綺麗と失敗
綺麗な景色だけが、綺麗なんじゃない。 カメラを持ち歩くようになって、僕はそんな風に思う。 たとえば鉄条網。 …実は、写したときは明らかに失敗したと思った。 ストロボが近すぎる。 鉄条網が真っ白だ。 でも、これはこれで、なにか、いいように思う。 鉄条網のとがりとか、怖さが逆に引き立っているように思う。 たとえば、ポルタの看板。 これも、失敗だと思った。 黒い部分が黒すぎる。 でも、画像を確認してみると、黒い部分は潰れてない。 ちょっと、現像すると、段差はある。 ほんと、キヤノン G-15は黒い部分に強い。 あるいは、マジックミラーと思われる壁で覆われた建物。 これも、失敗かなって。 ガラスのまわりの周囲のレンガ模様の壁まで写っている。 でも、これでよかったのかと思う。 レンガ模様がないと、通常の風景と区別がつかない。 むしろ、キュビズムのように建物が引き立っている。 そして、シャッターを押した瞬間、これらの写真については思っている。 「綺麗じゃない。失敗した」って。 でも、振り返るとなかなか面白いって、あくまで僕は思う。 つまり、成功だけが。実は成功ではないのだ。 写真に限ったことではないのだけれども。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・@日々の「なんだかなー」No2』まで