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田中およよNo2の「なんだかなー」日記

[超硬派] カテゴリの記事

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仙台

仙台はとても好きな街だ。足りていないものもがない、丁度いい街だ。ネオンもあり、そして、自然がある。過剰な渋滞もない。空港に着陸する飛行機は水面すれすれに飛ぶ。水面。昨日の津波の映像はショックだった。言葉にならないし、それが津波と知らなければ、何の映像かがわからないほどだ。知り合いがいる。無事だとしってほっとした。でも、ニュースを知る度に知り合いの知り合いで誰かが被害にあっているのではないかと思うと胸が痛い。悲劇的だ。それでも、今、この状態でも略奪や、暴動のニュースを僕は聞かない。だから、大変なことがあろうとも、仙台の人々や、被害者は必ず立ち上がってくれる。まずは、多くの人が助かって欲しい。そして、仙台が相変わらず素晴らしい仙台でありますように。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2011年03月12日

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市橋容疑者の逃亡の意味

何日たったのだろうか。フェリー乗り場で市橋容疑者が拘束されてから。どのように逃亡していたのか、彼の口からは何も話されていない。拘束されてからは、まだ、20日もたっていない。彼が逃げていた2年の月日にくらべれば短いものだ。まず、断っておくけど、僕は市橋容疑者が無罪だとか、罪を償う必要はないなんて思っていない。適正な取調べを受け、贖罪と悔恨の思いを持ち、適正なる法の裁きを受けるべきであると、思う。さらに、僕らが市橋容疑者について知っている情報はマスコミを通じてのものだから、直接確認したわけではない。でも、僕は考えてしまう。なぜ、市橋容疑者は2年も逃げる事ができたのだろうと。もしかすると、楽しかったのではないか。いや、心のどこかで彼は逃亡を求めていたのではないかと。逮捕前の彼の人生を見ると、決して、上手く行ったとは言えない。医学の道は閉ざされ、なんとなく、大学で園芸を学んでいる。その間も逮捕をされたり、問題を起こしている。でも、結局、衣食住に関しては、両親に助けられている。つまりは、20代の後半になっても、親の仕送りで立派なマンションに住んでいる。浴槽をベランダに置けるくらいの広いマンションだ。いや、親のお金でマンションに住む事が悪いことだと言っているわけではない。世の中にはそういう、金銭に恵まれているからこそ、金銭にルーズになる人もいるのだ。今の総理大臣だって自分の事をそういっているじゃないか。まあ、総理大臣の話は、ここではどうでもいい。問題なのは、市橋容疑者自身がそこで何を感じていたかということだ。自分では何も決められず、誰かに助けられてしまう無力感があったんじゃないだろうか。同時に、誰かの助けを求めても大丈夫だという安心感も。その無力感を打ち破りたいという気持ちと、安心感から抜けたくないという気持ちが彼の日常でせめぎあっていたんじゃないだろうか。せめぎあいは、結構つかれる。そんな、くだらないせめぎあい疲れきってしまった時には、どこかで別の自分に生まれ変わることを希求していたように思う。こんなくだらない悩みを持たない、力強い自分に生まれ変われたらな、と。そして、事件が起こる。彼は逃げる。報道によると、彼は逮捕の1年前には大阪の西成区で見つけた職場で肉体労働に従事していたようだ。その寮の部屋は、ベッドがあるだけの板張りだった。廊下には豆電球がよく似合うような建物だ。きっと、そこでの市橋容疑者は、間違いなく自分で職場を選び働いていた。逃亡中の彼は、自分の知恵と肉体だけで生きていたはずだ。逃亡の方法を自分で考え、そのためにありつける職業にしがみつき、次の場所を考える。不必要に困難なミッションだ。しかも、誰にもあてにできない仕事だ。おそらく、そこで市橋容疑者は自分の力でも生きていける事を学んでいたのではないだろうか。そういえば、市橋容疑者の両親は言っていた。「てっきり、死んでいると思っていた。あの子はそんなに強い子じゃないから」でも、実際の市橋容疑者はとても強い人間だった。困難の中を逃げるということでは。いや、強いに人間に変わったのかもしれない。容姿も含めて。少なくとも、逃亡中の市橋容疑者は、両親から弱い人間と認識されたゆえに、経済的な強い援助を受け取っていた外見ばかり気にする人間じゃない。ひたすら、明日もつかまらないように逃げる狡猾な人間だ。報道の通り、両親からの援助を受けていなかったのならば、の話だけれども。誤解を招くけど、市橋容疑者は逃亡中に両親や、あるいは自分でも判らなかった力を感じていたのじゃないだろうか。その変化を楽しんでいたように思う。そうじゃないと、2年間もつらい逃亡生活を続ける事なんてできないんじゃないだろうか。ただ、彼の人生にとって不幸な事は、その自分の力への目覚めが事件という形をとってしまった事だ。そんな事件が起きる前に、自分で周囲の期待や思い込みを蹴飛ばすことはできなかったのだろうか。また、逆にいうと、周囲の誰かが、市橋容疑者にも強さがあることを信じて、蹴りだす事ができなかったのだろうか。温もりから、蹴りだしていれば、彼は新しい自分を自然に見つけられたかもしれないのに。最後に僕は自分に問いかける。僕は今でも、温もりに囲まれすぎているのではないか、と。彼と、僕らの差はどこにあるのだろうと。その問いには答えはでない。きっと、市橋容疑者に聞いたって、答えはでないだろう。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2009年11月22日

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「沈まぬ太陽」別の人を主人公にするなら誰か

「沈まぬ太陽」の魅力であり、かつアキレス腱でもあるのが、恩地の描き方だと思う。何しろ、かっこいい。あきらめない。人望がある。そりゃ、行天でなくても、嫉妬するよって言いたいところです。映画では格好がよく、でも、どこか、人生の苦悩も染み出している渡辺謙さんだから成り立った点が多いんじゃないかな。もし、この映画で別の人を主人公にするんだったら、誰だろう。きっと、人それぞれだろう。僕なら香川照之さん演じる、八木さんにする。なぜか。この八木が一番、大多数の人間に近いと思えるからだ。若くて輝いた過去を懐かしみ、でも、現実の前に妥協しないといけない。手だって汚している。敵に疎まれるほどの力もなく、やがて、敵・見方ではなく、権力の強いものに利用される。その点では松雪泰子さんが演じる三井さんも同じだろう。でも、八木の手の汚し方はもっと、打算的なにおいがする。行天への愛情に動かされている三井に比べ、行天からの懲罰を恐れて動かされている八木はもっと悲劇的だ。八木の道はどちらを選んでも、地獄だからだ。だから、八木にとって、かつて天国の時代であった恩地との出会いは僕はなんとも言えなかった。後半で泣いたのは、このシーンだけである。だから、作品とはいえ、八木を自殺させてしまったのは安直ではないかと思えるのだ。救いがない。そりゃ、人生はそういう残酷なものだけれども。そして、会社員にとって、多くの選択は地獄である。自分ですべてを決定できず、他人の人事や、処遇を恐れる要素がある限り、会社員の仕事には地獄が含まれている。地獄が言いすぎであるならば、不条理が含まれている。僕がこの作品を書き直すのなら、八木を中心に描いてみたい。行天であれ、恩地であれ、彼らの主人公の二人は自分の人生を選べている。それは、不条理でもなんでもないかもしれない。力のあるヒーローが理想か、現実かの選択をしているのだ。でも、多くの人間はそうじゃない。理想と現実を判っていながら、現実に巻き込まれてしまうのだ。だから、もう一つの「沈まぬ太陽」を書くとするのであれば、僕は八木の視点から、つまりはヒーローではない人間から、組織と個人ありかたを問い直したい。多分、それはカタルシスのない物語だろうけども、そういう物語だって、時には必要なのじゃないかな。皆さんは、どう思われます。そして、その皆さんが思われたことが、この「沈まぬ太陽」を見て皆さんが考えるべきことなんじゃないでしょうか・と、綺麗にまとまったところで、おしまい。○2009年11月07日・「沈まぬ太陽」構成 ○2009年11月07日・「沈まぬ太陽」キャスト（八割小島聖さん)※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎ものがたり』まで

2009年11月07日

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ムリーリョの祈りルーヴル美術館展にて

その絵の前はガランとしていた。穴があいたみたいに。人気のない絵だったのだ。僕だけが、立ち止まっていた。真ん中にいるポケーっとしただけの女性が浮いている。そして、その周囲には幼い子供の天使がいる。じっくりみると、雲の形のように子供の顔もある。ドラマティックな絵画が続いた後に、柔らかい温度がその周囲にはある。立っている僕も、足元から暖かくなってくる気分である。無理して生きなくてもいいんだって、予感に僕は包まれる。名前は「6人の人物の前に現れる無原罪の聖母」画家はバルトロメ・エステバン・ムリーリョ。17世紀のスペインの画家である。　　　　　　　　　＊美術館に入場するまでに90分かかった。それだけ、列が長かったのだ。京都市美術館で開催されている「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」に行ってきた。前から行きたかったけど、時間の都合が取れず開催終了直前の今日に行った。時間の都合、そう、嘘じゃない。実は僕「ルーブル展」と銘打っている展示会はあまり好きではないのだ。「ルーヴル展(もしくは、ルーブル展)」は名前だけで人がくるので、展示会としてできがいいとは思えないのだ。大抵は、2、3枚有名な絵を持ってきて、他はルーヴルの倉庫に眠っているような絵画でお茶を濁してしまうのだ。だから、時代背景とかもバラバラだし、統一性がない。有名な2、3枚を覗いては、絵として、感動を受けることは少ない。でも、人は異常に多い。なにしろ「ルーヴル」なのだから。今回は私の大好きなフェルメールもきているし、ベラスケスもあるし、いきたいなぁって思った。　　　　　　　　　＊90分、待ったのはしんどかったけど、展示会はなかなか、よかった。ただ、予想通り、目玉の絵とそれ以外の絵の差は大きかった。目玉のフェルメールの絵は小さかったけど布の雰囲気とかは流石だった。ベラスケスとその工房の絵は荒いタッチを繊細に積み上げ、抜群の技量を示していた。ムリーリョに心を惹かれたのは予想外だった。恥ずかしながら、展示されているのを知らなかったのだ。あったのか、という驚きをもって、その絵を眺めた。彼のこの絵画には愛してあげたくなる何かが、あるようなそんな気がしていた。　　　　　　　　　＊バルトロメ・エステバン・ムリーリョという名前は相当絵画に詳しくないと知らないはずだ。つまりは、人気がないのだ。僕もNHKの「プラド美術館」をたまたま見なければ、知りもしなかっただろう。大きな理由は、彼以外に中世スペインには有名な大家がいるからだろう。中世のスペインで重要な画家を三名挙げろと質問を100人にしたら、100人答えは同じはずだ。ベラスケス、ゴヤ、そして、エル・グレコだ。ベラスケスは、描くことへの技量の高さで、ゴヤは、描く対象の主題の明暗の幅の大きさにおいて、エル・グレコは、描く対象への形の強弱のつけ方において、美術史そのものに影響を持っている。この3人の印象が強く、ムリーリョはかすんでしまっている。もう一度、ここを「プラド美術館」みて欲しい。ベラスケス、ゴヤ、エルグレコは、それぞれ一回放送の割り当てなのに、ムリーリョか、スルバランは二人で一回放送の割り当てである。残念ながら、それが事実である。　　　　　　　　　＊もし、あなたがここまで読んで、ムリーリョに興味を持ってもって彼の絵を見ていたとしよう。きっと、こう思うのではないだろうか。なんじゃこりゃ？聖母がどこに視線があるか、わからずにーボーっとしているだけじゃないか。めちゃくちゃ、ばかっぽいじゃないか、と。しかも、背景もぼけーっとしていて、メリハリがないって。確かに、それは否定できない。受胎告知(天使からキリスト妊娠を告げられた場面)やピエタ(十字架からおろされたキリストを抱きかかえる場面)のマリアは凛々しい。神々しささえあり、近寄りがたき気高さだ。ドラマチックであり、美しい。僕は、そんな受胎告知や、ピエタの絵も好きだ。でも、なぜだろう。時々、飽きてくるのだ。その絵の中のマリアは天使に一礼をし、あるいは亡くなってしまったキリストを見つめているだけなのだ。ふーん、という感じになってしまう。　　　　　　　　　＊やがて、僕は実物のムリーリョの「無原罪の聖母」の前に立つ。右に二歩くらい、左に二歩くらい、ずれてみる。どこに動いても、その無原罪の聖母は僕を見つめているように思う。しかも、睨み付けるような鋭さではない。僕の後ろの人に視線を合わせ、でも、僕から目をそらしていない。間違いなく、守られている、そんな人間としての暖かさがムリーリョの聖母にはある。だからだろうか。聖母の周囲に描かれている天使達の表情には無理がない。にこやかである天使、はにかむような天使、ちょっと考え事をしているような天使・・・。柔らかく、無理をせず、ナチュラルにそこにいる。教義に縛られた宗教画というより、人が日常に欲している家庭の温度がそこには感じられる。きっと、それこそが、人間に必要なことではないだろうか。絵画として、ムリーリョは実物と、印刷物などとの差が出やすい画家なのかもしれない。(予断だが、クリムトは実物と印刷物の差がもっとも激しい画家だと思う)　　　　　　　　　＊実際、ムリーリョは宗教画だけではなく、貴族ではない庶民を描いた作品にも傑作が多い。その瞬間や、表情はなにげないけれども、とても大切なものを気づかせてくれる。僕はムリーリョの絵をいくつか見たけれども、いつも同じような暖かさを感じる。作品の出来、不出来の差も少ない。優れた技量も持っている。悪い言い方をすると、ワンパターンだ。　　　　　　　　　＊さて。ここまで読まれて、あなたは思うかもしれない。ムリーリョという画家は家庭に恵まれた画家だったのではないかと。例えば、ルノアールが妻や、子供らとの日常の暮らしの中からあのような柔らかい絵を生み出したのと同じように。でも、実は、違う。ムリーリョは幼くして両親を無くし、6人いた子供のうち、5人はペストで幼くして亡くしている。生き残った1人も耳が聞こえなかったという。だから、ムリーリョが自らの絵に描いた大切なものは現実に彼が見て感じたものではない。きっと、手に入れられなかったからこそ、心で強く望み、筆を通じてしか描けなかったものなのだ。　　　　　　　　　＊画家の人生と絵画を結びつけるのは、安直であり危険であるは、わかっている。ただ、僕はムリーリョの一連の「無原罪の聖母」の優しさには彼の祈りが込められていると思う。本当は、彼の目の前に、存在して欲しい、授けて欲しいという祈りが。その祈りが、柔らかい筆致をもつ技量と交じり合った時、凡百の宗教画を超えた作品を生み出したのではないだろうか。彼にとっては絵を描くことが神や不条理と向き合う宗教行為そのものであったのかもしれない。その祈りが強すぎたため、温かみしか描くことが、特に晩年の彼にはできなかったのではないだろうか。同じもの、同じことしか、描けない。きっと、ムリーリョに関しては、このような厳しい言い方もできるのだろう。それが、明と暗、どちらもきっちりと見つめ、快楽に酔いしれさらには、狂気の近くまで降りていったゴヤとの大きな差なのかもしれない。ベラスケスや、エルグレコを超えられなかった理由でもあるのではないだろうか?　　　　　　　　　＊にもかかわらず、ムリーリョは素晴らしい画家である。時の洗礼を経てなお、ここに彼の名前が残っている。なぜなら、彼が祈った世界は絵を通じ、時間と場所を越えて、僕たちに残っている。少なくとも、僕には。彼の希求し、強く祈りをこめた何かの温もりは僕らも常に望んでいて愛しているものなのだ。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎ものがたり』まで

