読書の部屋からこんにちは！

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• 8月に読んだ本　9冊

  上にもちょこっと書いているけれど、わたしは読書メーターの方にも本の感想をアップしています。こちらは、ほんとうに一言だけね。一言だけと決めているから、書きやすくて、ちょっとの時間にちょちょいと更新しています。読んでいただいた方はご存知でしょうけど、読書メーターではもちろん記事に対して書き込みもできるけど、書き込みしなくてもナイス！の☆マークをポチッとすることもできます。これはなかなかいいですよ。同感！とか、うまい！とか、わざわざ書き込みしなくてもちょっとした気持ちが☆マークひとつで表すことができるんですから。わたしもせっせとあっちでポチ、こっちでポチしています。いろいろな人の感想を読んでいくと、ときどきものすごい数の☆マークがずらっと並んでいるところがあって、たくさんの人と共感できたんだなあと感心します。（わたしはへそ曲がりなんで、そういうところにはポチしません）わたしのところにもポチしてくれる人がときどきあるので、とってもうれしいです。でも、私の場合は、多くても数人なんですけどね。多いからすごくうれしい、少ないからあまりうれしくない、ということは全然ないです。たった一つのポチでも、わたしはものすごーくうれしい。そして感動します。何百人もの人が同じ本を読んで、それぞれの感想を持つ。その中で、たった一人の見ず知らずの人が、私の感想に同意してくれて、ポチしてくれる。それって、すごい偶然のつながりですよね。しかも、お互いに好きな本を介しての、そのときだけの意気投合。だから本って、読んだ後もおもしろいのよね。これもインターネットがあればこそ。ほんとうに感謝しています。１．「真夏の方程式」　東野圭吾２．「英語が怖い殺人事件」　吉村達也３．「光媒の花」　道尾秀介４．「漁港の肉子ちゃん」　西加奈子５．「神様のすること」　平安寿子６．「通天閣」　西加奈子７．「悶絶スパイラル」　三浦しをん８．「東京難民」福沢徹三９．「本格小説」水村美苗

  2012.09.16

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• ぱぐらは夏休み中。7月に読んだ本は12冊でした。

  こんにちは。お久しぶりですね。私の年代ともなると、友だちのかなりの割合の人が、親の介護に携わっています。本当に頭が下がります。お年寄りってどんなに優しいいい人であっても、年とともに欠点が強調されてくるものらしく、それぞれに扱いにくいというのが共通の意見ですね。自分の親のみならず、夫の親まで抱え込んでテンテコマイしている人もいます。そうなると、私のようなわがまま者には絶対にできないわと、尊敬してしまいます。私の場合はどうかというと、夫の親は義姉のうちに引き取られていますし、実の両親は高齢ながら夫婦二人でなんとか暮らしているので、ほんとうに恵まれています。（今のところは、ですけど）この暑いさなかに親の介護をしている友達の話を聞くにつけ、用事といったら遊びの用事ばかりの私。なんだかうしろめたい・・・と言いつつ、今日ものんびり本を読んでます。１．「マスカレードホテル」　東野圭吾２．「かなたの子」　角田光代３．「田舎の紳士服店のモデルの妻」　宮下奈都４．「カッコウの卵は誰のもの」　東野圭吾５．「流星の絆」　東野圭吾６．「麒麟の翼」　東野圭吾７．「秘密のスィーツ」　林真理子８．「もっと塩味を！」　林真理子９．「母の遺産　新聞小説」　水村美苗10．「境遇」　湊かなえ11．「花嫁」　青山七恵12．「降霊会の夜」　浅田次郎この中でいちばんのおススメは、「母の遺産　新聞小説」でした。たいていの人間は、生まれるときはみんなに祝福されて、幸せになるように祈りを込めた名前をつけられる。それなのに、同じ人間が亡くなるときは、こんなに大変なんだ。人間ってなかなか簡単には死ねないものなんだって、胸が痛くなるくらい思い知らされます。親の介護を現在していらっしゃる方やその経験のある女性には、ぜひ読んで欲しいです。それに、私たち元気な中年も、そう遠くない将来介護される立場に立つわけですから、そういう意味でも読んで欲しいです。短い感想を、こちらの方にアップしています。もしよろしければ、読んでくださいね。

