カテゴリ:小説
文庫本の裏表紙にあるあらすじを見て、この本を買いました。
かねがね、文庫本の裏表紙に書いてあることは宣伝文句なのであって、 鵜呑みにしてはいけないと、いつも思っていたのですが、 パニックものの好きなわたしは、おおいにそそられたわけです。 ところが、アマゾンの書評を見てみると、評価はすごく低い! なんだかボロクソに書いてあります。 それこそ、そのまんま鵜呑みにしてはいけないけど、 あそこまで書かれていると、なんだか読む気が失せてしまいそうでした。 が、読んでよかったですよ。おもしろかったです。 冒頭のガボンに住む研究者夫婦の話題から始まって、一転北海道の石油掘削基地へ。 こんなに大風呂敷広げちゃって、どうやって終結させるつもりだろう。 この大惨事に対する解決策が本当にあるのかと、 そればかり考えながら読みました。 とはいえ、不満がないわけでもありません。 ガボンで家族を亡くした富樫さんが、ガボンに渡った経緯についてもっと知りたいです。 また、ガボンから命からがら戻ってきてから現在までの経緯も。 それから、生物学者の弓削さんの描き方がちょっと・・・ 若くて美しいロングヘアの女性ってところからして、いかにもって感じでしょ。 この女性、大切な交渉の場面で超個人的なことを持ち出して感情的になったり、 机に伏して美しい肩をふるわせて泣いたり、まったくのステレオタイプ。 そもそも気鋭の学者でありながら、 自分の祖母のことを他人に話すとき「おばあちゃん」って呼ぶ。 肉親をお母さんだのおばあちゃんだのって呼ぶのは、今どきは普通のことかもしれないけど、 わたしとしてはものすごく違和感があるんですよね。 これだけで、まず知的な印象は持てませんでした。 それにしても、この作家はサラリーマンで、この小説が処女作だそうですよ。 たいへんな力量だと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.09.14 22:39:17
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