2009年09月22日

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なぜ、訴える？緑のオーナー、投資のメンタリティについて

ちょっと、腹が立った。このニュース。「＜緑のオーナー＞出資者７５人が林野庁を提訴」なんで、訴える気になったのだろう。気分が悪い。弁護士たちによると、勧誘に違法性があるからということだが、だったら、勧誘時点で訴えればいいじゃないか。損をしてから、訴えるって･･･。得をしていたら、訴えもしなかっただろう。だから、僕は読売テレビで、お笑いのFUJIWARAの原西さんが「でも、投資でしょ。リスクがあるのはあたりまえですやん」と言っていてとっても、すっきりした。賢いマスコミは提訴した人の肩を持つような報道をするだろうけど、一般の人の感覚はお笑いの原西さんと同じ考えだろう。ニュースでは、原告は国に裏切られたとか言っているけど、国の事業がかならず儲かるなんて保障がとこにある？弁護士が国は木材の下落を予想できたはずと言った。それは、緑のオーナーになる購入者は予想できなかったのか？というか、オーナーが予想しないと、いけないことだ。もう一つ言うと、長い償却期間では予想ができないことが起こるということを、予想しないといけない。さらに、弁護士は国の事業は元本を保証しないといけないと言った。何を言ってるんだろう、この人はと思った。その元本保証のツケをなんで、無関係な一般の人の税金からひっぱってこないといけないのだ？第一、元本が保障されている国の事業が欲しいのなら国債を買えばいいだけだ。それだって、100%元本は保証できないし、インフレが起きれば価値は目減りするのに。なんだか、これは市民の立場を利用して国に損失補填を要求しているように思う。「相手を信頼していたのに、騙されて損をした」とか言う人は、投資をやめたほうがいい。向いていない。スキルの以前の、メンタリティの問題だ。僕の知り合いで公務員を退職した人が、株で運用して、損失を出している。それで「証券会社に騙された」といっているそうだ。そんで、僕は思った。この公務員は会社とか、勤務先を無条件で信じていて、お金をもらえてた人なんだと。従業員のメンタリティだ。さらに、幸か不幸か知らないけど、僕は、勤務先とかは従業員をポイと捨てるってするものだとは、判っている。投資家たろうとする人は、信頼という美しい言葉をもとに、自分の責任を放棄しちゃだめなのだ。その時点で投資家失格である。信頼はするからこそ、失敗したら、「信頼した自分の責任だ」とできないといけない。投資とは、そういうものだ。その運用先が国であれ、民間であれ。だから、僕はこの訴訟は負けて欲しい。悪いけど、負けないと、彼らの目は覚めない。ひいては、国の事業に対する、日本人の目は覚めない。第一、今回の原告に損害賠償を払う出所は、緑のオーナーでもなんでもない、無関係な我々の税金から補填されるのだ。これでは、どっちがヌスットタケダケシイのかわかったものじゃ、ありゃしない。最後に。テレビの肩を、すこし、持つ。原西さんが文句を言った後の、そのニュースのコメンテーター(名前は失念した)のコメントは的確だった。「確かに、原西さんの言ってることはもっともだと思う。だけど、この緑のオーナー制度を、林野庁ではなく、民間がやったら公取とかの調査が入るずさんな制度だったのではないか」※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2009年06月05日

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ほんものの不況

街角。新聞紙に座るホームレス。あの交差点の脇に座っている彼は、昨日まではいなかった。そのホームレスを横目に見ながら通勤するスーツのサラリーマンがいる。彼らは、わざと座っているホームレスに目を向けない。あるいは、ファーストフード店。求人広告に目を奪われるもの。ほかのお店では追い出されそうな、風呂に入っていないような人々がいる。彼らのコーヒーは言い訳くらいしか、カップに残っていない。そして、その店の店長は、注文さえさばききれていない。それも、そうだろう。店長は2週間前まではファンドマネージャーだったのだから。＊　　＊　　＊そんな、不景気、いや不況の風景を僕は見てきたような気がする。でも、それは、外国の映画の中だ。＊　　＊　　＊僕が社会人になった、10年ほど前も不景気だった。リストラや、勝ち組、負け組という言葉が生まれていた。ただ、リストラの悲劇はこういうものだった。「住宅ローンも残っている。子供も大学生だ。すべて、退職金を当てにしている。年収800万円が600万円になっていったら、これからどうすればいいのだろう」と。でも、今回の不景気は様子が違う。おそらく、600万の職業も見つからない。僕だって思ったものだ。みんな職業があるのに、日本は不景気だって。やっぱり、この国は豊かなんだ、と。正社員という身分は確固としてあり、我慢をすればなんとか、やっていけた。若者も派遣業という新しい業態で、日々の食事程度だけはしのぐことができた。でも、今回の不況は違う。そんな、予感がする。ほんものの不況のような気がするのだ。街角には解雇された人々がいる。職業のあてもない。キャリアなんか、ふっとんでしまう。きっと、それは、日本が余裕をなくしたからだろう。土地という含み益を企業がなくした、今、余剰な労働者を雇うことはできない。もっと、はっきりといえば、年収600万の人々を守るために、年収200万円の人は切り捨てないといけない。でも、たぶん、それは年収200万円だけでは終わらない。やがて、600万円の人々にも押し寄せる波になるだろう。この国の街角の風景は、不況が人目でわかる風景になってしまう気がしてならない。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎お仕事･ビジネス』まで

2008年12月28日

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松岡大臣自殺

松岡農水相が自殺した。もちろん、色々な意見があるだろうけど、かわいそうだと思う。お悔やみを申し上げたい。ニュースで僕は農水相の職員がインタビューに答えていた。「政治家としては我々はわかりませんが、大臣としての評判は悪くなかった」そのインタビューはオフィシャルな会見場じゃなかった。農水省の建物の出入り口で行われていた。珍しい。このように微妙で、かつ生死が関わった事件では多くの場合はノーコメントと通す。特に、官僚となればなおさらである。てっきり、僕は職員のインタビューは鞄で顔を隠しながら、通り過ぎる人々を想像していた。それが、ちゃんとインタビューに答えていた。さらに、けなしてはいないし、ほめていた。きっと、松岡大臣はWTOなどの多くの課題をかかえる農水行政での職務能力や知識は長けていたのだろう。人当たりもよかったのかもしれない。前任者の中川氏がどちらかというと、迫力と強引さに定評のある方だから、なおさらだろう。そして、僕は思う。彼を自殺に関わる問題は、それこそ、職務能力には関係ないことだ。お金の問題だ。そりゃ、それは大切なことだと思う。確かに、透明で、クリーンなお金の流れは大切だ。法律違反になったら、操作すべきだし、オープンにもすべきだ。でも、もっと切なことがあるのではないか。追求する民主党にも党首が自分名義の財産を持ったじゃないか。でも、金額が大きいはずの彼への追求は緩い。それに、報道するマスコミだって、使途不明金だってあるんじゃないのか。マスコミは取材源の秘匿で逃げ切れる。田中およよは不正を許すのかと、言われそうだ。結論から言うと、合法的でグレーな部分は必要だろう。松岡大臣がグレーだったのか、ブラックだったのかは、わからないのだけど。何しろ、グレーな部分がないと政治家は金持ちしかできない職業になってしまう。ほら。よく、眺めてごらん。与党において不正のない政治家は二世議員や、親兄弟がお金持ちの人が多いから。松岡氏の経歴を眺めた。大学などをみると、決してエリートとは言えない。バックボーンも大きい政治家ではないだろう。きっと、二世議員や、旧帝大系の大学をでている人と違い、お金でもかなりの苦労があったのではないか。６０歳を超えての初入閣。しかも、農林一本と言えるほどの成果が認められたのだろう。なにより、思うのだ。キレイで何もできない政治家よりも、清濁を併せ飲んでも実力のある人のほうが大切じゃないのか。ねえ。僕らは薄っぺらい正しさに覆われて、何が一番大切なのか、失いつつあるのではいか。なにより、命であるのだから。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎お仕事･ビジネス』まで

2007年05月28日

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僕にだってできること

たとえば、こんな話を聞いたらどうだろう。「その国は、みんなが食べるものがなくって、国の中で戦争をして、殺し合いにもなりました。１０年間でその国の人は３０万人も亡くなりました」とても、ひどい話だと思う。あり得ないし、なんとかしてあげたいと思う。じゃあ、こんな話はいかがだろう。「日本の自殺者は１０年で約３０万人である」＊＊＊大阪にも京橋って街がある。はたして、街といっていいのかどうか疑問な大きさではあるのだが。天王寺ほど下町ではないし、ましてや梅田や難波ほど栄えてもいない。マークジェイコブスのセカンドラインのお店があるのが不思議な場所である。ただ、ここはJRと京阪が乗り換えるところであり、結構、人並みはある。JRと京阪の駅の間はゴールデンゲートと呼ばれているらしい。どこがゴールデンゲートなのかわからない。ただ単に、大きな線路が二つの駅の間にかかっているだけなのだ。日本で一番天井の高いレール下といったほうがよいのではないか。駅と駅の間だから、人は多い。だから、メキシコ音楽の演奏とか、絵はがきや似顔絵を売る人がかなりいたりは、する。その女の子がかわいくなかったら、僕はその資料を受け取っていたのだろうか。わからない。女の子はセーラー服を着て、しょーもなさそうに立っていた。派手さは全然なくて、とりあえずポニーテールで髪をくくっている感じだった。きっと、まだ、彼女は彼女の鼻筋がどれだけ美しいかに気がついていないのだろう。隣では小柄な女の子が大きな声で、呼びかけていた。きっと、僕は急いでいたのだ。そのカワイイ女の子の顔を眺めて通り過ぎようとしたら、短いパンフレットを差し出された。最悪なタイミングだ。進路を妨害しているかのようだ。だから、僕は足を止めた。きっと、彼女をにらんだかもしれない。でも、かわいかった。だから、僕はそのパンフレットを受け取ってしまった。＊＊＊帰宅して、そのパンフレットをみると、あしなが育英会ってとこのものだった。じっくりと読み、僕はできる範囲で寄付をすることに決めた。ホームページをみると、収支決算もオープンにされていて、健全な運営ができているようだ。月々１万円にも満たないし、年間でもたいした金額にはならない。きっと、僕の半年の本の代金にも満たない。でも、一度やってみようと思ったのだ。誇れることではないと思う。NGOを立ち上げて実際に活動しているわけでもない。また、その会の運営について、タッチするほどの情熱があるのかと言われれば、それはそうではない。＊＊＊僕はこの国の最大の問題の一つは自殺だと思う。最近は残酷な殺人事件が連日連夜放送される。その報道には僕も心を痛める。幼い子供が遺棄されて死亡したり、無辜の警官が痴話喧嘩の果てに死んでしまう。腹立たしいことだし、許すべきではない。誤解を招く言い方だけども、でも、そのような残虐な事件で亡くなる人は年間何人だろう。きっと、自殺者よりも少ないはずだ。もちろん、人の生死を量で推し量ることはできない。死んでしまえば、人の人生がそこで終わってしまう。個人にとっては我が身の死こそが、世界の終りなのだ。ただ、そういう残虐性や異常性のある事件がマスコミで報道される一方で、自殺はありきたりのものになっているようだ。おかしくはないか？残虐な人間が起こす殺人も怖い。でも、平和で豊かな社会が人の心をむしばみ、自ら命を絶つ社会の異常性だって僕には怖い。そして、その重大さに麻痺している、社会全体に対しても、怖い。発展途上国への人道援助には希望を強く持つ若者だって素晴らしい。でも、僕はこの日本という恵まれた社会の奥底に潜む狂気っていうものにも、目を向けて欲しい。＊＊＊ただ、どのような経過があるにせよ、自ら死を選んだ人を蘇らせるのは無理な話だ。もちろん、友人が自殺したいと言ったら止めることはできるし、するだろう。ただ、彼らはこの豊かな社会に隠れてしまっているように思うのだ。じゃあ、僕にできることはなんだろう。そんなモンモンとした思いが、寄付をすることを僕に決めさせたのだろう。＊＊＊断っておくと、、あしなが育英会は自殺した遺児のためだけの会ではない。交通事故、病気、災害…それら、すべての遺児のために設けられた会である。僕は幸い両親が健在だから、そんな苦労は知らない。でも、この日本という豊かな国で、金銭的に苦しいことを強いられるのは、かなり、ツライのではないだろうか。みんなが、貧しいわけではない。誰も、仲間がいない。今でこそ、格差社会と言われ、弱者が注目されている。でも、日本という国の根底に流れているものは弱者や、貧しい人をどんどん切り離し、あるいは無視する姿勢ではなかろうか。よく言えば、みんなが頑張る社会。悪く言えば、頑張らない人はみんなじゃない社会なのだ。だから、その弱者に落ちることに恐怖し、命を絶つ人が多いのではないだろうか。でも、この国にだって、頑張ることが困難な人はいっぱいいるのじゃないだろうか。その代表が、自殺などで親を亡くした、遺児ではないのだろうか。＊＊＊なんて、偉そうに言ってるけど、僕はこういう人たちになにもしてこなかった。どちらかというと、自分のことばかりを考えて、押しつけていたことが多いように思う。そして、完全に正しくないことはやりたくなかったのだ。寄付？そんなの、民間人がやることじゃない。国がやることだろ。だいたい、民間の団体なんて、どんな風にお金が流れているかわかりゃしない。自殺遺児？それを助けることが解決じゃないだろ。どうやって、自殺を減らすかが大切だろ。自殺遺児を助けたって、自殺が増えてたら同じだろ。云々。その意見は確かに、正しい。でも、あまりにも正しすぎて、一個人である僕が何をしていいのか、わからないのだ。勝手に僕は自分の無力を嘆き、やがて無関心になっていった。＊＊＊アンパンマンってヒーローがいる。子供が泣いていると、顔のあんパンをあげて、泣きやませるヒーローだ。バイキンマンとかもいることはいるけど、やっつけるといったことはしない。というか、むしろ、仲がよさそうだ。中学の時とかはバカバカしいヒーローだと思ってた。自分の頭を人に食べさせるなんて。かなり、グロテスクでもある。作者のやなせたかしさんがテレビで、なぜ、アンパンマンをヒーローにしたのかと、答えていた番組があった。記憶には今でも残っている。「戦争の時にね、思ったんですよ」やなせさんは柔らかくも、強い口調だった。「アメリカとかの敵国をやっつけるのが偉いんじゃないって。まずは、餓えている人を助けるのが実際に役に立つヒーローなんだって。だから、アンパンマンは自分の身を削っても、人に食べ物を与えるんです」確かに、その通りだ。でも、僕たちが、いや、僕自身が常に忘れていることではないか。＊＊＊だけど、僕はこう思うようになってきた。正しいことばっかり言って、何もできず、無関心になっていたらどうしようもないじゃないかって。多少は間違いであったり、応急処置であったりしても、何かをやることがまずは必要なんじゃないだろうかって。そして、きっと、世の中を変えていくのは、正しい主張を叫ぶだけじゃだめなんだ。ささやかだけど、カタチのあるものが、大きな力にやがてなるのではないだろうか。何しろ他人を変えるのは難しい。というか、無理だ。いくら偉い人間でも愚かな判断をする。だから、僕がやるべきことは、僕ができることを精一杯やることなんだ。それは、壮大な理屈がなくたっていい。僕はそんな風に信じている。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎日々の「なんだかなー」No2』まで