  2012.08.07

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• 6月に読んだ本　　12冊

  ここを訪れてくださる方、コメントを残してくださる方、いつもありがとうございます。コメントには、基本的に、心を込めて返事を書かせていただいています。しかし、どうやってお答えしていいか悩むようなコメントも、とても少ないけれどあります。昨日いただいたコメントは、その最たるものでした。お答えしたいのですが、何を言ったらいいのかわからない。どういう意図で書き込んでくださったのかも、わかりませんねえ。私のつたないブログで、何かご迷惑をおかけしましたっけ。「おっしゃるとおりですが、何か？」というのが、正直なところです。今から感想を書こうと思っていた本が2，3冊、読みかけの本もあるし、待機している本もまだ何冊かあります。が、今月は既に読んだ12冊を紹介させていただいて、これでおしまいとさせていただきます。昨日のコメントを気にするわけじゃありませんが、ちょっと離れたくなってしまいました。思うところはいろいろありますけれど、しばらく休みます。いつも読んでくださってた皆さん、ありがとう。１．「猫と女たち」　群ようこ２．「峠うどん　上下」　重松清３．「日本語をきたえることば遊び3」　金田一秀穂４．「我等同じ船に乗り」　桐野夏生５．「眺望絶佳」　中島京子６．「漫画　旧約聖書1,2,3」　里中真智子７．「スターバトマーテル」　篠田節子８．「中国語の学び方」　相原茂９．「夜行観覧車」　湊かなえ10．「日本語」　金田一春彦

  2012.06.21

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  「我等、同じ船に乗り」　桐野夏生

  桐野夏生さんの好きな小説を集めたというアンソロジーです。読んでみて、疲れた～～～というのが正直な感想。とにかく、重い暗い濃い、そして妖しい。一旦足を入れたら、簡単には抜け出せません。小説一つ一つの持つ狂気が、私を離してくれません。離してくれないけど、私の方もそう簡単には離れたくない。強力な磁石に吸い寄せられて、離れたいけど、快感もある。全てを忘れて、その快感に身を委ねていたい・・・そんな感じの不思議な読み心地です。この本に収録されていなかったら、きっと一生読まなかっただろうと思うものも。また、江戸川乱歩の「芋虫」は、実は中学生の頃に初めて読んで、その頃も不思議な魅力に参っていました。40年近い歳月を経て、今回もまた魅了されたのですから、この小説はすごいです。とても桐野夏生っぽい選択で、ものすごく楽しい読書だったけど、あまりにも疲れすぎました。次は明るく軽いものを読んで、ちょっとリハビリしたいです。【送料無料】我等、同じ船に乗り

  2012.06.10

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• トイレットペーパーのお話と　5月に読んだ本　12冊

  ときどき自宅じゃない街やお店のトイレに入ると、トイレットペーパーの先っちょが三角に折りたたんであることがありますね。たぶん男性の方は経験ないでしょうけど、女性なら、誰でもそういうのに遭遇したことがあるんじゃないかな？「私も三角にたたんでます。」っていう人も多いんじゃないかな？はっきり言いますが、私はあれが嫌いです。三角に折ってあるトイレットペーパーに遭遇したら、そこだけちぎって捨てています。私は、私が使うトイレットペーパーを他人に触られたくありません。でも、トイレから１歩出たらそんなことはすぐに忘れてしまうので、友達に聞いたこともありません。なのでここでお聞きしますが、他のみなさんは、あの三角をどう思っているんでしょう。平気でそのまま使いますか？そもそも、三角に折る人は、どういうつもりでわざわざそんなことをしているんでしょう。親切心？別に三角だろうと切りっぱなしだろうと、使う人にとって何の違いもないと思うんですが。ホテルのお部屋のトイレがそうなっているから、それがエチケットだと思ってる？ホテルのお部屋のトイレのが三角になっていても、それは全然気にならないんです。だって、浴室中ぴかぴかに掃除してくれて、いかにも前の人の使いさしって感じがしないようにちぎった後を隠してくれているのだと思うから。でも、街やお店のトイレは、使った人が手も洗わないで（！）三角に折る。それを私が使うなんて・・・そこんとこが、私は耐えられない。私は決して潔癖すぎるタイプじゃないんですけど・・・他の女性の皆さん、どう思っていらっしゃるのか知りたいです。そして、５月に読んだ本です。おもしろい本にたくさんめぐり会えた、大当たりの月でした。満足満足。１．「下町ロケット」　池井戸潤２．「探偵ガリレオ」　東野圭吾３．「予知夢」　東野圭吾４．「空飛ぶタイヤ」　池井戸潤５．「聖女の救済」　東野圭吾６．「ポリティコン」　桐野夏生７．「紙の月」　角田光代　　　　角田光代さんが書くと、若い男に溺れることも他人の預金横領も、　　　　人間として普通の生き方みたいな感覚に陥って、怖かったです。８．「口紅のとき」　角田光代９．「東京観光」　中島京子　　　　読み始めて、あら？川上弘美さん？と思ってしまいました。　　　　でも途中からはちゃんと中島京子さん。　　　　この人の文体はいつも上品な中にさりげないユーモア。大好きです。10．「銀婚式」　篠田節子11．「幸せになる百通りの方法」　荻原浩12．「眉山」　さだまさし　　　　　　　　さだまさしさんの小説は、前に読んだのもとてもよかった。　　　　　　この本も力作でしたが、あまりに美しくまとまりすぎて・・・　　　　　　善人しか出てこない小説はつまらないです。

