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カテゴリ:アメリカの商品
あれはもう2ヶ月余りも前のことだが、独立記念日に夫の実家を訪ねた時、たまには独立記念日らしいことをしようと、みんなで庭で花火をすることにした。
裏庭には、若くてまだ細い桃やPecan(ピカーン)の木が何本か立っているだけで、芝生は一切生えておらず、花火をするには悪くない場所だと思ったのだが、夫がねずみ花火に火をつけて地面に放った瞬間、義弟が異様に驚いて逃げまくり、挙句の果てには、木に体当たりをして、木を根元に近いところから折ってしまうという事態が起きたのである。 何ヶ月もかかってやっと背が高くなったピカーンの木を折られて、みんなが驚くほどに舅は憤慨していたのだが、『折れた木を直すから』とガレージから取り出してきたのが、なんとDuct tape(ダクトテープ)だったからさらに驚きであった。 ダクトテープとは、元々は配水管の補修や工事、冷暖房のダクトなどに使われる専用の強力粘着テープであるが、粘着力が強く、耐水性・耐湿性にも優れていることから、アメリカでは一般家庭でも広い用途で使われるようになった。 どことなくガムテープに似ているのだが、一般的には灰色で、しかも、粘着力が強力なのに手で簡単にちぎれる点は面白い。 なんでも、第二次世界大戦時に米軍が使う弾薬ケースを湿気などから守るために防湿密封用テープが開発されたそうであるが、戦後には、『そのテープは改良を重ねながら進化し「ダクトテープ」(配管用テープ)として市場に出回り、その後強力粘着テープとして配管用の使用に留まらず、一般家庭で幅広く使われるように(*引用)』なったのだそうだ。 ダクトテープは、『Duck tape(ダックテープ)』と呼ばれることも多いのだが、 1、可愛いあひる(Duck)の子が目印のHenkel(ヘンケル)社製のダクトテープ『Duck tape(ダックテープ)』がダントツな人気を誇っていることもあり、その商品名がすっかりダクトテープの代名詞になっているという説。 2、ダクトテープの発明当初は、cotton duck(コットンダック)と呼ばれる素材を使用していたので、軍人たちがcotton duck(コットンダック)という名前から『Duck tape(ダックテープ)』と呼び始めたという説。 3、軍事に使われたこともあり、テープの色は元々は緑色だったのだが、その色といい、水を弾く点といい、まるであひる(Duck)のようだったので『Duck tape(ダックテープ)』と呼ばれるようになったという説。 などがあるが、説1、2が有力説とされている。 今や万能テープとして知られるDuct tape(ダクトテープ)も、様々な用途で使われており、車、窓、スーツケース、ホースなどの補修から、怪我の仮手当てや止血など、実に幅広く使われている。 偶に、車のガラスが割れた部分を補うかのようにDuct tape(ダクトテープ)を貼りまくっている車や、取れそうなバンパーを何とか車体に?げようとDuct tape(ダクトテープ)でくっ付けている車などを見かけたり、また、ガーデン用ホースの切れた部分をDuct tape(ダクトテープ)で巻いて補修するのを目にしたことがあるが、私の舅のようにDuct tape(ダクトテープ)を何にでも使う人も結構いるらしく、ウェブサイトでDuct tape(ダクトテープ)の使用アイディアを読んでいるだけでも、気が遠くなるような用途・使用方法があることに気づかされるのである。 また、Duct tape(ダクトテープ)マニアの人は、Duct tape(ダクトテープ)を使って財布やI-podのカバーなどの小物や等身大の動物を作ったりするようで、作った物をネット上で販売する人も中にはいるのだとか、、、。 中でも私が一番驚いたのは、Duct tape(ダクトテープ)でプロム(アメリカの卒業パーティー)用のドレスやタキシードを作るコンテストがあるということで、1位に選ばれた人は何と賞金までもらえるのだそうだ。 少なくとも写真で見る限りでは、Duct tape(ダクトテープ)で作ったようには見えないのだが、ここまで来ると、Duct tape(ダクトテープ)は万能テープであると言っても差支えがないのではないかと思うのである。 さて、つい先週も夫の実家へ行ってきたばかりなのだが、舅が2ヶ月余りも前にDuct tape(ダクトテープ)で手当てした木がなんと健在なだけでなく、すくすくと成長しているではないか、、、! ぐるぐると木に巻かれたDuct tape(ダクトテープ)はすっかり土で汚れて目立たなくなっているものの、どうやらしっかりと巻きついたまま木の一部となっている様子、、、。 Duct tape(ダクトテープ)の万能さに感心させられると同時に、舅の代わりに、Duct tape(ダクトテープ)の「こんな使い方で助かりました」コンテストに投稿しようかとも考えているところである。 ? 2007 Henkel Corporation 2007年度に選ばれたプロムドレスとタキシード。ダックテープで作成されているとは思えない仕上がりだ。
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