2007年05月23日

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正義と、派遣社員と、グローバル経済と、優秀な人材と

「これから、どうなるか、本当にわからんよ」僕は男性と話していた。彼は僕よりも少し年上で、とびっきり優秀なエンジニアだ。語学も堪能で、彼の前で僕は英語を話すのは恥ずかしいほどだ。世界の一流の外資系の企業に勤めていて、活躍している。「そんな。すごい優秀な君やのに、会社は手放さないやろう」「いや、でもな。どんながんばっても、インド人五人には勝てへんで」当初、僕はあまり理解できなかった。彼の説明を聞いてやっとわかった。優秀な彼より上手く比較できるかどうかはわからないが、説明してみよう。会社は外資系で日本の土着の企業とは違うから、日本の雇用を守ろうとなんかしない。だから、首を切るコスト、具体的には給与二ヶ月分と会社都合の退職金や上乗せ分、を支払っても拠点を別の国に移したほうが業績が上がると判断すれば、躊躇なく、そうするというのだ。それに、外資系は特に株主の圧力が強い。短期的に、配当や株価の上昇などへの要求も強い。だから、彼の職場のライバルは隣の同期でさえない。遠くの国の、給料が安い人々と比べられているというのだ。いろいろ、大変なんだな。そのときは、僕はそうとだけ、思った。ちょっと、名古屋に主張していて、することないからテレビをぼーっとみていた。TBSのニュース２３でこんな派遣社員の特集がやっていた。派遣会社の条件での嘘に近い広告や、低賃金の解消のために派遣労働者が立ち上がったということだ。日本の格差社会への問いかけの特集でもある。そして、立ち上がった派遣労働者は独自で労働組合を作っていて、その創立者を追ったドキュメントだった。その創立者はよく勉強していた。法律を読み、理論武装をして、派遣元のフルキャストや、仙台市にまで訴えに行っていた。低賃金では生活できないという怒りが根底にある。でも、僕は怒りよりも、彼は正義ってものにすごくコダワリを持っているように感じた。なんでも、この人の前職は小学校の先生だったらしい。ありそうな話だ。確かに、派遣の条件はひどい。草創期の業種だから、派遣元もしっかりしていないところも多いだろう。誇大広告や、いわゆる偽装請負なんかもはこびってるだろう。だから、元先生のやってることは正しいと思う。正義にもとっている。きっと、局所的には勝利を収めるだろう。また、僕でさえも勝って欲しいとは思っている。しかし、同時に僕はこの元教師の活動が彼らにいい影響を及ぼすかというとそうじゃないんじゃないかとも思うのだ。世の中は正義と邪悪だけでなりたっているわけではない。そして、彼らの正義の尺度は日本国内でしか通用しないのだ。派遣という働き方が製造業にも法的にも導入されたころは、日本の製造業の業績はひどいものだった。日本でモノヅクリをしているとどうしてもコストがあわなくなってきたのだ。失業率も非常に高かった。職場自体がなくなりつつあった。日本の製造業だって馬鹿じゃないから、コストを安く作ろうとしていた。どうしたのか？海外に多くの工場を作って、生産した。でも、やっぱり海外では問題がある。意志の疎通もうまくいかないし、携帯電話やパソコンなどのモデルチェンジの激しい業種では細やかな対応ができなくなっていたのだ。だから、重要な部品は日本で生産しようってことの流れがあった。しかも、柔軟に対応する必要があった。でも、従来の熟練工の正社員の雇用ではコストが間に合わない。また、正社員ではモデルチェンジの谷間で、仕事がなくても給料を払わないといけない。そこで、派遣という安価で、モデルチェンジに対応できる柔軟な働き方がニーズに合致したのだ。モデルチェンジに対応っていうのは、要するに、すぐに辞めて頂くことができるってことだ。だから、僕が思うのは、派遣社員の条件を良くすればするほど、派遣の職場自体がなくなるんじゃないかってことだ。海外への移設が益々強まるのではないか？派遣社員の彼らの本当の相手は搾取しているように見える経営者や派遣元ではない。経営者や派遣者元は当面の「敵」でしかない。彼らの本当の「競争相手」は世界各地の安価な労働力なのだ。第一、僕が企業の経営者なら、派遣の給料や待遇をよくしないといけないのなら、外国に工場を作る。そして、僕がもし、影響力の強い大企業の経営者であれば政治には日本での労働ビザの発給の緩和を求める。日本国だけど労働者は外国の移民でやって、コストを下げる。非常かもしれない。でもね、一番職場がなくなるのは企業が倒産する事なんだから。こんな流れは、正義を振りかざしただけでは絶対に止まらない。というか、止まるわけがない。現在でも加速している。信じられないのなら、中国の上海を視察する前に、日本の工業地帯を丹念に歩いたらどうか。中部地方の工業地帯を歩けばポルトガル語が、広島や岡山の造船地帯を歩けばベトナム語なんかも聞こえる。これは僕の体験になる。ある小さいけど、優秀な企業に装置を売ったときの事だ。勿論、日本の工場だ。装置には「危険」とかのステッカーを貼ったりする部分ってある。納入前にこう聞かれた。「中国語のステッカーでありますかね」って。ないから断った。意味がわかったのは納入の時だった。お昼休みの、食堂だ。現場で働いている人の殆どが中国の方だったのだ。それが現実だった。ある意味、派遣社員という制度は日本の企業が日本に雇用を残そうとした必死の結果でもある。きっと、オランダの制度を参考にしたんじゃないかなって、僕は踏んでいる。実際に、オランダではこの派遣がすごく国としてうまくいった。フィリップスなどの大企業が立ち直り、きわめて良好な経済状態にある。さて、ここで、ちょっとはじめに戻ろうか。冒頭の英語が喋れて、優秀なエンジニアのことを思い出してもらいたい。そして、彼と元教師を比較して欲しい。きっと、元教師はエンジニアの彼ほど職場では優秀ではないだろう。もっとも、僕も現在では優秀ではない。その上、眺めているものが違うのだろう。エンジニアの彼にはインド人５人があり、元教師の人には搾取している企業経営者だけしか見えないのだろう。そして、インド人５人を雇うほうは合法的に解雇するのだ。どちらのほうが、戦いにくいのだろうか？繰り返すけど、僕は元教師の運動には賛同する。必要なことだ。きっちりとして、派遣業界をたださないと、派遣という働き方も根付かないだろう。なにしろ、できあがったばかりの業界で玉石混淆もいいところだ。きっちりと、それはたださないといけない。でも、結局彼らが誰かに向かって撃った正義の銃弾は、それこそ、地球を一周して彼ら自身の後頭部に直撃してしまっているような気がしてならない。そして、僕は同時に思う。この元教師が本当に労働者の権利を考えているのなら、理論武装をしてもきっと遠回りだ。それより、自分の理想とする派遣会社を作った方がいいんじゃないか。きっと、そっちの方が多くの人を助けられる。また、会社設立が難しいのであれば、彼がさっさと正社員になることだ。そして、派遣の条件を良くしたり、あるいは個人的に派遣社員の人をつきあって正社員になれるような手助けをしてあげることのほうが、救済には早い。そんな簡単に正社員になれないよ、と彼が言ったらそれはおかしいと思う。この日本って国で読み書きができて、教師してたってことだから、大学まで行ってるのに、職がないのは行動がいささか足りないのか、なんらかのコダワリに拘泥しているのではないだろうか。申し訳ないけど、そう思う。そりゃ、簡単じゃない。でも、きっと、彼は１００社にも応募などはしていないと思う。また、正社員が難しくても、派遣で優秀だったりしたら、その企業から直接雇ってもらったりはできるはずだ。これ、派遣だったら本当はヨロシクナイことなんだけね…契約社員だったら、そういう道も多いだろう。そしたら、条件も良くなるんじゃないかな。また、自分が辿った道を後輩に教えてあげることもできるだろう。正義よりも、あなたが歩んできた生き様のほうが、よっぽど人を救うと思う。個人攻撃になるかもしれないけど、あるいはこんな感想も抱く。彼らが会社の社長とか、仙台市に訴える時の服装だ。普段着で、髪の毛も整ってないし、悪く言うと汚かった。もうちょっと、状況とか、周囲とか、やってることの効果を考えてもいいんじゃないかって感じた。そりゃ、お金がないのを訴えるんだから、スーツにネクタイではおかしいケド。でもね、派遣の待遇改善を訴えるなら、労働者の代表として作業着で行くべきだと僕は思う。テレビカメラも入ってるのだからさ。つまり、やや、世間の現実の風合いや常識をみるのに欠けるかな、と。それが、現在の地位に彼らをとどまらせているといったら、言い過ぎだろうか。言い過ぎだろうな。だって、僕も言えたギリじゃないし。間違った世の中を正しくしていく運動も大切だと思う。局所的な正義は治めるだろう。でもね、きっと、大きな流れは変えられないと思うんだ。特に経済が世界規模で考えられる時代になってるんだから。大切なことは、間違いながらも、なんとかしていこうという行動じゃないかな。たとえ、それが、ささやかな力であったとしても。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎お仕事･ビジネス』まで

2007年05月04日

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教育現場について

教育が乱れているといわれている。そして、フジテレビだったと思うけど、最近の教育現場の乱れについて提言していた。教師の採用は画一的な試験だけではなくて、人間的に魅力があって教員免許があれば、校長推薦などの特別枠を設けて採用する方法はどうだろうって。確かに、耳障りがいいし、最もな意見に聞こえる。でも、僕は単純には受け入れ難い。校長先生の推薦だけで採用できるようになったら、きっと、賄賂がひどく横行する。また、教員も生徒よりも、校長の目を気にしてしまうと思う。そして、校長の目にかなう人間が、教育者として立派かは、わからない。現に私のいた高校の教頭は校長になりたくって、まったく現場とか、生徒のことを考えてなかった。校長の推薦制度があってもなお、教育は荒廃してしまうと、僕は思う。何事も、例外的な精度は賄賂を生むし、特に人の採用に関してはどこもそうだろう。それに、実際裏側では校長の推薦（と、それをもらうための手土産）がないと教員になれない都道府県もあると聞いている。その都道府県は今、不正とか会計処理とか贈収賄で操作を受けている。まあ、そんな都道府県は数が多くてどの都道府県か特定できまい(苦笑) こういう裏側のことってきっと、地元の人はみんな知ってるんだろうケド。戦前の日本のでの教員の採用は、そういった人脈や賄賂で公務員ってなってたりしたケースが多い。それを避けるために、画一的な試験が導入され、誰にでも先生になることができるようになったのだ。画一的な試験で教員を決めることが、なんか、悪いとされているけど、それだけじゃない。そして、僕が思うのは教育が崩壊しているとか言って、制度をいじればいじるほど、現場の負担が増えてるんじゃないかと思う。もっと、教師が立派で、楽しい職業であったり職場にならない限り、不満はなくならないんじゃないかな？そうでないと、生徒をみて仕事をするのは難しい。今の教育の議論は、理念やありかたばっかり議論されている。でも、それだけでいいのかな。理念っを叫んだり、文章で現場に押し付けて実現するのなら、こんなに簡単なことはない。きっと、指導要領の改訂があって、教える内容がちょっと変わって、それで終わるんじゃないかな。教師が職場としてどうなのかって、本質が抜けている。といっても、教師は労働者だと言っているのではない。中学のときにこんな先生がいた。休み時間に質問いくと、「僕が損するから。お金払ってる塾で聞いて」と答える先生。じゃあ、授業中に質問ができるのかというと、できやしない。まあ、この先生は授業時間もロクに教えなかった。問題と、回答のプリントばっかり配ってた。なお、さすがにこの先生は問題になって、学級主任が逐次事業を見守ってました(苦笑)さらに、あるお母さんがこの話を聞いて、切れて「私の息子はバカですけど、あなたのおかげでもっとバカになりました。塾で聞いてっていうなら、塾代を負担してください!!」って怒鳴り込んだ母親がいた(喝采)。話を戻す。教師が本当に大切な職業であるとの尊重されているとは思えない。尊重する価値のない教師もいるのだろうけど。だけど、そういう先生の配置転換とかができるのも、職場として必要だ。だけどもその前に、教師だって完璧じゃないし、職場を通して先生として成長していく必要があると思う。きっと、いい教師になるには失敗もするだろうし、成功もするだとう。さらに、学校で扱うのは心を持った人間なのだ。難しいに決まってる。働き、そして成長する職場って考えがないんじゃないかな。そして、居場所としての職場を考えた場合、最近のイジメ問題などをみると、どの学校も凄く風通しが悪い。問題を隠蔽して、なかなか上にあげようとしないし、上がってきても改善は考えずに国家、国民を挙げて批判する。だから、文部科学省の調査でイジメが原因の自殺が０件なんて馬鹿げた調査になるのだ。そうじゃなくて、僕の学校での問題のように誰かが介入とか、見守ったりする必要があってもいいんじゃないかと思う。本来はそういう役割を現場と、政府の間で教育委員会がするべきなのだ。彼らが教師の質を向上させる方法を取らないといけないんじゃないかな。企業の人事での教育みたいにさ。教員免許の更新制度とかもあるけど、受け入れる職場もほったらかしの面だって多いんじゃないかな。あまりにも格好をつけようとしすぎる学校は。倒産する寸前の企業から出てきているスキャンダルや粉飾決算や、旧共産圏で何か事故が起きたときの報道統制に近いようにさえ、思うのだ。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2006年10月22日

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絨毯と計測器と、核開発

マレーシアに行った。タクシーで街を走ると、東南アジアらしい石作りの建物が並んでいた。ただ、開きっぱなしのお店と違い、ショーウインドーだけではなく、扉もガラスだった。飾られていたのは、やわらかそうで、模様が豊かな絨毯だった。「ここらへんは、結構、いい絨毯が並んでるんだ」運転手が話した。「マレーシアって、絨毯も作ってるんですか」僕は聞き返した。「いや、作ってないよ。ムスリム（イスラム教）の人がイランとかから輸入しているんだ」ふうん、僕はそんな返事をしていた。どこのショッピングセンターでも、店の販売員の多くが黒い布を頭からかぶっていた。イスラム教徒なのだろう。予想以上に多かった。8月25日、計測器大手のミツトヨの社長や副社長が外為法違反で逮捕されがニュースが日本であった。核兵器製造に転用可能な高精度の計測器を低精度と偽って、マレーシアの企業に輸出したのがその罪状だった。様々な国に渡ったと、いうことである。リビアでは実物が発見されているし、北朝鮮やイランにも渡っているとのことである。この軍事用途に転用可能な外為法の規制は厳しい。たしか、プレイステーションもその半導体の演算機能の優秀さゆえに、きちんと申告しないと、ひっかかったと、思う。さて、逮捕されたミツトヨの関係者は転売されてしまえば、メーカーとしてはわからない、と説明している。確かに、その通りだと思う。ただ、どうなんだろう。知っていた可能性が高いように、思う。なぜなら、測定器の仕様も、低精度と偽っているからだ。嘘に嘘を重ねいる。そこまでして、輸出したかったのは、逆に危険性を高く認識していたからだろうと思う。マレーシアというルートの隠れ蓑だけでは不安だから、実際の計測器の高度な仕様も隠してしまったのだろう。さらに、ミツトヨの商品を直接輸入した、マレーシアの企業はペーパーカンパニーだった可能性が高く、核の闇ルートに乗ってしまっているとも、報道されている。イスラム圏への輸出を助ける企業がマレーシアには多くあるのではないか、と僕は思う。なにしろ、普通にあれだけの絨毯が輸入されているのだ。逆のルートがないわけは、ないだろう。ルートというと、ややこしいけど、顔見知りや友達がいれば、受け渡しはできてしまうのだから。このルートを使った企業はきっとミツトヨだけではないはずだ。冷や汗をかいている企業はあるのではなかろうか？単純にルートを潰せばいいかというと、そうじゃない。いいこともある。僕らは絨毯を入手できるし、きっと、イランの人々がプレイステーションを楽しむ手助けをしているはずだ。なにより、石油で大きく稼いでいる資金の流通を促進しているんじゃないだろうか。マレーシアにはその経済実態以上に資金が投下されていると僕は思うけど、それでも成長をしているのは、マレーシアが行き場のないイスラムの資金を受ける受け皿になっているからだろう。問題は、そのルートに不正が容易に乗ることだ。今回は計測器という特殊な技術が必要なもので世界中でミツトヨしか製造できないものだったんじゃないだろうか。ノドから手が出るほど欲しい国々にしてみれば、いかに高価であっても欲しいはずだ。だって、自分の国じゃ、いくら資金を積んだとしても作れないのだから。ミツトヨは様々な事情があって、その誘いに簡単に乗ってしまった。繰り返すけど、日本という国は、そういう立派なものをイッパイ作っている、国なのだ。一つのルートを潰したとしても、彼らは別のルートを探し出してしまうだろう。なんだか、マレーシアという国をテーブルにして、喧嘩しているはずの欧州や日本とイスラム圏が互いにプレーヤーとして和やかに商売をしているみたいだ。その交換で発生したお金が、騒がしいプレーヤーをよそに着実に机を大きくしているように、僕は思う。そんなゲームで、立派な絨毯は机の下に引いているだけなのか。きっと、時々、何かを乗せて、絨毯は空を飛んいるのだろう。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2006年09月09日

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友人からの訃報

すっげえ久し振りに友人から携帯に電話があった。共通の知り合いが亡くなったとのことだ。年齢はちょっとしか、変わらない女性だった。「お葬式、何時から？」「いや、先週、親しい親戚だけで密葬したって。あんまり、知られたくないみたいでさ」密葬？先週？なんで、今頃の連絡なんだ？僕だって、29年生きている。なんかの事情があるのだろう。しばらくは、そっとしよう。お参りするなら、時期をみて、みんなでやるか代表を立てよう。そんな話になった。電話を切った。凄く、辛かった。だとしても、生きている僕は何をすべきなんだ？あるいは、何がしたいんだ。何かを決められるんじゃないか。生きている、つまり、死を選ばない限りは。汗ばむまで、電話を握り締めていた。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎着飾り・買い物』まで

2006年07月28日

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村上ファンド矛盾を含有すること

村上ファンドの功罪の功の部分で、「ぬるま湯の経営に喝を入れた」といわれている。間違いじゃないと思う。でも、それをいうのが生粋の大学教授だったりすると、僕はあんたがぬるま湯だろ？って突っ込みたい。お前が経営してみるか企業で働いてみろよ、って感じである。世の中に変革を唱えて存在するものは、主張の論理性と同時に力も必要になる。論理性がないと異議にもならないが、現実的な力がないと動かないのだ。だけど、この現実ではその論理性と力が矛盾するケースがあるんだ。村上ファンドだと、株主価値の向上と、儲けることの矛盾。そして、巨大化すればするほど、その矛盾は拡大する。だけど、何かを動かすには誰かがその矛盾を包含しないといけないんだろう。矛盾がかかえきれないほど大きくなったときに、罪が存在を破綻させるのだ。ただ、キレイなことを喋っている純粋培養の人々では何も前に進めやしないのだ。進んだ人について批評することはできたとしても。念のためにインサイダー取引を褒めているわけではないよ。ただ、日本は村上ファンドがなくなっても、村上氏が唱えたような社会になっていくような気がする。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2006年06月11日