  2012.06.05

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  「幸せになる百通りの方法」　荻原浩

  仕事も恋も、うまくいかない現代人たち。それでも、自分をだましだまし小さな幸せを求めて必死で生きていく。都会の寂しい現代人たちを、荻原浩さんがユーモラスに描いた短編集です。どれもオチが効いていておもしろいけど、最初の2,3編はドタバタ感があって今ひとつの調子。中盤からは荻原さんらしさが出て、とてもおもしろかったです。なかでも、「ベンチマン」がいちばん良かった。リストラされて妻に打ち明けられず、公園のベンチに通うようになってしまったサラリーマン。彼に親友ができた。その名も「ベンチマン」。ところがその親友は・・・・中年なら誰でも考えさせられる結末と、最後の妻の一言が効いていて、最高に優しい読後心地でした。【送料無料】幸せになる百通りの方法

  2012.05.29

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• ガリレオシリーズと　「聖女の救済」　東野圭吾

  「容疑者Xの献身」を読んであまりおもしろかったので、それからガリレオシリーズを続けて読んでみました。もう皆さん、よーくご存知だとは思いますが、ガリレオシリーズとは天才物理学者湯川学が難事件を解決していく小説です。「探偵ガリレオ」「予知夢」「容疑者Xの献身」「ガリレオの苦悩」「聖女の救済」「真夏の方程式」が既刊。わたしは最近このうちの5冊を読んで、最後の「真夏の方程式」が現在図書館の予約待ちです。まず驚いたことは、このシリーズのうち、「探偵ガリレオ」「予知夢」「ガリレオの苦悩」の3冊は短編集なんですね。なんとなく、全部ずっしりとした長編のような気がしていました。そして、東野圭吾さんって長編と短編の雰囲気が全然違うんだなあってことにも驚きました。雰囲気が違うと、ガリレオの性格までちょっと違うような気がしました。とはいえ、長編も短編もどれもおもしろい。短編は、この短い物語の中によくこれだけの事件と背景とガリレオの活躍を盛り込めたものと、感心しながら読みました。しかし、シリーズの中で一番おもしろいのは、もちろん「容疑者Xの献身」です。映画化されたのもわかります。天才数学者の冷酷で計算し尽くされた犯罪隠し。しかしその心中にはせつない恋心が・・・という設定だけで、ひかれますよね。映画の方は、福山雅治のガリレオよりも犯罪者の堤真一のほうが主役の扱いで、これまたいい映画でした。そしてもう一つの長編「聖女の救済」もまた、おもしろかったです。「ガリレオの苦悩」から新たに登場した女性刑事、内海薫とガリレオとのやりとりが、どうしても映画の福山雅治と柴崎コウのイメージになって目に浮かんでしまうんですが、それもなかなかおもしろかった。主役が「聖女」ですから、女性刑事の目のつけどころがツボにはまっている点もよかったです。ネタバレするのでこれ以上は言えませんが、トリックも推理ものとしてはとても珍しいと思います。とはいえ、やっぱり「容疑者Xの献身」がダントツのおもしろさ。未読の「真夏の方程式」が、とても楽しみです。

