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2016.09.05
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カテゴリ:小説
ミステリーには、「イヤミス」という分野があって、
イヤミス作家の双璧は真梨幸子と湊かなえだと、
友人から聞いたのは2年くらい前のことです。
読んだあと、イヤ~な気持ちになるミステリーなのだそうです。

わたしはこの二人のどちらも、2,3冊しか読んだことがないし、
そこそこおもしろかったけど、そんなに大ファンというわけでもありません。
しかし、イヤな気持ちになるとわかっていながら読みたくなるっていう心理は
分かるような気がします。
怖いけどジェットコースターが大好き。
嫌いだけどお化け屋敷には入ってみたい。
テレビで心霊写真を見てその夜後悔するのは、毎年のことです。
ジェットコースターもお化け屋敷も絶対イヤだという人も、
悲しい映画を見て涙を流した後って、スッキリするんじゃありませんか。

さて、今回はイヤミスの女王二人の「サファイア」と
「6月31日の同窓会」を続けて読んでみました。
まず、「サファイア」の方は、どろどろのイヤミスを期待して読んだら
正直言って、がっかりすると思いますよ。
短編集の最後の2作は連作となっているんですが、
その2編がいちばんおもしろかったです。
というより、その2編以外はあまりおもしろくありません。
ミステリーとしても中途半端で、
一つ読み終えて早く次を読みたいという短編ならではの楽しさがありませんでした。

次に手に取った「6月31日の同窓会」の方は、読み始めて半ページほどで、
真梨幸子の勝ち~、勝負あった~という感じでした。
どろどろのストーリー以前に、文章に粘りがあって、ち密にしてなめらか。
文章が絡みついてくる感じがします。
真梨幸子に比べたら、湊かなえの文章はさらっとしてます。

ストーリももちろん。どろどろ度、半端ありません。
登場人物が多いときは、整理するために相関図を書きながら読む私ですが、
時間も前後し、一人称もころころ変わり、
それが誰かがずうっとわからない状態が続くので、
相関図を書くことすらできません。
結局相関図はあきらめ、どろどろの中に浸かりつつ最後までいっちゃいました。
もう、何が何だかわからなくなりつつも引っ張られていくのが、
この本の楽しみ方なんですね、きっと。

表紙も、ほらこの通り、真梨幸子の方がどろどろです。


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Last updated  2016.09.05 22:45:02
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