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シンドラー社のエレベーター　設計と生産

死亡事故を起こしてしまった、シンドラー社のエレベーター。スイスの本社は「設計が原因ではない」と説明している。日本のマスコミはこの台詞を捕まえて、いい加減な会社だって糾弾している。設計以外になにが原因であるんだって、怒ってもいる。シンドラー社の釈明は、僕はそうそう間違えていないんじゃないかと、感じている。きっと、設計どおりに作れてない、生産できていないんだろうって思う。また、エレベーターなんて標準化が難しい商品だから、メンテナンスが難しい点だって、現実にあるだろう。マスコミの人はモノヅクリの現場を知らない人が多いから、設計する技術と、生産する技術は別物であることがわかってなくて、設計がよければ生産物もよくなるって思い込んでいる。また、機械なんてほっておけば動くもんだとも、思ってる。あのさ、日本ほど設計どおり、いや、むしろ設計ミスをカバーするくらい生産能力のある国って珍しいんだよ。メンテナンスもしっかりするしね。設計が思想としたら、生産は行動。ほら、人生でも思想と行動の間にはふかーい溝があるでしょう。同じこと。僕は日本の製造業に在籍しているし、外国の輸入品も扱っているから感覚的にものすごく、わかる。ヨーロッパとかは素晴らしい設計思想でも、そのとおりにつくれていないことがかなりある。日本が細かくて、ヨーロッパがおおらかというか、ガサツというか…。輪をかけて、電気とかの制御ってドイツやスイスはからっきし、だめなんだから。現にフランクフルトのモーターショーでBMWは電気の制御がおかしくなって、停止したんだから。きっと、今度のエレベーターも制御系統にも異常があったんだと思う。僕は別にシンドラー社の方を持つわけではなくて、こういう事故は設計がよければ防げるほど、単純なもんじゃないんだって、言いたいんだ。こう考えると、マスコミってマスコミの現場しか知らないのだよね。尼崎の工場街なんて歩いたことないんだろうな。ここらへん、日経の新聞とか、雑誌はまだ、わかっている。僕らが事件の現場を知らないようにね。だから、報道に対しては、君自身の現実・現場と照らし合わせたらいいと思うんだよね。それが、一番の力なんだろうから。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2006年06月10日

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彩香ちゃん、豪憲くん事件

ぽつんと、整理された区画がある。定規で引いたように家並みが並ぶ。過疎対策に人を呼び込むために、住宅が建てられた。そこに住むのは新しい住人だけだ。二人の子供が信じられない短い時間で、消えるように亡くなった。それが、秋田県藤里町。畠山彩香ちゃんと、米山豪憲くんが亡くなったのはそんな場所。ミニシアターで上映される映画みたいだ。誰が犯人なのか？そして、なぜなのか？奇妙に切り離された小さな共同体の物語。県警の捜査は遅い。慎重なだけなのか。でも、きっとこの物語にハッピーエンドはない。ましてや、映画でさえないのだ。警察が言ったように事故であったほうが何倍も救われたのかもしれない。不幸で始まり、納得ができない静かな狂気にしか終焉しない気がしてならない。たとえ、美しく連なった山々から雪解け水を含んだ川が、心地よいざわめきを奏でているのだとしても。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2006年05月31日

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トップニュースから

佐賀のひき逃げ山形の殺人仙台の転落トップからニュース続くこの３つのニュース。いずれも子供が亡くなったり、重体になっている。とても、嫌だ。偽メールのニュースさえのどかに思える。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2006年05月25日

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姉歯建築士と奥さんと失う恐怖

耐震強度偽装事件に関連する8名が別件で逮捕された。これから、真相の解明は進んでいくだろう。彼らが行ったとされる罪は軽いものではない。人の命を殺める可能性がある、重い罪だ。すでに、一人は自ら命を殺めた。姉歯建築士の妻である。僕はこのニュースを聞いて、とても混乱した悲しさを持った。国会で姉歯建築士は偽装に手を染めた理由を病気の妻がいるから仕事を失いたくなかったといった。それが、弱い自分だとも。だけども、彼が守ろうとした妻は、守ろうとした行為である偽装によって、おそらくは追い詰められ自ら命を絶つことになってしまった。ねじくれまがった、話だ。僕は自営業ではないから、仕事を失う恐怖を感じたことはない。でも、支えるべき誰かが側にいるのなら、その事は凄く怖い事だとは想像できる。仕事を失う恐怖が法律を犯す恐怖を上回るのは、充分に考えうる。勿論、僕は姉歯建築士が正しいと、いうつもりはない。ただ、恐怖によって犯した行為によって、恐怖が実現してしまうことにとても悲しさを感じる。姉歯建築士の場合は仕事も妻も失ったのだ。恐怖を何かに感じたら、どの恐怖があなたを正しいものに導くのか、僕たちは考えて、感じないといけないのだろう。恐怖にも正しいものと、間違ったものが、あるのだ。ともあれ、今後の我々のためには真相の究明を僕も祈っている。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2006年04月26日

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ライブドアと「新しい」ことについて

「堀江さんは本質を掴んでるよ。つぶれないよ。法律を犯さない限りは」記憶が曖昧で申し訳ないのだが、読売テレビの深夜番組で投資ファンド代表の村上世彰氏がそんな風に語っていた。タクシーの中だった。あれは、阪神電鉄の買収の前の話だったと、思う。そして、現在。ライブドアが粉飾決算などの疑いで捜査されている。クロだと、世間はすでに踏んでいる様相である。世間が正しいわけではないけれども、東京地検が踏み込んだということは、クロの可能性が高いのだろう。ただ、私が報道を見聞きしてもよくわからない。凄く、難しい。偽計取引などなど。一体、どういう理由で犯罪なのか。多分、嘘をついたというのが犯罪なのだろうか。犯罪の内容が難しいからだろうか。テレビではライブドアの体質とか、金権主義への批判とか、果ては健全なる資本主義社会について論じている。そもそも、健全なる社会というものが古今東西存在しえたかは、僕は非常に疑問なのだけど。さてさて。ちょっと前まではIT産業といえば、新しくてクリーンな企業イメージがあった。時々は従来の秘密主義と違って、フェアでクリーンだとも。しかしながら、僕は思う。一体、新しいこととクリーンなことはどこがどう結びつくのか。きっと、新しくてもダーティな企業はあるだろうし、古くてもクリーンな企業はある。そこを私達は見誤っているのではないだろうか。新しいからといって、すべてが素晴らしいわけではないのだ。また、古いからといってすべてがくだらないわけでもない。色々企業があり、色々な社歴がある。きっと、ライブドアの株の暴騰と、凋落は、過剰な期待が裏切られたことが原因なのではあるまいか。いや、あるいは過剰な期待に乗っかろうとした、投機の資本だともいえる。もしかして、堀江さんが掴んでいた本質というものは、この投機と期待が生み出す資本だったのかもしれない。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2006年01月21日

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規制産業のメディア

昨日、関西でラジオを聞いていたら、コメンテーターが喋ってた。コメンテーターが黙っていてもいけないのだけど、ちょっと、ヘンなことを喋っていた。楽天が球団を二重保有している可能性について、話していた。「こんな、二重保有なんて今までない」と断言していた。でも、チョット前に、フジテレビが横浜ベイスターズの株を持てなかった事例があるはずだ。なぜなら、ニッポン放送がヤクルトの株を持っていたから。揉めに、揉めたすえ、TBSが株を持つことになった。勉強不足じゃないかな、って思った。次に、メディアの公共性について話していた。公共性が必要なメディアは誰の持ち物にもなってはいけないと。おかしい、と思う。まず、誰の持ち物にもなっちゃいけないのなら、上場なんかするべきではない。楽天や村上ファンドだけを責めているが、今までのメディアはどうだったのだ。個人や一族が株を寡占していたではないか。また、広告代理店が株を持つことはどうなのだ？よっぽど、公共性の問題じゃないのか？市場で買い集めるよりも、寡占している状況のほうが公共性に反するのではないか。極論すると株式会社にしちゃいけないのだ。本当に公共性を尊重するのなら。株式会社とは誰かの持ち物に会社がなるということだからだ。そして、別にこれは不可能なことではない。NHKは特殊法人だし、共同通信社は社団法人だ。また、日本経済新聞社のように従業員が株主になっている場合もある。結局のところ、日本の報道局は規制産業だったんだろうと思う。電波法という、法律にがっちりと守られた排他的な産業だったのだろう。法律で民間企業が守られているのだ。報道では規制緩和を叫びながら、自らは規制に守られている状態だ。矛盾しているかもしれないが、それが事実だったのだろう。つまり、メディアが自身の公共性を主張するのは独占をもたらす規制を守る側面もある。それは「みんなのもの」という意味の公共性ではない。「自分達の特権」としての公共性という権利でしかない。ニッポン放送とライブドアの時、経団連の奥田会長が「メディアも普通の企業にならないといけない」と言っていた。この台詞はそういう文脈から出てきたのだろう。今後、しばらくはメディアと株の問題がにぎわうだろう。その時には是非、メディアは自由な資本主義の産物ではなく、規制された公共性の申し子なのだという認識を持って見たほうがいい。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎お仕事･ビジネス』まで

2005年10月15日

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貧困と地震

新聞に掲載される学者の話は信じるなって、大学の教授が言っていた。編集の段階で端折ってしまうからだ。それでも、ちょっとないんじゃないかなあって思う記事があった。京都新聞10月10日17版、社会2、28面である。パキスタンの地震について、京都大学のラジブ･ショウ助教授の記事。「よく誤解されるが、家屋に耐震策を施さないのは貧困が原因ではない。建築費の7-8%のコストをかけるだけで「壊れても人は死なない」家は実現できる。」うん？僕は首を傾げた。建築費の7-8%のコストがかけられないのが、貧困だろう。ちょっと、この記事の書き方は酷いと思う。曲解すると、貧乏でも死にたくないなら、7-8%位安いものじゃないかって言い方だ。それができないのが、貧困じゃないのか、って僕は思う。ちょっと、フォローするとこの記事はこの箇所までは石材の不足など冷静な分析をしている。だから、この箇所に不満なのだ。助教授か記者かどちらが原因なのかわからない。でも、どちらにせよ、この記事を読んだら現場とか、生活が分かってない人達だと思う。まず第一、コストが7-8%がかかったら、最終価格にどの位跳ね返ってくるのか、この人達は実感できているのだろうか。偉く高邁なトコからモノ言っていると思う。そもそも、そういう選択の余地がないことが貧困なのではないだろうか。紙面の関係もあろう。理想としては、そのコストを誰が、どのように負担させるかくらい踏み込んだ記事が欲しい。それができなければ、せめてもうちょっと、考えた言葉が欲しかったと思う。そりゃ、貧困がなくなれば、耐震性が弱い建築がなくなるわけではない。それでも、貧困も原因の一つなのだろうから。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2005年10月10日

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萎縮の連鎖

ちょっと、できなかった。できないかもしれない。いや、きっとできない。絶対にできない。ちょっと、人に不快感を与えた。嫌われたかもしれない。いや、きっと嫌われている。絶対に嫌われている。最近の僕はずっと、そんな風に考えていたと思う。だから、何をするにも億劫だし、そのうち何も聞けなくなってしまった。その事を人に話してみた。その人はゆっくりと、僕のその心の形を示してくれた。とても、ちぢこまっていた。ゆっくりと、膨らまそうと今日はした。そしたら、何かが変わったような気がする。きっと僕は何かに恐れるというよりも、恐れに恐れていたように思う。なんか、ほぐれてみて気がつく。随分、自分を抑えこんでいたんだろうって。できないことも多いだろうけど、もっと、今の自分を生かせるやり方が、きっとこの場所でも、少しはあるはずだ。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎お仕事･ビジネス』まで

2005年09月07日

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注目選挙区

選挙だ。広島６区とか、刺客や造反議員が関係する選挙区が注目を集めている。でも、僕はこの選挙区を注目することをオススメする。京都１区。立候補者３名。そして、なんと、前回は全員当選している。比例代表の復活の制度の危険性を一番表している。今回も多分、そうなるだろう。投票率が低いのは感心しないけど、こういう選挙区だったら投票率が低いのもむべなるかな、と言わざるを得ない。では。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2005年09月01日

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ガソリン高騰と税金

石油が高い。ガソリンが高い。凄い値上がりだ。大丈夫かな、と僕が不安に言うと、一言、ある人が答えた。「税金減らせばいいねん」そう、ガソリンって半分が大体税金である。しかも、そのうちの何割かは「揮発油税」を含む「ガソリン税」になってるんだよね。これって、特定目的税（だったかな）なんだよね。その名のとおり、使用目的が限定されている税金。ちなみに、この使用目的って道路の建設。つまり、我々の払うガソリンの料金のうち、何％かは必ず、道路の建設に使われる。多分、そしてまた、その新しい道路でガソリンが多く使われる。なんて、素晴らしいシステムなんだ！つまり、道路がある限り、ガソリンは使われ、ガソリンがある限り、道路は作り続けられる。まあ、整備も道路はしなきゃいけないので、作るって断言するのは御幣があるけれども。でもさぁ、ふと、思うんだよね。これだけ、財源があって、しかも、既得権益を守るべく談合がある（と強く予想される）道路の建築。その建築業者である、ゼネコンがなんで潰れるんだろう。疑問でないかい？このがっちと見える既得権益の壁は、何かしらの力によって大きな穴が開けられ、そして、利益が外か闇に漏れているのかもしれない。まあ、とはいえ、日本の道路の整備状態は先進国の中でも好く出来ている。利用する分には、あまり問題はない。だったら、いいんじゃないかって、気もせんではない。ではでは。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎お仕事･ビジネス』まで

2005年08月05日

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アスベスト被害に思う

最近、アスベスト、つまり石綿の被害がニュースでじわり注目を集めている。クボタの公表が始まりである。僕は疑問だった。なぜなら、アスベストの問題はかなり前から言われていたのだ。確か、僕が小学生でニュースを見ていない時からの懸案だ。てっきり、僕はケリがついたものだとばかり思っていた。だから、なぜ、今になってこのタイミングで公表されたのか、まったく分からない。国の対応の遅れとかいうけれども、かなり前に問題視されているのだ。だとすれば、恐ろしい結論しかないのではないのか。つまり、被害の状態が巨大なのだ。にっちも、さっちもいかなくなるから、公表したのだ。公表して、誰かが懺悔をしないと解決はおろか、改善さえしないような状態ではないのだろうか。もはや、手の打ちようがないのかもしれない。公然の秘密が公然となるのタイミングは、もはや秘密というメッキさえはげてしまう時なのだ。アスベストの被害。もっともっと、深く広がりそうな予感がしてならない。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2005年07月31日

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「見合わせる」はないんじゃないの？JR西日本さん

脱線事故は悲惨だった。でも、僕はちょっと、最近の報道はどうかと思う。マスコミもしょーもないアラ探しをしてるとしか思えない。リンクさせていただきている、かみぽこちゃんさんの感想でも書いたけど、事件の詳細を調べずに、感情的で瑣末な議論になっている。そんなのは二の次だろう。本当は事故の原因はどこにあったのか。それを防ぐにはどのような機械を導入する必要があったのか。わかっていたのなら、なぜ、機械を導入しなかったのか、を検証すべきだろう。多分、僕はATSを入れて速度を制御すると、時間通りに運行するのが不可能だから、後回しにされたんだろうって思っているけど。つまり、運行ダイヤの遵守には速度オーバーが必要だった。また、上層部も黙認していたんだろう。これは僕の推測だけど。報道機関がこのようなことを検証しようとしてるとは思えない。誰かが宴会したとか、そんなのばっかりだ。そんなの、大きな問題じゃないって思う。お酒を飲んだほうが、正直に事故について語り合えるとかっていうのはあると思う。なんだか、報道機関によって、あいまいな「体質」とか「雰囲気」がすべての原因として報道される。それって、本当のことから遠ざかってるのではないだろうか。だけど、ちょっとおかしいなと思うことはある。JR西日本さんの社内の体質よりも、お客さんとの関係やアナウンスのことである。僕は通勤で毎日JR西日本さんを利用させていただいている。そして、大阪駅で毎朝次のように放送される。「尼崎から宝塚間は運転を見合わせております。お客様には大変ご迷惑をおかけします」はっきりいって、僕は良い気分がしない。見合わせてるんじゃないだろう、って思う。そんなJR西日本の自主的なことはどこにもない。運転ができないことはゼーンブ「見合わせ」と呼ぶというマニュアルか、暗黙の了解があるのかもしれないけれども。単純に、運転ができないだけだ。警察が現場保存をしているじゃないか。第一、線路も押収されてるじゃないか。喩えるならば、高速道路で事故があって事故処理のときに、道路公団は「通行を見合わせています」って言うようなものだ。そのくらい、変だ。正直に「事故で通行止め」ってアナウンスしている。「見合わせる」っていうのは強風で橋を通行止めにするときとかにつかうんだろうって、思う。さらに、迷惑をかけたとあるけど、一番迷惑をかけたのは遺族の方に対してだろうとの細かいツッコミも入れたくなる。確かに事故が大きくて、万人が納得できる台詞はないかもしれない。放送だから全部を言うと、長ったらしいだろう。誰かがケチをつけるのは間違いがない。だけれども、それにしても「見合わせる」はないんじゃないかな。何をしているのか、の説明の前に、事実さえちゃんと伝えていないじゃないか。せめて「事故の現場検証のため運転ができない」くらいに言ってもいいはずだ。進んで言えば「安全を確認してから、運転を再開いたします」と続けてもいい。鉄道も客商売なのだから、今でも乗り続けている利用者の本当の気持ちを考えて欲しいと思う。また、それに沿って、対策を進めて欲しい。確かに、運行できずに迷惑している乗客もいるだろう。それでも、やっぱり安全に運転して欲しいから仕方がないと思っている乗客も多いのだから。同じ体質や、雰囲気といっても、社内で宴会をしてたとかよりも、このような顧客へのアナウンスをどう考えているかのほうが、報道すべき事実ではないか。所詮、宴会なんて個人の判断だ。だけど、顧客へのアナウンスは個人でできるわけではない。極論すれば組織がお客にどう接するかという、それこそ、体質の問題である。だから僕は不快になってしまうのだ。しかも、毎朝、同じように言っているのだから、やっぱり疑問にさえ感じてしまう。なにしろ、聞いている人は、僕を含めてJR西日本さんに事故の後でも乗り続けている人なのだから。※5月18日に駅のホームに降りると「運転を取りやめております」にアナウンスが変わってました。事故の大きさからすれば、小さすぎるのですが一歩であることは間違いないですね。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2005年05月17日

