フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち
上野の東京都美術館で開催中のフェルメール展を見に行く。全部で三十数点しかないフェルメールの絵の中で、7点が集う、と言うことで混雑が予想される。というわけで(でもないが)夏休み第二部、ということで平日に見ることにした。さすがに平日だけあって、会場はさほど混雑はしていない。フェルメール以外を合わせても、展示作品数が少ないこともあって、配置に余裕があるためか、他の絵も含めてじっくり見ることが出来た。今回の目玉は、2点しかないフェルメールの風景画の一点「小路」だろう。実物を見ると、そのすばらしさが伝わってくる。あと「絵画芸術」がぎりぎりで来日できなくなったかわりに急遽やってきた「手紙を書く婦人と召使」も、フェルメールらしくていい。あと、フェルメール作品の中では初期の2作品は、個人的にはちょっと、というかんじだ。ただ、これを見ると、以前大阪で見た「聖プラクセディス」も本物かも知れない、という気になってくる。もう一つ、最近本物と認定された「ヴァージナルの前に座る若い女」も、全盛期と比べて影が濃すぎるような気がして、長い間贋作と言われていたのも頷ける。じっくり鑑賞して十分満足して、会場を後にする。アンケートコーナーの係の人と、フェルメールの話をした。彼も今回の目玉は「小径」だと言っていた。ぱっと見た瞬間はとにかく、見ていると幸せな気分になる作品だ。