でヤルべきことくらいはヤッておこう。そんな気になった。登録するのにMUSTな4点セット・戸籍謄本・印鑑・身分証明書・写真写真は、ココに来る前にサユリちゃんちの玄関先で使い捨てカメラで撮った。使い捨てカメラ・・未だ存在するんだな。デジカメ持たない我々のような人間には有り難い時代の産物だ。しかし、最大の問題があった。不幸にも、戸籍謄本は本籍地の関係で用意することができなかったのだ。サユリちゃんにも「・・残念だけど登録はできないと思うよ・・」と言われ、半ば諦めがち、しかし、アラフォーの懇願で何とか登録させてもらおうと思った。何とか登録・・せねば。それにはワケがあった。8/30に相談所主催の「お見合いパーティー」が開催され、コレに参加するには相談所への登録が必要となっていたのだった。民生員の女性に戸籍謄本を取れなかったワケを言うと、案の定「規則だから・・無いとねぇ・・ソレで『独身』を証明するワケだからねぇ・・。でも、パーティーには参加したいものねぇ・・どうしましょう?」と、民生員同士のヒソヒソ話が始まった。間違いなく独身ですから!と、胸を張って民生員を見つめるリコ。さすが、この崖っプチ。リコの信念が伝わった。「今回は特例ですよ。。でも必ず取り寄せて持って来てください。」と、リコの登録が許可された。そして、書類の書き方、閲覧の仕方、縁談の進め方、断り方・・などなどレクチャーされたのだった。そして、一通りのことが終わると、「良かったら、ファイル見ていってくださいね。」と民生員。先ずは、学歴、年収、職業・・といった条件だけが記載されたA4版の用紙を綴ったファイルから、「条件」で判断し、民生員に申し出、そして先方がそれを受けたとこで、初めて相手の「写真」を見れるというしくみらしい。そう、人は外見で判断できませんから。心でつぶやいたことに、耳が痛い。15時の閉館までに時間もなかったことから、サユリちゃんとパラっと閲覧。とある男性の趣味に「映画観賞」という文字があった。悲しくなった。誤字のまま5年間有効の個人情報かと思うと、コレが結婚を真剣に考えている男が書いた字かと思うと。そして、またとある男性の「相手に望むこと」という欄には、「身長155cm、体重43キロ」とある。-死ね-と思った。今夜は母からの見合い話に対して、身上書を書くつもりだ。