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斎藤昭彦さんの「生き方」

イラクで拘束されている斎藤昭彦さんについて書こうと思う。勿論、無事に救出されれば一番よい。でも、可能性は低いのではなかろうか。さて、ここから僕の思い。きっと、不快感を感じる人もいるだろうけど、ご容赦願いたい。これは私の正直な感想である。限られた情報から得た、思い込み多い文章である。仮に、5%でも共感していただければ、こんな幸いなことはない。斎藤昭彦さんの経歴なんかを聞いて、こんな日本人もいるのかと思った。彼は今までイラクで拘束された人とは、違う。明らかに戦場であるイラクだと了解して彼は行っているのだ。しかも、限りなく当事者に近い位置で。そこに、私は一つの生き方を感じた。さらに、誤解を恐れず言えば格好よかった。家族も、国も捨てて、戦場に生きる兵士。しかも、事情があったにせよ自らの意思でそこに向かったのだ。家族も国も、安定さえ捨て戦場を選ぶ。善悪を超えた地点では、男のダンディズムが漂う。きっと、彼は戦場が好きだったのではないだろうか。言葉を変えれば、戦場で彼は生きていることを実感できたのではないだろうか。私の大好きな映画である地獄の黙示録の冒頭ではこんな感じの台詞がある。「まだ、俺はサイゴンにいる。戦場にいるときは故郷を思い、故郷にいるときは戦場を思う」そして、主人公は闇の奥深くの戦場に再び向かう。きっと、斉藤さんの心象風景もこんなものではなかったのか。逆説的だけど戦場こそ生きがいとする人間もいるのだろう。チェ・ゲバラ氏がそうであったように。死が隣にあるがゆえに、より強くなる生。消防士の中には火の中に初めに飛び込んでいく人がいるという。彼らに言わせると、そこでこそ生きていることを実感するらしい。ちょっと、例えがずれるかもしれない。確かに狂気である。自由な選択でも戦争する狂気。もし、これが事実であればどれだけ我々に選択権や、自由があったとしても、誰かが戦争を犯してしまうことになる。社会システムや経済に戦争があるのではない。実は我々のどこかにそれは隠れている。だが、狂気であってもその深さや、覚悟ゆえに格好良さが漂う。格好良いとは危険なこと、そうともいえるかもしれない。僕の主観にすぎない。でも、斉藤さんは救出されても再び戦場に向かうような気がする。この日本の暮らしで斉藤さんが生きていることを思うのは、難しいのではないだろうか。断片的ではあるが、彼の人生の歩みをマスコミから聞いていると、徐々により危険な方面に引き寄せられている。とても、宿命的に感じる。極端なところ、彼は戦場で死にたかったのかなとさえ思える。死の時期を自分で選びたいのかなと。日常生活では私達はいつ死ぬかを選択できない。生死の期間は自殺しない限り、選択できるものではない。与えられたものだからだ。決定できない、与えられたものへの不安。あなたがいつ死ぬかをあらかじめ知りたいな、とふと思うことはないかい。もし、それがあれば、死を選択することだけがその不安を取り除く方法であるのに理解を示してもらえるだろう。しかし、戦場に赴くことは、死を暫定的に了承していることである。つまりは、自らで死を選べるのだ。彼、斎藤昭彦さんの生きる方法が僕には独特に思える。つまり、いかに生きるかが問題ではないと思うのだ。いかに、死ぬか、それが彼の生き方ではないだろうか。そして、その死をいかに選び取るか。死を感じながら、いかに生きるか。極端で、屹立している方法ではある。だからこそ、本質的な生き方であるともいえなくはないか？ご精読ありがとうございました。※追記5月28日に斉藤さんがなくなられたことがほぼ、確実視されました。ご冥福をお祈りいたします。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2005年05月14日

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尼崎の脱線事故

まず、冥福をお祈りする。正直、まだ何名がなくなられたのかわからないだろう。きっと、なくなった方の大半は明けが分からぬうちになくなったのだろう。僕の会社は尼崎の近くにある。今回の事故はなまじっか土地勘があるだけに怖かった。また、原因が色々といわれている。だけど、実際の技術というのは絶妙のバランスの上に成り立っている。だから、事故も絶妙、と言っては不謹慎だか、おかしなことが重なって、大惨事になる。スピードもあるだろうし、石もあるかもしれない。不運にも強度の弱い電車横にちょうどマンションがぶつかってしまっている。単純に電車の強度を上げればいいという話もあろう。でも、きっとそうすれば線路の負担がかかって、事故も起こりやすくなってしまうかもしれない。原因が一つだと、視聴者はすっきりするかもしれないけど、きっとそうじゃないはずだろう。もっとも、下手な運転手というのはいる。私も電車で通勤しているからよくわかる。電車を止めたいのか、乗客をなぎ倒したいのかよくわからない、酷い運転手というのはいる。大惨事では過激な極論が凄く正しくて格好良く思う。特に、どこからか出てきたような評論家がタケノコのように生えてくる場合なのだ。でも、そういうことだけに耳を傾けてはいけないと、僕などは思うのだ。いずれにしても、様々な責任転嫁の横槍が入るだろうけど、当事者には慎重に原因を調査してほしい。勿論、遺族の方々の心情の吐露は仕方のないことではあるのだが。一両目に乗っていた人がTVで話していた。「もう…なんで助かったかがわからない」きっと、現場は想像以上だったのだろう。すこし、ほっとしたことは周囲の人が救助に積極的だったことだ。あの場所は工場が密集している。製造業は朝が早いからすでに仕事をしていたのだろう。それでも、負傷者をトラックやライトバンで病院まで彼らは運んでいた。近くの工場が負傷者を一時、預かっていた。「こんな災害は起こって欲しくない」負傷者の救出を助けた工場のおっちゃんが語っていた。私の気持ちも同じである。だから、原因追求も今後起こさないようにするための、糧にして欲しい。あまりにも大きな犠牲を払ってしまったのだけど、できることはそれだけなのだから。※もっと、「ニュース」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2005年04月25日

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会社とは？そもそもの質問のあり方について

会社は株主のモノである。そもそも、「会社は誰のモノか？」って質問自体が馬鹿げている。答えが分かりきっている。いろんな理屈をつけて反論する人がいても、会社を所有しているのは株主である。あるいは質問のたてかたが間違えているのだ。「会社はなんのためにあるのか」この質問には社員と答えてもいいかもしれない。なぜなら、会社は社員が働く場所であるからだ。役職の上下に関わらず、社員が多くの時間をつぎ込んで働き、生活の糧を得ているからだ。だからこそ、場所として存在する会社は、信仰心を社員に求めることだってある。時々、その場所に社員を飛び越えた神様みたいに君臨するオーナーが、時々いるだけだ。また、土着的な場所に縁があってやってきた人々をお客と呼ぶのだ。日本は会社が売買されるモノという感覚がまるでない。経営と所有が分離するのはおろか、会社とは所有されうるモノである前提が希薄だったのだ。オーナー企業であっても資本で会社というモノを支配しているのではない。血縁で君臨しているのだ。資本、つまりカネ、を仲立ちにしているモノであれば売買や交換ができる。しかし、血縁を交換することなど、できない。つまり、今までの日本は「モノ」と「カネ」の資本主義ではなかったのだ。会社という「場所」を中心とした、いわば土着的会社主義だったのだ。その会社主義を成立させていたのが、一所懸命に働く社員は勿論のこと、「縁」が引き連れてくるお客と過大な間接融資を本音にした、「血」というマジカルで過小な資本金という建前が絡み合った日本というシステムなのである。これは、どちらがいいか、という問題でもない。ただ、そうであっただけだ。再び質問を考えて欲しい。「会社は誰のモノか？」「会社はなんのためにあるのか？」きっと、この二つの質問が放つ亀裂の間に、現在の日本経済のアクチュアリティは蠢いているのだから。※もっと、「およよ」なら『目次・◎時事・ニュース』まで

2005年04月20日

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安英学選手の言葉

サッカー北朝鮮代表の安英学選手がテレビ、やべっちFCで次のようなことを語っていた。「…僕の祖父は南の出身なんですね。韓国にいけば北朝鮮といわれ、北朝鮮では韓国人といわれる。だから、僕は在日なんですね。…サッカーとかの後に友情が生まれると思うんですよ」いたく、僕は考えさせられた。僕は国家としての北朝鮮や、その日本支部であった朝鮮総連や、そこに加担したであろう勢力には厳しいことを書いている。確かに彼らの跳梁跋扈ぶりは許されるものではない。でも、一方で「祖国」と「日本」の狭間で苦しんでいた人もいるだろう。両方を飲み込んだ人だっているだろう。詳しいことは本人しかわからない。我々には近くて、深くてだからこそ、複雑な歴史と関係と、罪が横たわってい。それは日本と半島の問題だけではない。半島と、半島との複雑な歴史があるのだ。だからこそ、安英学選手の言葉を、今一度噛み締めてみたい。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎スポーツ』まで

2005年02月09日

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ババ抜き人事、三菱自動車

以前の日記で自動車製造業者としての三菱の力のなさを仮説として書いた。あれから、自動車整備士の友人と話した。どうやら、三菱車は全体として甘い箇所があるようだ。バルブのシート部のシール性とか、そこらへんである。でも、自動車は非常に危険な技術なのでやはり、技術力に無理はあったようである。あと、品質管理も甘いと聞いたことが私はあるけど。そして、今日、ニュースを見てびっくりした。首脳陣が退陣するらしい。なんでも赤字の責任を取るらしい。って、どうすんねんって思う。だれが、あの会社を立て直せるというのだ。これからどんな人間を連れてくるのだろう。第一、次の首脳の目処さえ立っていない。普通は目処をつけてから解任させてもいいだろうと思う。大体、業績悪化の原因であるリコールは現経営者よりもはるか前の経営陣が原因である。たまたま、前任者のババが残っていただけだ。岡崎会長にしてみれば体よくババをつかまされた気がいっぱいだろう。そして、きっと、この原因と結果の因果関係さえ検証せずに表面的なことをいっている。なんだか、サラリーマンの典型的人事である。常識である。だけど、あえて私はいいたい。そんなババを抜いてすぐに降格させるから、誰もリコールを言えなかったんだと。言ったら首が飛ぶ。首が飛んだら改善さえもできない。だから、なんとかうまくやろうと煩悶する。うまく行かず、苦しんだのが三菱自動車首脳陣の本音ではないだろうか。この三菱自動車については、こんな気がする。何かを報告したら、その報告者が悪くなるのではないか、と。「この車に不具合がありました」と上司に報告する。「なにぃ。お前がなんとかせい。わしゃ知らん」と上司は言うのではないだろうか。報告した人間を悪者にして終わわるのだ。報告を受けた人間は、それで責任を回避するのだ。このようなことは大なり小なり、どの組織でもある。でも、この財閥系企業では度が超えていたのではないだろうか。むしろ、報告する人間こそを大切にしないと、どこに膿があるのかわからないのに。確かに、三菱自動車は業績は悪化した。再建計画通りにいっていなかったかもしれない。だけど、そういうことを言っている状況なのだろうか。非常識な状況で、常識的と思われる判断をしてうまく行くのだろうか。渦中の栗を微力ながら拾おうとした、岡崎会長をフォローすべきではなかったのだろうか。それとも、今回のことはもっと裏があるのだろうか。例えば、一気呵成に法的整理も視野に入れているのだろうか。このババ抜き人事は、もっと大きなババを隠しているのだろうか。今後も気になる状況のようである。

2005年01月22日

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10年前僕は　～阪神大震災～

まず、僕らは笑っていた。1月17日の朝、僕は珍しく地震の揺れで目が覚めた。ただ、学校に行くと僕らは笑っていた。なぜなら、ＴＶでは繰り返しＮＨＫ神戸放送局の様子が流されたからだ。その中で仮眠から飛び起きる職員の姿がなんだか、滑稽だったからだ。でも、そのこと地震の一つの悲劇である。すぐには被害の状況が分からなかったからだ。被害を受けた当事者以外は。きっと、政府も自衛隊も、はじめに分かっていたのは仮眠から飛び起きる職員の姿だったのだろう。朝日とともに僕らは笑いを止める。崩れた駅。なぎ倒された高速道路。延々と増え続ける死者数。一日中流れる安否確認のＴＶ。だが、一方でＴＶから流れる映像はあまりにもひどすぎてどことなしか現実感を喪失していた。映画の一場面のようだったから。つまりは、僕らが現実と考えうる想定をはるかに超えていたのだ。当時、私は大学受験生だった。受験の帰り、バスで神戸を通った。そこでも、僕はどこか現実感をなくしていたように感じる。なぜなら、あまりにも神戸の姿をとどめていなかったから。瓦礫の山であり、あたりは残骸の野原だった。急に別の世界にほおりこまれるような感覚だったのだ。現実として受け入れるのが困難な風景だったのだ。ただ、僕が一つ覚えている家がある。多くの家が崩れ落ちているなかで、その家はかろうじて立っていた。でも、屋根が傾き、平行四辺形の形になっていた。僕はそこでふと立ち返った。平行四辺形に踏みとどまっていることが、過去の神戸と破壊された神戸の間をつないでいた。これが、現実なんだと踏ん張っている家は教えてくれた。あれから、10年が経つ。早いのか遅いのか、よくは分からない。でも、今日生きている僕らの現実は、いつ野原になってしまうかわからない。とんでもなく、想像を超えた形でそれらはやってくる。この10年で成長したとしても、また、総てが失われてしまうかもしれないのだ。いや、だからこそ、僕らは日々をちゃんと生きていくべきなのだろう。多くの犠牲者に報いることがあるとすれば、今もって私にはそれしか手段がないのだから。

2005年01月17日

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NHK不祥事はそんなに大きな問題か？

最近、ニュースを見てるとNHKのピンハネ事件について報道されているよね。特に民放なんかがすごいよね。トップニュースでやってさ。彼らの論理としては報道に携わるものとして、責任ある事件としてあつかってるんだろうけどさ。僕は他に重大なニュースはないのか、って思うわけ。最初に話しとくけど、僕は賄賂とかキックバックを賛成しているわけなじゃないよ。報道の扱いかたとかについて、思ってるわけ。でさ、海老沢会長の辞任を求めてるよね。いや、別に間違いじゃないんだよ。でもね、NHKの会長は辞めてないけどさ、特別の謝罪番組をしてるんだよ。まだ、えらいと思うよ。だってさ、日本テレビが視聴率を捜査した事件が起こったとき、謝罪番組をしたかな？してないんじゃないかな。報道番組で報道しただけでしょ。それに、氏家さんだってCEOはやめたけど、会長のままじゃない。今だって会長なんだよ。でさ、テレビ朝日もトップニュースしてるけど、あなたたちもどうなのよって思うよ。ダイオキシンの誤報では確かにニュースで謝ったよ。でも、それを人事に結び付けてるの。してないよね。まあ、誤るに足る情報があったって、裁判でも主張できるような理由はあるんだろうけどね。ただね、報道論理からいえば視聴率とか誤報のほうが大きいと思わないですか。まあ、そういう局がNHKの金銭不祥事をトップニュースまであつかったり、NHKの体質と断言したり、とやかく言う事はできないと思うけどね。もし、本当に彼らが報道倫理の確立を求めるのなら、報道すべき事実は足元にいっぱい転がってるはずだよ。NHKの事件は、ぶっちゃけ、建築業界とかでもありそうな賄賂とキックバックの話じゃん。放送業界とか、放送倫理に絡む話じゃない。単なる会社の汚職なわけ。なんだかんだ、書いてきたけどね、基本的にはトップニュースで扱うニュースじゃないと僕は思うんだけどね。こんなに大々的に扱う問題じゃない。よくある、企業での汚職事件だよ。報道機関が報道機関同士でちちくりあうような、報道合戦する暇があるのなら、もっと、社会とか人とか、災害に関して報道すべきじゃないの。はっきりいって、NHKのプロデューサーが裏金をつくって、どんな豪勢な食事をしたかなんて、どうでもいいでしょう。そんなの、興味半分か、嫉妬だよ。他局がNHKの資金力に嫉妬してるんだと、思えちゃう。また、どうせ告発するなら日経新聞みたいにどーんと個人で株主代表訴訟を使って告発できるような骨太の人がいて欲しいけどね。組織の力を背景に、組織の都合で、攻撃しあうんじゃなくってさ。ま、個人で戦うのがどの世界でも難しいのは一緒だけどね。第一、僕もよくできないし(笑)

2005年01月08日

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奈良小一女子殺人、あるいは情報の漏れ方について

奇妙だし、現代的な事件だと思う。奈良県で有山楓ちゃんの遺体が発見されて、１ヶ月が経つ。テレビでみると、のどかな風景である。しかし、携帯電話やメール、その猟奇性など身の毛もよだつ事件である。きっと、我々がこの事件の本当の意味を知るのは10年以上かかるのではないだろうか。ちょうど、宮崎勤の事件のビデオの積み上げられた部屋こそ『ひきこもり』であったように。言葉より先んじた事件に対して、我々は思考する材料さえ持たないのだ。そして、僕が奇妙に思うのは報道に漏れてくる捜査状況である。毎日なにがしの情報が漏れている。でも、その一つ一つを検証すると、実は捜査本部は事件の当初からわかりそうなものばかりである。写真の画像の解説、連れ去られた場所、そして、携帯電話の発信源。今日の妹を狙うとのメールのように、新しいものもあるが稀な部類である。これは捜査側が何らかの意図を持って情報を流しているのではなかろうか。そうであれば、大胆な推測ができる。例えば犯人のメボシはすでについているかもしれない。一つには捜査側が楓ちゃんの殺人だけを追っていることではない可能性。あえて、捜査を長く、慎重に確実にするため、今回の事件の情報を小出しにしているということだ。一種のカモフラージュであり、泳がせである。次には、犯人が楓ちゃんに非常に違い人物であり、あぶりだすために報道機関を利用している可能性。この二つの推測は、実は捜査がほぼ終了しているとの前提に立っている。まったく逆も考えられる。つまり、ちっともわからないままかもしれない。捜査は混乱と、迷宮で立ち往生しているのかもしれない。だから、小出しの情報しかない、ともとれる。この情報の流れはその両極端のどちらかではないかと、私は邪推をしてしまう。意図があるとは、そういうことだ。いずれにせよ、この犯人は逃げ切ることができないだろう。もっと、行為が大胆になってきていずれはバレルのだ。連続犯や常習犯とはそういうものだ。むしろ、犯人は壊れたがっているようでさえある。壊れるのは犯人だけでよい。早く事件が解決して欲しいと、願う。風景と同じのどかな生活に周囲を戻してあげたい。最後になったが、楓ちゃんのご冥福をお祈りしたい。

2004年12月15日

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なぜ、西武鉄道の虚偽記載が判明したか

コクドが保有する西武鉄道の有価証券報告書の株に関する虚偽の記載問題。僕が気になるのは、なぜ、この時期にその事実が判明したのか、ということ。過去、20年以上の長きにわたって隠してきたのにだ。だから、あくまで思い込みともいえる仮説を述べたい。どうも、内部告発ではなさそうだ。しかも、この事件が発覚する前にコクドは西武鉄道の株を売り抜けようとしている。つまり、発覚すると踏んでいたかもしれない。私はこう考える。「コクドの財政は破綻に近い」つまり、虚偽記載がばれようが、なにしようが彼らには現金が必要だったのではないか。企業というのは、意図しようが意図しまいが、隠したい部分はある。人間の生業だから仕方ない。でも、企業や投を拡大しているうちはそれは、判明しないのだ。コレは思い込みではなくて、利益から見てもそうなのだ。拡大し、投資をしているうちには財務諸表にも損は出ない。投資がこけたときに、初めてわかるのだ。ダイエーにせよ、アメリカのエンロンにせよ、そうである。つまり、今回の虚偽記載がばれたのは、僕は、コクド及び西武鉄道がバンザイをしたのではないかと、疑う。「すんません、もう、隠しきれないです」有価証券の記載をごまかすのは、それなりに労力もいる。また、それで恐喝をかける組織があるのも考えられるから、いろいろな面でお金がいるのだろう。きっと、コクドや西武鉄道が絶好調のときは、それらもなんてことはなかったはずだ。しかし、この不況だし、レジャーも多様化してきている。株や資産は目減りが激しい。コクドはかなりひどい財務状態ではないだろうか。今までのやり方では、ニッチもサッチも行かなくなるほどに。だから今までと違い、西武鉄道や外部からある程度の資金を流通できるようにしたかったのかもしれない。そのためには不透明な形では、外部は入り込めない。（と、いうか入り込めないようにしてきた）堤氏の辞任でひとまずの幕をひき、新たな出発を歌いながら。きっと、この事件はかなりの長いスパンでみて、やっとわかるものもあると思う。勿論、分からないことも多いだろうけど、状況を見守ってゆきたい。

2004年11月22日

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一場投手会見

一場投手の会見を見た。変な表現かもしれないけど、僕は彼に好感を持った。なぜなら、その会見には最大限の誠実さがあったように思うのだ。少なくとも「落とし穴だった」とか、自分の部下に辞任の声明を読み上げさせるようなオーナとかより、よっぽど彼が誠実だと思う。特に「プロの人たちの話の中で自分の常識を超え、いつしか断る言葉を失った」とのくだりは、考えさせられた。きっと、プロの人たちは『○○君もうけとったよ』、『要求する人もいるんだよ』とかいった言葉をかけられたのだろう。そして、それは事実なのだ。だから、彼はそういう世界に引きずり込まれた。運が悪かったのだけれども。実際に、一場選手が問題になるのなら、戦々恐々としている選手は多いのではなかろうか。現役選手にも、新入団投手にも。そうだ。彼はまだ大学生なのだ。大人の巧みな行為によって、罠に嵌められたも同然かもしれない。それが、「断る言葉をなくした」という意味だろう。凄く、正直な気持ちではないかと、私は思った。さらに、彼は続ける。「タクシー代、食事代はとてもこわいもの」それも、事実なのだ。賄賂や金品を受け取ることは、自分の自由や地位を結果的に売り渡すことにもなってしまうのだ。ただ以上に恐ろしい、買物といってもいい。少なくとも、プロに入るまえにここまで追い込まれた選手がいるのは、とても残念である。しかし、その中でも会見を開いき、事実を正直に語った一場選手は僕は立派だと思う。勿論、原稿は別の人が書いたのかもしれない。事実はもっと深く、暗いのかもしれない。にもかかわらず、実際一番被害を受けている彼が矢面に立っていることだけでも人間として立派だと思う。スジが通っている。だから、僕はすがすがしく感じたのだ。彼にはこれからもイバラがあるかもしれない。でも、僕はその右腕で打者をねじ伏せて欲しい。皮肉な言い方だけど、ファンが「こいつなら裏金払いたくなるなあ」と思わせるくらいの活躍を日本球界でして欲しい。きっと、それが彼の果たすべき最大の行為であり、ひいては、プロ野球を公平にするのに役立つと思うからだ。

2004年10月30日

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いのち

絶対にあかんなぁと思っていた。だって、三日以上も土砂に埋まってるんだから。土砂の中から優太君が生きて助けられた。帰りの電車だったから、涙をこらえるのに苦労した。夕刊紙の一面には「三人救出」と書いてあった。てっきり安心した。記事には貴子さんと真優ちゃんはまだ救出されていないとちゃんと書いてあったけれども。だから、帰宅してTVでニュースを観たときは不思議な気分だった。貴子さんが亡くなっていたからだ。アナウンサーの表情の作り方も、どことなく、戸惑いを感じさせた。人の生死は本当に不思議だと思う。日頃、良い行いをしているから、助かるとか、悪人だから死んでしまうとかそんなこともない。なぜなら、生死は善悪よりも前に、そこに形としてあるものだから。だからこそだろうか。僕は生き残った『いのち』に尊さを感じる。重さや凄さを感じる。奇跡と人はいう。その通りだ。様々な好条件がたまたま重なって優太君は助かった。そして、たまたま好条件が重ならなかった貴子さんは亡くなってしまった。人の生死は誰が決めるわけでもない。いつ終わるか分からないだ。もしかすると、『いのち』そのものがすでに、奇跡なのかもしれない。地震では大変な被害と犠牲が出ているので、軽々しくは言えない。でも、その死が当たり前の状況での奇跡を聞くと、体が震えそうになる。一つの助かった『いのち』が、私の『いのち』を励ましてくれているようである。最後になったが、この地震の犠牲になった方々のご冥福をお祈りする。

2004年10月27日

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仕事と学生の距離

同じ年の人と話した。彼は大学を卒業して正社員になったことがない。ずっとアルバイトをして一人で生計をたてている。やりたいことが彼にはある。無気力でもないし、夢もある。だけど、話すと感覚がズレる。いい悪いの話でない。単に違うのだ。私は言う。「嫌でも働くのは悪いことじゃない」彼の眉が寄る。すぐに消えるのだが、私は忘れられない。なぜなら、それは私が学生の頃、大人に向けた表情だからだ。良きにせよ、悪しきにせよ、私はここまできてしまったんだよな。とても、不思議な気分だ。

2004年10月18日

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ダイエーについて

ダイエーの再建が民間にゆだねられるらしい。でも、この問題は金融支援に話が行き過ぎていて、すごく抜本的なものが抜けている気がする。どうやって、お客さんに売るか、である。だって、ダイエーにいって欲しいと思えるものって少ない。いや、もっと厳しくいうと他だと買うものだとしても、ダイエーだと買う気分になるかが怪しい。こないだ、神戸にいった。ダイエーは安かったけど、ずばぬけてってほどではなかった。そして、店内は暗めだし、ディスプレイも雑然としていた。よし、買うぞって気分にならなかった。買うのだとしたら、食料品、特に品質が一定な乾物くらいだ。でも、食料品だけだったら今の規模は維持できないんだろうなぁ。むずかしいとこですね。※10月13日追記結局、再生機構になるのが決まったようですね。なにやら、紆余曲折してますね。ダイエーはやっぱり、売り上げ重視しすぎて、利益を軽視していたように感じます。利益は土地の値上がりの含み益で出すというやりかたも、問題が、いまとなってはあったのかもしれないですね。

2004年10月12日

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隼人ちゃんと一斗ちゃん、栃木の事件

栃木の男の子二人が行方不明になった事件で小林隼人ちゃんが遺体で発見された。冥福と、天国に召されたことをお祈りしたい。栃木県警のページでは同じ写真がまだ、掲載されている。その写真を見るととても愛らしい二人だ。だけど、行方不明者は一斗ちゃんのだけになっている。率直にいって、助かる可能性は低いと思われる。コンビニでパンを持ったままじっとしている話を聞いた。きっと、取っちゃいけないと思いつつ、でも、おなかがすいていてたまらなかったのだろう。さぞ、ひもじかったろう。さぞ、痛かっただろう。どうして、男に殺されないといけないのだろう。どうして、父親は父親の役目を果たさなかったのだろう。まだ、殺害の状況がよくわからないから、断言はできない。でも、子供は寝ると重くなるし、熱くなる。もし、下山容疑者が隼人ちゃんと一斗ちゃんを橋から投げ捨てたのだとしたら、そのぬくもりや、人間の重さを感じなかったのだろうか。感じなかったのだろう。腹立たしいし、残念だけれども。ラジオをつけていると、児童相談所を大声で責めていた人がいた。確かに、児童相談所にも非はあったのかもしれない。でも、実際に祖母の家に預けられているし、実の父親が警察沙汰にしたくないといっている。それ以上、彼らに何ができたというのだ。私はあまりにも頭にきたから、ラジオを消した。すぐに公の児童相談所に責任を擦り付けるのはあまりにも、無責任だ。それに、児童相談所の現場の職員の方も無念だったのではないだろうか。一番、守らなきゃいけないのは父親じゃないか。祖母宅からアパートに戻したのは父親じゃないか。そして、幼い子供を殺害したのは間違いなく、小林容疑者じゃないか。なぜ、それが分からないのだろうか。怒りの矛先が狂ってしまっている。こんな本末転倒なことがまかり通るならば、再びこのような事件が起きてしまう。そして、僕は残ってしまった、残された人々について考える。まず、下山明宏容疑者。親になるには幼すぎたんじゃないか。いや、人間になるには未熟すぎるんじゃないか。怒りと、人間への絶望が生まれる。父親の小林保徳さん。徐々に明らかになると思うが、彼は一体、何をしてたのだろう。どうして、こうなってしまったのだろう。警察沙汰にしたくなかったのは、なぜだろう。誰かになぜ、助けを求められなかったのだろう。子供を失ってしまったことには同情はある。彼も被害者である。それでも、正直、憤りと疑問を感じる。そして、一斗ちゃんと、隼人ちゃんのお兄ちゃん。別の場所で暮していたから、生きているようだ。この子は何を感じているのだろう。さらに、下山容疑者の子供達。彼らはこれからどうやって、生きていくのだろう。誰が引き取ってくれるのだろう。親のために、この子供達はひどい視線を浴びていくのだろう。自らの中にも罪悪感も生まれてしまうのかもしれない。この子供達も可愛そうだ。最後に、一時期、隼人ちゃんと一斗ちゃんを引き取った祖母。彼女は必要以上に自責の念に駆られているかもしれない。一緒に孫と過ごした日々が可愛いいほど、祖母にとっては辛い気持ちになるのだろう。もう一度、ご冥福をお祈りする。生まれ変われば、喜びも悲しさも体験できる人生を歩んでください。絶対に。※お父さんの小林保徳さんの会見をみて、ちょっと書き加えました。確かに、児童相談所も父親も殺すまでは思わないですよね。※9月16日ついにお兄ちゃんの一斗ちゃんの遺体も発見されました。予期していたとはいえ、実際、発見されると辛いですね。ガソリンスタンドでの執拗な暴行、下山容疑者の子供が起きた「ぎゃーっ」という泣き声、仲のよかった二人など、話が明らかになればなるほど、怒りと悲しみがこみ上げてきます。ご冥福をお祈りいたします。

2004年09月14日

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植草元キョージュの言葉と顔

以前にも書いた植草教授の話題。推定無罪の現段階であーだ、こーだ言うのは元・法学部のはしくれとして行動に疑問があるのは、私もわかる。でも、今日の会見の報道で私は書かずにはおれない。なんで、あんなややこしい言葉を使うんだ？あまりに難しいのではっきりとは憶えていないが、こんな感じ。「私の趣味は資本主義の許される許容範囲内でのことである」「資本主義とは自由と欲望が生み出される社会では当然のことで…」小ざかしい。第一、なんで、自分がエロビデオを持っていることに資本主義とかいう社会をくっつけなきゃならんのだ。この人は社会や、経済が何たるかを語る言葉を持っているが、自分や人間が何であるかの言葉がないんじゃないか？それに、売春宿なんて社会主義にもあったんだからさ…こういう賢さを持ってる人を見るといつも思うのだ。あなたは社会が正しいと思う生き方でしか、自分を規定できないのかって。資本主義というシステムが我々の生き方のある程度を決定してるにせよ、それが統べてではないはずだ。それに、もし、資本主義が云々かんぬんいうのなら、秋葉原で女子高生の制服を買って、吉原でソープ嬢に着せればいいのだ。過激ですんません。うーん、話がややこしくなってきた。つまり、こう。「難しい言葉は自己を正当化するだけに使われている。言葉がココロの表現になってない」ってこと。なんつーのかな。現実と自分が直接向き合う度胸がないから、「正しい言葉」なるものを現実と自分の中間にかませている感じ。言葉を緩衝材に使っている。そうじゃないはず。言葉は自分と現実の架け橋のはず。つまり、もっと気楽で私はこう生きたいんだって単純なパワーや主張のはず。なんだか、難しい言葉で自己規定するのを聞いていると、子供だなって、思う。つまり、親がこうしなさいといったことしか、出来ないんじゃないかなって。その親がやがて、現実の親ではなくて、本とか社会的な正しさになって、それにとらわれてるってこと。欲望を抑制する超自我が強すぎて、生きる力である自我を抑え込んでる。でも、自我はずっと抑えられないから、時々、とんでもない形でぶわっと溢れちゃう。本当に溢れたかは、推定無罪だから、意見保留。あー、今日の私も簡単な言葉にできないわぁ。ただ、ああいうものの言い方だったら、分析は巧みでも実効力はあるのかなって。なんか、頭ばっかり鍛えることがイイコトとしてきた、教育の限界のよーに思えてなりません。かつて、俳優の古谷一行さんがＡＶ女優と不倫スキャンダルをしましたよね。その時のマネージャーの言葉とは正反対でした。「イッコウも男ですから」ここまでくると、ミョーに格好いい。あと、植草教授の顔ね。疲れてるのもあるんだろうけど、目とか、死んでるよね。昨日、教育ＴＶで岡本太郎さんの顔を見たけど、いやあ、パワーがあったなぁ。そこまでは行かなくても、政治評論家の三宅氏が人を罵倒しているときの顔のほうが、魅力的ですね。やっぱ、感情もある現実と向かい合わないと人間、パワーは保てないのかもね。んじゃんじゃ。

2004年08月30日

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A級戦犯ってなんだ？

夏のニュースの風物詩ともいえる、靖国神社参拝の季節になってきました。かみぽこちゃんさんの5月26日の日記の感想と重なるけど、改めて書く。それは靖国神社の「Ａ級戦犯」のことだ。微妙な問題であることは承知している。だからこそ、私なりのアクチュアルな視点で書き残してみたい。私は戦争を賛美してるわけではない。むしろ、戦犯をタブーとして議論さえせずに靖国問題や、戦争問題を議論する、薄っぺらい正義のツラをした人の論調が気に入らないだけだ。さらに思うけど、どうして国家の愚策によって息絶えた人々を後悔の念をこめて国家が祀るのが軍事大国に繋がるのか、わからない。むしろ、息絶えた人を祭り、その反省の基で国家建設に励むことこそ、平和への道ではないだろうか。また、そうしないと、戦争の責任をスケープゴートしてしまうのだ。話が熱くなりすぎた。さて、ＴＶのニュースで「Ａ級戦犯を祭る靖国神社」と諸悪の根源のように語られるが「では、Ａ級戦犯とは何で、誰だったのか」はほぼ、語られない。そりゃそうだ。ＴＶ局の創設者がＡ級戦犯だったんだから。さて、Ａ級戦犯として人は起訴された人で28人、そのうち絞首刑が7名。さらに、起訴されずに裁判を免れた人がかなりいる。冷戦構造の激化で、そんな戦犯を裁く余裕がないとのことだ。その裁かれなかった人たちの中から数名の戦後を取り上げよう。岸信介氏　首相正力松太郎　衆議院議員、読売テレビ創始者笹川良一氏　政財界の黒幕、競艇のドン児玉誉士夫氏　政財界の黒幕、一説では保守合同の立役者実際に刑を執行された人の戦後もちょっとだけ見てみよう。もちろん、絞首刑の方には戦後なんてないのだけど。賀屋興宣氏(終身刑)　法務大臣重光葵氏(禁固７年)　副総理・外務大臣これがＡ級戦犯の実態である。この事実があまりにも報道されていないのにも違和感を感じる。絞首刑になった人は運が悪かったとしか言いようがない気もする。なんか、戦勝国の「まあ、一応、戦後処理の論功行賞やりましょうや」ってことに巻き込まれたような気がする。その後、冷戦が激化すると「そんなことやってる場合やおまへん。戦前のエスタブリッシュメントな階級を崩して、体制を変えたら、こりゃえらいことになりますで」ってな態度に変わったわけだ。（腹の底を描写するのに大阪弁は最適だなぁ）だが、ここにまた一つのエクスキューズがある。戦前と戦後のエスタブリッシュ階層、支配階層が全然別物だったら日本は幸せだったのかどうかということだ。本当に「えらいこと」になっていた可能性もあるのだ。分断国家になっていたかもしれない。まとめるなら、戦勝国の腹積もりで決定したＡ級戦犯ほどいい加減なものは無いってことだ。特に歴史の大きな流れでからは、そうだ。また、いい加減でなかったとしても、現在のこの国はそのＡ級戦犯によって作り上げられた、エスタブリッシュされたものなのだ。Ａ級戦犯を批判する人も、順序も逆だ。靖国神社をおかしいと論戦を張る前に、Ａ級戦犯が首相になったこの国の戦前と戦後をつなぐ鎖の問題点を洗いざらいぶちまけるべきだ。それがよーしゃんと、靖国と首相の参拝だけ攻めるのはお門違いもイイトコだ。さてさて。大分前に、ボーっとＴＶを見ていたら、イタリアでムッソリーニさんの娘さんが議員になって、その党も勢力を拡大していると報道があった。コメンテーターが「不況の中でヨーロッパではファシズムが新たに台頭してきて不安だ」ってなことを述べていた。断言しよう。ドアホだ。コメンテーターの資格はない。その程度でファシズム回帰なら、日本なんかずっと戦前的ファシズム体制が続いているからだ。まず、岸信介氏が首相になってるし、おばさんに人気の安部晋三氏はその孫だし、首相候補の平沼赳夫氏は終身刑の平沼騏一郎氏の養子である。清廉潔白といわれた細川元首相だって戦犯で刑が確定した近衛文麿氏の孫じゃねーか。日本はイタリアのことを言えるほど、立派に戦後処理をした国ではないのだ。そもそも、立派な戦後処理とはなんであるかは、非常に難しい問題だけども、まあ、置いといて。イタリアがムッソリーニの娘さんの議員当選だけでファシズムに逆戻りなら、日本はとっくにファシズムである。いかん、話がそれてきた。まとめてみましょう。１、Ａ級戦犯はいい加減なものである。２、Ａ級戦犯が戦後法務大臣になったり、首相になったりした後で、Ａ級戦犯を国家が祀ることの正統性を否定するのはナンセンスだ。３、戦前の愚策を反省するのであれば、戦没者はもっと尊く扱われるべきだ。との、大体、３点ですね。以上、過激系日記でした。ただねぇ。うーん。こんなに大切なことが議論もましてや報道もされない。個人のwebでグチグチいわなきゃいかんのってヘンですよね。この国で正義を語る人の正義の薄さと、歴史への不誠実さ思わざる得ないです。なんだか、どこまでいっても、すっきりしませんねぇ～。このすっきりしなさこそ、問題の根深さを物語っているようです。

2004年08月11日

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平清盛、ゴルバチョフ、そして小泉純一郎首相

平清盛は最初の武家政権であり、最後の公家政権だ。平家は政治支配のスキーム（枠組み）は太政大臣を頂点とする貴族政治であり、血縁で結びついた摂関政治そのものであった。一方、内実であるマテリアルは武家の政権だった。大きな歴史の流れでみると武家政権への架け橋に過ぎない。ゴルバチョフ氏もそうだった。社会主義共産党のスキームで権力を握り、資本主義へとマテリアルの変化を推し進めた。結果、ソビエトという国家スキームを壊し、自らも権力から落ちた。つまり、平家もゴルバチョフ氏ーも権力者であるがために、権力基盤をも破壊してしまったのだ。時代の節目、スキームとマテリアルでねじれが生じるとき、そういった指導者が生まれる。私は小泉純一郎首相が歴史のひずみを表しているように、感じる。小泉首相は「自民党をぶっ潰す」と華々しく登場した。潰せてないじゃないかという人もいるだろう。間違いなく、旧・田中派が権力を握っていた自民党というスキームは破壊された。日本歯科医師連合会の汚職事件にもそれは現れる。告発が噂されているのは、領袖もである橋本氏を含んだ橋本派だけではないか。以前なら考えられない。汚職事件では、野党と自民党ともに痛みわけ、もしくは、重要でない閣僚経験者を派閥、バランスよく告訴して捜査終了というのが関の山だったではないか。むろん、日本歯科医師連合会は橋本派が丸抱えしてたのかもしれないが、門外漢である私はそこまで知る由はない。意図的か、そうでないかに関わらず、この国のエスタブリッシュメントはバランスの上に存在していたのだ。いまや、バランスは崩れている。いわば、自民党は小泉首相の思い通りになっている。でも、そのバランスを「ぶっこわす」ことが小泉首相の地盤そのものを弱体化していないか。もし、そうだとするなら、20年後には小泉首相は自民党の最後の光芒として語られているかもしれない最後にもう一つたとえ話をしよう。コンゴー民主共和国で独裁者であったモブツ氏の話だ。彼は独裁政治を築いた後、軍部のクーデターを危惧していた。己も軍部に追い出されるのではないか、と。そして、一つ、妙案を思いつき、実行する。軍を弱くしたのだ。だけど、彼は1997年にクーデターで失脚する。原因は幾つもあるだろう。ただ、個人の近衛兵ばかりを増強し、国家としての政府軍があまりにも弱すぎたことも大きな原因だといわれている。これは笑い話ではない。起こりうる話なのだ。※もし、モブツ氏に興味をもたれたら、お気に入りにも追加したモブツ･セセ・せコ物語を読んでください。読み応え充分です。

2004年07月28日

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「野中広務　差別と権力」

久し振りに電車で私は寝なかった。本を食い入るように読んでいたからだ。その本は「野中広務差別と権力」魚住昭著作講談社刊である。この本には、華やかな国際政治も、単なる立身出世の一代記でもない。表と裏が混ざり合い、一体化してきたドメスッテイックな日本土着戦後史とその狭間を調整して権力を上った男の記録、だ。いや、そもそも、表と裏を分けるのが間違えているのだろう。なぜなら、人間には光もあれば影もある。当然、人間が動かす政治にも表もあれば、裏もある。そして、野中広務という政治家ははどちらも引き受けてきた。時にはタブーでさえも呑み込んでいる。同時に人間・野中広務の中には弱者への暖かいまなざしと、強者への対抗心がある。さらに、彼はそのどちらの視点からでも、集団を揺り動かす力を持っていた。きわめて幅の広い男といえよう。言葉だけの正義などは、時に何も動かさない。政治が現実的である以上、動かしてナンボの側面だってあるのだ。昨今、議員の多くは二世議員であり、清潔なフリをして活躍している。彼らが清潔なフリができるのは、先代が傷を負いながら地盤をしっかりしてきたからだ。私達はそれを忘れてはいけない。世襲などによって固定化された日本の政治では叩き上げの政治家はもう生まれないのだろうか。もし、そうであるとすれば、野中広務は最後の戦後史の政治家ともいえよう。いささか、個人的な感想が長くなってしまった。「野中広務差別と権力」でもっとも、私が興味を引かれたのが、かつては片腕だった野中氏が蜷川府政と対立する場面だ。この本は公平である。蜷川府政を革新の希望として描くのではなく、現実的な利権分配を行っていたことも書きつつ、野中氏の強引な手法にも触れている。同時にこの本はある種の人間ドラマである。野中氏と蜷川氏が敵対してもなお、人間として敬意を抱いていたように書かれている。敵対する表向きの態度と、共感する裏に流れる感情が野中氏の中でせめぎあっている。国政に出ても野中氏は権力を上るときには必ず、この相反するものを抱えてしまっている。「野中広務差別と権力」は政治ルポタージュに徹することで、戦後の権力者の悲しみや、宿命さえも浮かび上がらせる。つまり、一人の人間を通した戦後政治史であると同時に、政治と差別に翻弄される一人の人間の生き様を表した評伝でもある。どちらとしても一級の書物だ。私は胸を張ってこの本を推す。「世界」と「人間」、どちらも学べる最良の教科書だ。

2004年07月17日

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スーフリ、レイプの傷

準強姦罪に問われているスーパーフリーの通称「和田さん」に懲役15年が検察から求刑された。これは検察がその刑を求めただけであって、最終的に裁判官がどの程度の刑を科すのかはまだ、分からない。この求刑を軽いと見るか、重いと見るかはそれぞれだろう。でも、私は言いたい。女性が負うこととなった傷は、和田さんへの刑罰だけで消えるものではないことを。そして、世間はイマイチこの傷について分かっていない。私はそれが歯がゆくて、腹立たしい。ある、友人の話をしよう。友人はある美しい女性とラブホテルにいた。３～４回目くらいの二人っきりだった。カラダだけではなくって、彼と彼女は特別な感情を共有してたんだろう。「キモチいいとかじゃない。そんな顔じゃないもん」彼女はレイプさた体験を彼にひとしきり話していた。涙が落ちていた。「あれえ、わたし泣いてる」友人は彼女に共感し、同情し、怒りさえ覚えた。そして、彼は彼女を優しく抱きしめた。「やめて！」彼女は跳ね除けるように掌で彼の肩を押した。「なんで、男の人ってそうするの。腕力にたよるの？」彼女の涙が止まらなかった。「こわいねん」彼はあっけに取られた。やさしく、彼女を慰めようとしただけなのに。でも、同時に、彼にだって性欲はある。つまり、男である以上、犯罪を犯す可能性がある方に立っている。それが彼のジレンマだった。何度かSEXした間柄でさえ、女性に記憶がよみがえれば、彼女の心の傷もまた、よみがえってしまう。つまり、そのくらいレイプは心に強い傷を負わせる卑劣な犯行なのだ。最大の問題は身体の傷でも、世間体でもない。被害者の心だ。女性によっては人生観と、人生さえ変わってしまう。なにしろ、自分を大切だと思えなくなってしまうのだから。つまり、レイプとは人生を破壊してしまう犯罪なのだ。報道にせよ、識者にせよ、そこのとこを分かってコメントしているのだろうかって、私は思う。まあ、加害者のアホは一生わからないだろうけど。さて、結局、その彼と彼女は何もせずに朝を迎えたとのことである。朝の彼女の笑顔がすこし、ナチュラルだったのだけが彼の小さな救いだった。さて、それに、読者のアナタだってレイプの被害者に日常的に会っているかもしれない。でも、その体験を進んで話す女性は、ほとんどいない。つまり、普通は被害者は話すことさえできないのだ。話して、涙が落とせる誰かに出会えた彼女は、それでも被害の1000分の1くらいの幸福でしかないのだろう。興味本位に取り上げるのも、時にはいいだろう。だけど、男が女性にしてしまう、凶行であることをまず、認識しないといけないだろう。また、興味で取り上げたとしても、最後はその結論に至って欲しいものである。

2004年07月12日

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北朝鮮問題は国内問題

僕は韓国や北朝鮮とのやり取りの問題がすっきりとしないのは、外交問題じゃないからだ。断言しよう。国内問題だ。「日本国に外交はない」だの「北朝鮮外交では外務省は腰抜けだ」とか断言してる人の観点は片手落ちだ。日本と朝鮮半島の深いかかわりあいを覗けば現実的解決がいかに難しいかがわかるはずだ。ブラックジョークがある。プロレスの力道山さんと柔道の木村政彦さんが喧嘩をして、空手の大山倍達さんがこう一喝した。「お前らには大和魂がないのか！」しかし、誰一人として、本土出身の日本国籍の方はいなかったというジョークだ。おちょくってるように見えるけど、その実、あたたかさを僕は感じる。なぜなら、三名をヒーローとした上でのジョークだからだ。それが誰かがヒーローだった日本戦後史の確実なる一部だ。つまり、いわゆる在日の方たちは実は、日本戦後復興の、特に芸能史において重要な役割を果たしていたのだ。ボクシングの徳山さんのプロフィールを注意深く読んでみよう。「初めて、朝鮮籍であることを明かした世界王者」つまり、以前には公表していない世界王者がおられたということです。もっと、我々日本人は感謝すべき点もある。そのくらい深く、深く、私達は関わりあっているのだ。こうもいえる。「日本人は差別した人に日本のココロで鼓舞されている」のだ。たとえはすっごーく悪いけど、日本人は風俗嬢を軽蔑しながら、風俗がないと生きていけなくって週に一回は通っている、おっさんみたいなもんだ。…こういうおっさんって風俗嬢に偉そうに説教しますよね……通ってるのは自分なのに…だが、一方で差別をアンタッチャブル化して、聖域にし、現世的利益を得た人だっているだろう。それは全面的には了承すべきではない。そうだ。いい面もあれば、悪い面だってある。その絡まりあいこそが朝鮮半島と日本との問題の語られないからこそ重要な、核だ。皆さんはご存知だろうか。拉致被害者の帰国が約束される寸前、日本の警察が始めて朝鮮総連に家宅捜索が入ったのを。容疑は朝銀の不正融資疑惑だった。これは私の推測にすぎないのだけど、この国内の金融事件と平壌会談との間にはタイミングには意図を感じてしまう。つまり、北朝鮮や韓国、と日本の問題は国内のあらゆる勢力もが関わる蜘蛛の巣的な問題なのではなかろうか。朝銀の融資や、拉致事件で総連は関与が疑われているのも事実である。一方、その税金が逃れやすい構造を利用し、彼らを黙認するかわりにトンネルに使い、援助のバックマージンや脱税口座などを奇妙に利用した、日本人の勢力だってあるのではないだろうか。私はそういう懸念を持っている。それは、保守勢力だけに限らないだろう。ある革新系の政党が拉致事件をドラマ化したＴＶ局を訴えた。「我々がドラマの主人公を除名したのは拉致事件をかぎまわったからではなく、品行が粗悪だったからである。ドラマは事実無根で、名誉毀損にあたる」と。これを聞いて、僕は愕然とした。政権政党だけが「臭いものに蓋」をしてるわけではない。原因となる勢力が様々な場所や主張にあり、互いに利用しあっていたのだ。解決には一つ、一つ、からめ取り、時には歴史がほどいてくれるのを待つしかない。残念ながら、拉致には糸が解けるのに20年以上もかかってしまった。それも、一つの日本戦後史なのだ。我らは隣人である故に清濁併せ呑んだ関係でもある。もし、遠くに住んでいる人であれば関係さえも起こらない。そういった、国内の北朝鮮を考えずに問題を議論するのは机上の空論だ。そして、今の日本の世論は空を飛びすぎている。一方で、僕はこうも思う。我々は多くの歴史を抱えた隣人であるのだ、と。その歴史がすべてではないが、公平に徐々に明らかになってきている。良きにせよ、悪しきにせよ。百年単位で見れば、これはよいきざしではないか、との希望を私は託したいと願う。※在日問題については、名著コリアン世界の旅野村進著講談社α文庫、日本戦後史のある側面については沈黙のファイル共同通信社著新潮文庫があります。是非、ご一読を。

2004年07月09日

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番狂わせか、転換点か

ギリシャが優勝した欧州選手権は番狂わせといってもいい。だけど、ちょっと考えて欲しい。大番狂わせではなくて、もしかすると歴史の転換点かもってこと。いや、歴史の転換点を我々が認識したかもしれないということ。例えば1996年のユーロ。ポルトガル対チェコの評価を僕は覚えている。すなわち、大会最も優れたチームであったポルトガルに対し弱小チェコはワンチャンスをものにした。そして、焦りからポルトガルは自滅した、これが大方の見方だった。でも、その後のチェコの選手の活躍を見れば、この感想は的外れであったかもしれない。チェコは強かったのだ。さらに、カントナを擁しながら、アメリカワールドカップにいけなかったフランス。あの時は、ロスタイムで運がなかったという言われ方だった。でも、このとき、フランスを破ったチームを覚えているか？アメリカワールドカップ　ベスト４のブルガリアだ。ストイチコフ、バラコフ、レチコフ…うん、いいチームだ。つまり、フランスは別に不運でもなんでもなく、パパンやカントナを擁しても勝つのが難しいくらいの相手だったのだ。そして、これはルーマニアとあいまって、旧・東欧の国がサッカー界に名乗りを挙げる転換点だった。別にサッカーに限ったことではない。例えば、社会党が議席を伸ばし、参議院で過半数を割ったことがあった。多くの人が単なる、一過性のものだと思った。でも、故・早坂茂三氏はゆっくりといった。「僕にはね、政権交代の足音が一歩、一歩、聞こえるよ」聞こえる人にしか、聞こえないのだろう。私は冗談だとしか思えなかった。さて、今回のギリシャ。番狂わせが続いただけだったのか、転換点だったのか。これから、その証明が始まる。ちなみに、凡人田中およよNo2はどちらか、わからないですぅ(ToT)あしからず。

2004年07月07日

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コンクリートの33歳

ずっしりくるニュースだった。88年の女子高生コンクリ詰め殺人事件の犯人であった少年が新たな別の監禁事件で逮捕された。今や彼は33歳であり、一部報道では実名も公開されている。驚いたけど、彼は私より年上だったのだ。私の中では彼は永遠に未成年であり、17歳である。1988年というと、私はまだ正確な婦女暴行の意味さえ分からない12歳だった。被害者の人生が無残にもコンクリートの中で終わらざるえなかったのと同じように、我々の加害者への記憶も止まってしまったかのようである。だけども、少年はいつまでも少年ではないのだ。この事件には名著かげろうの家横川和夫／保坂渉著共同通信社刊がある。基本的に少年達へのルポタージュだから彼らを犯行に駆り立てた原因を中心に書かれている。それでも、犯罪の詳細を公開できる範囲で書かれていて、その部分には怒りを過ぎて、人間への絶望を感じるほどだ。もし、人間に尊厳があり、それを損なうことが罪であるとするのなら、彼らに悔恨の余地はない。少年法の矯正との思想のもと、彼らは罰なく社会に出てきた。裁かれず、家庭裁判所で矯正の方法だけを審議されたのだ。主犯格の少年は逆送され、法廷で刑を受けたようだが。残りの人生がある少年の矯正という考え方自体は悪いとは思わない。だけども、物事には限界があり、だから、法律には例外があってしかるべきだ。どうして、逆送に年齢規定があるのか。逆に犯罪の重さによる規定が曖昧で、お粗末で、しかも逆送されない年齢があるのか。凶悪事件は年齢に関わらず、検察の調査と法廷の裁きが必要なはずだ、と私は思う。今回の事件で彼は「ちょっと、やりすぎた」と供述しているとのこと。報道の言葉を鵜呑みにすれば、彼の基準ではどこまでが「ちょっと」なのか疑ってしまう。仮に、たいしたことがなくても罪を犯せばどうなるかは知っていたはずだ。きっと、彼には己の犯した罪の重さを受け止められず、立場を充分に認識できていないのだろう。それが矯正されたはずの人間なのだろうか。失われた被害者の人生を考える。被害者になってしまった彼女のだって、腕には赤子と旦那がいてもよかった年齢になっている。だが、これは二度と戻らない。誰が悔恨し、例えば巨万の富を寄付しても戻らない。戻らないものを抱えて、残ってしまった被害者の両親は今も生きておられるに違いないのだ。一方で、一応の職業を持ち、生計を立てて、加害者も生き続けなければならない。彼以外の三名も、だ。町で誰がに後ろ指を差されるかもしれない。むしろ、一生、牢獄にいたほうが楽なのかもしれない。我々にとってもそうなのかもしれないけど。人間はかならず更正できるとする清い主張をする人もいる。それは間違っていないとしよう。それでも、その証明には彼らの一生が必要だろう。一生とは少年のときに矯正の必要のない人々でも罪を犯すくらい、長い時間だ。それに、いったいどうなればマトモな人間に矯正できたとわかるのだ。そして、それは誰が決めるのだ。社会で生かし続けるのであったとしても、具体的にだれが引き受けるのだろうか。そんな引き受けるほど、立派な人間はいるのだろうか。更正を信じなさいという人は、一生を追って加害者を現実に受け止める覚悟があるのだろうか。社会全体で受け止めようっていう人もいるかもしれない。でも、社会全体なんて言葉は「カミサマ」くらい曖昧だ。曖昧さに具体的な人間を任せたって、言葉遊びだ。なにしろ、失われた人々は取り戻すことはできない。加害者の心の闇を取り除くことができないように。現在、少年・少女の凶悪事件がさかんに報道されている。彼ら・彼女らもいつかは大きくなる。そして、どこで生きていくというのだ。今後、こういう事は増えるのかもしれない。我々、いや、私はどうするべきなのだろうか。答えのない問題である。いずれにせよ、17歳だった33歳は再び、犯罪に戻ってきた。戻りたかったのかと思わせるくらいにだ。象徴的であり、ずっしり、後味の悪い事件だ。

2004年07月04日

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「人生は遊びでっせ」

出来の悪い私なので、先生と呼べる人はいっぱいいる。その内の一人と飲んでいた。先生は同窓会で同年代の人が深刻な顔をしていて思ったらしい。「人生は遊びでっせ」とより、強く思われたらしい。先に断っておくけど、この先生は仕事は凄くできる。ある企業の重役が確実視されていたが、生き方の流儀なのだろうか、早めに会社を辞めている。ただ、今でも多くの人に求められ、個人としての仕事は絶えない。だから、この「遊び」というのは、スノボやナンパを懸命しろとか、浪費を尽くせとかいうことではない。ちょっとは、含まれてるかもしれないけれども。多分、あらゆる出来事を真剣に楽しみなさいってことなんだろう。その先生は20歳で自分の体が弱いことを思い知ったらしい。でも、世の中をきっちり、甲斐性を身につけながら生きないといけない。そして、思いついたそうだ。「いちいち、深刻に考えずに、人生を遊びと思っていこう」と。それから、先生は「好き勝手やってきた」そうだ。話を聞くと好き勝手やったわりには、ものすごい活躍をしている。きっと、先生は遊びと思うことで、出来事を客観的に眺め、対処する事ができたのだろう。私より酒を飲むくらい、すごぶる健康である。困難にぶつかって、実は深刻になるのは実は簡単である。自己嫌悪ほど簡単な方法はないのだ。深刻になり、悩むことで変化せずにすむし、状況が困難であればあるほど、言い訳もできる。結果的に、アナタは傷つかない。一方、客観的に眺めるのは難しい。唯一の方法は遊びとして、人生の出来事を受け取れるかどうか。人の評価というものではなく、自分自身の遊びとして消化できるかどうか。私も人生を遊びとして受け取りたい。いくつか、感情的なものを拝して眺めないといけないなぁ。時々、できない自分に自己嫌悪はすることもあるだろうけど。一つ、一つ、やっていこう。

2004年06月27日

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「燃える平原」ファン･ルルフォ

このホームページも平均アクセス数も100を超えていて、当初のことを考えるとびっくりである。だけど、今日のアクセスはもしかすると、近日で最小になるかもしれない。だって、あまりメジャーとはいえない本だから。まあ、たまには個人的な趣味に走ってみよう(^o^)え、いつもそうだって？まぁまぁまぁ。マニアックといわれてもしかたあるまい。なにしろ、私が燃える平原を手に取った理由でさえも、「表紙が格好よかったから」である。当時は百年の孤独(焼酎ではない！)を読破し、大変面白かったので、南米文学の棚をぷらぷら歩いていたのだ。赤くて、訴えかけるような表紙だったから、手に取った。215ページの中に17編もの短編がある。どれも、短い。時間つぶしの、立ち読みのつもりで「おれたちのもらった土地」を読んだ。あ、なかなか面白い。次の短編「コマドレス坂」を読んだ。即決。買った。ちょっと、長くなるけど、「コマドレス坂」から引用してみましょう。「空になった籠をかかえて、コマドレス坂に帰ってきたときにゃ、もう月は樫林のうしろに隠れていた。籠をしまう前に、小川へ行って、なかの血を洗いながした。まだなん度もつかうつもりだったもんで、そのたんびにレミヒオの血をみたくなかったのさ」(28頁)ファン・ルルフォ(メキシコ 1918-1986)残されている小説は短編集燃える平原と中篇ペドロ・パラモのみ。それなのに、彼の名前のある文学賞があるくらいスペイン語の作家としては重視されている。世界的には、マイナーではないです、はい、きっと。と、いっても彼の小説は難しい言葉で書かれていな。話すような言葉で書かれている。出来事だって単純だ。飯がないとか、戦争だとか、人を殺してしまったとか、殺された人を埋葬したとか、淫蕩にふけったとか、その程度だ。しかし、ルルフォはありきたりの出来事を話すように語ることで、我々の豊穣なイメージを呼び起こす。人間の本質というか、そもそも持って生まれた狂気やパワーだけを書いているように、私は感じる。例えば、ニュースなんかで殺人者が語った人殺しの話には脚色があるだろう。当事者の殺人者にも意図があり、想像がある。ルルフォはその意図や想像を省く。再び「コマドレス坂」から引用してみましょう。「ヘソのところから針を抜いて、もうちょっと上んとこ、心臓のありそうなあたりに、針を刺しこんでやった。心臓はたしかにそこにあったみてえだ。やっこさん、首を刎ねられたニワトリみてえに、二、三度身をふるわせたきり、しずかになった」(27ページ)この文章にはハリウッド映画みたいなおびただしい血の流れもないし、二時間サスペンスドラマのような叫び声もない。にもかかわらず、リアルではないですか。つまり「痛く」ないですか？あなたはこの文章から思い起こした、イメージは「痛い」ものではありませんか。ルルフォの文体や小説の凄まじさはこれだ。言葉で読者のイメージをグリュグリュ刺激して、最後には五感に達せさせてしまう。言葉を無限にしようとしてない。我々の無限の想像力を呼び起こそうとしているのだ。下手に感情を描写して、我々の心を揺さぶっているのではない。淡々とした語りが、我々に暴力、激情、生と死といった感覚を追体験させるのだ。こ一説にはルルフォの小説にはメキシコ革命が影響しているともいう。つまり、小説はミニマムな話でありながら、全体として指し示されているものはメキシコ革命であるという。話はそれるが、南米文学のキーワードのマジックレアリズムとはこういうことではなかろうか。ものがたりを書くことで、指し示しているのは現実であると。ものがたりが荒唐無稽だったり、ストイックであっても、ともに豊かで複雑怪奇な現実を写しとっていると。ここらへんの解釈は専門家にお任せしたい。なにしろ、私はスペイン語、まったく読めませんので。(￣０￣;)いずれにしても、燃える平原は20世紀の短編の中でも傑作中の傑作であると思う。楽しい気晴らしにはならないかもしれないけど、人生に一度、こういう小説と真摯に向かい合うのもいいはずだ。※燃える平原ファン・ルルフォ著杉山晃訳　書肆風の薔薇／水声社刊 (なお、ルルフォのページはこちらです)※海外文学に興味をもたれた方はお気に入りにもあるすみ＆にえ「ほんやく本のススメ」をオススメします。様々な作家が網羅されています。※リンクさせていただいた皆様。もし、万が一このページを見られて、不都合があれば掲示板、メッセージに連絡いただければ、幸いです。すぐに対応します。よろしくお願いします

2004年06月13日

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我ら、ニホンジン

関西の電車の中だと、東京の人の言葉って凄く目立つ。満員の影に隠れて分からないけど、キンキンの大きい声の女性で、多分、外国の人と日本人の三人くらいで話しているようだった。間違いなく彼女は必死で英語を勉強したのだろう。それも、イギリス英語だ。ちょっと、悪いんだけど、私にはいい感じはしない。率直に言って、ムカツク。と、いうか東京弁にすでに、関西人は拒否反応があるのかもしれない。女性の発音には特徴があった。SやCの子音でやけに息を抜く感じの英語だ。「私は、本場の、イギリス英語を身につけたのよ」って感じが鼻につく。これは想像だけど、イギリスの人が聞いても滑稽ではなかろうか。外国の方が会話で「ちこうよれ」っていったら変でしょう？さらに、私がその女性にいやな感情を抱いたのは、その人の日本語のそれだ。「だから、おじさんはダメなのよ」この人はどのくらい仕事ができるんだろうか。と、長々とおじさんの悪口が続く。別に、色々あるから悪口はいいのだけど、周囲の状況も見て欲しい。客は疲れているおじさんが大半なのだ。英語ができたり、仕事ができるだけでおじさんを一束にして掃いて捨ててもいいものだろうか。最後にこういう人は言う。「だから、日本人はだめなのよ」う～ん、あなた日本人でしょう？しかも、こういう人は優秀な外国人と、普通の日本人を比較する。そりゃ、差があるよ。どうせなら、普通の外国人と普通の日本人を比べないといけない。ロンドンのシティの金融の人と尼崎のおっちゃんを比べたらあかんやろ。同じ日本人でも丸の内と尼崎は雰囲気が違うやでしょう。どうせなら、マンチェスターやリバプールのパブにいる人と尼崎の立ち飲みやのおっさんを比べないと。それに、尼崎のおっちゃんはデリバティブは判らないだろうけど、シティの人だって旋盤やマシニングセンターを動かす事はできないだろう。そして、私はふと、思う。きっと、この人は最終的に日本人である自分も嫌いなのだろう。あるいは、自分の嫌いな部分を日本人であることを原因にしているのかもしれない。そして、いつまでたっても生粋のネイティブになれない当たり前のことに苦しんでしまうのだ。本当は、自分の嫌いな部分は自分の一部として受け取るべきところなのに。きっと、彼女の人生は優秀以外は受け付けない、先細りするものになりはしないか。そんな風に考えると、つまようじを刺したくなるCやSの、意識過剰な子音の音の抜き方も悲しい。まあ、その人にしてみたら、私のような「日本人」が日本をダメにしているのかもしれないけれど。実際、仕事をすると英語を母国語としない人と英語で話す機会が増えてきてもいる。もっと、ナチュラルに日本人としての英語、言葉としての英語の視点が必要になってきているのではないだろうか。きっと、それにはまず、自分自身を肯定する態度が必要なんじゃないかなぁ。

2004年06月09日

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