  2012.05.22

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• 「容疑者Ｘの献身」　DVD

  先日、原作を読んだので、DVDを借りて見ました。本の感想はこちらを見ていただくとして・・・この映画には、天才物理学者と天才数学者が出てきます。物理学者の方は、ごぞんじ、福山雅治です。この人、文句なくカッコイイですねえ。よく見ると、ほっぺのあたりに年齢が出たなあなんて思いましたが、クールで知的でかっこいいことに変わりありません。そして、天才数学者は、堤真一です。この人もかっこいいなあ。泥臭くてさえない高校教師で、全然かっこよくない役なのに、この人がやるとかっこいいんですよ。わたしはこっちの方が好きだわ～そして、原作になかった内海薫という女性刑事が出てきます。映画というのは、やっぱりきれいな女性で目を楽しませる必要があるんでしょうね、原作にはなかった新しい女性の役ができていたり、男性のはずが女性になってたりっていうことが、よくありますね。この映画では、柴崎コウが感情を交えない演技をしていて、なかなかいい感じでした。（そして、この原作以降のガリレオシリーズには、柴崎コウをイメージした、この女性刑事が登場しているんで、東野さんも彼女のことを気に入ったんでしょうね）ストーリーは原作にとても忠実です。すごくおもしろかった。感動できました。特に、最後のシーンで数学者が心をえぐるように泣き声をあげるところは、圧巻でした。が、二つほど、ちょっと不足を感じたところも。原作を読んだときもそう思ったんですが、数学者が愛する女性の魅力が、あまり感じられなかったところ。そして、最初の犯罪を隠すために犯した第二の殺人に至るところの描写が、描かれていないところです。（かなり重い決断だったはずですが）ところで、靖子を演じた松雪泰子さん。映画の中でははかなげな色っぽい女性として出てくるけど、この人の魅力って男性限定でしょうか？わたしはそんなにすてきと思えなかったんですけど・・・

  2012.05.15

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  「空飛ぶタイヤ」　池井戸潤

  「下町ロケット」に次いで、「空飛ぶタイヤ」を読みました。どこの書評を読んでも、とても評判のいい本ですが、私が今までなんとなく敬遠していた理由は、この本がノンフィクションだと思っていたからです。走っているトラックのタイヤが外れて、たまたまそこを歩いていた人に当たったというショッキングな事件はよく覚えていました。そのトラックを走らせていた運送屋さんと自動車を作った企業の現実が描かれていると勝手に勘違いしていたために、今まで読まずに来てしまった。なんて、もったいないことをしたんでしょう。そう思うくらい、目が離せないくらいのおもしろさ。どれくらいおもしろかったかというと、最近続けて読んでいる「ガリレオシリーズ」がかすんでしまったくらいのおもしろさでした。文庫本で上下巻、それぞれ500ページ近くもある長編ですが、ついつい夜更かしして3日で読みました。途中でやめることができませんでした。「下町ロケット」と同様、中小企業vs大企業の闘いという構図で、どちらも男くさい内容です。「下町ロケット」では、ものづくりをする男たちの自信とプライドが中小企業を救う。それに比べて「空飛ぶタイヤ」では、人間の良心をテーマになっています。人間の良心といえば、誰にだってあるものと簡単に思いがちですが、それを全うするためには、大きな勇気が必要だということが、よくわかります。どちらの主人公にも言えることは、とにかく男らしい。人間が大きい。本物の勇気がある。そして、下巻に入ってからは、本から熱い空気が発せられているような気がするほど、感動しました。ところで、最後のページに「これはフィクションです」と、念押ししてありました。もしかしたら、ノンフィクションだと誤解している人がまだいるのかもしれません。わたしのように、ノンフィクションだと思って敬遠されている方がもしいらっしゃったら、これは本当に楽しめて感動できる小説ですよと教えてあげたいです。【送料無料】空飛ぶタイヤ（上）

  2012.05.12

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• ギャル曽根と、4月に読んだ本　12 冊

  先日、テレビでギャル曽根が食べまくる番組を見ました。ギャル曽根って、ただひたすら大口開けて食べるだけの人なのに、わけもなく見たくなっちゃう、不思議な人です。大食いの競争番組はけっこう批判の的になってるけど、彼女が非難されているというのは聞いたことがない。それは、やっぱり見ていて気持ちがいいからじゃないでしょうか？だいたい人が物を食べる様子って、そんなにまじまじと見るものじゃないし、見られる側も食べにくくてしょうがないでしょ。じっと見ろと言われたとしても、はっきり言ってキレイなものでもないし、見たくもないよね。でも、ギャル曽根は実にキレイに食べる。一口の量がものすごく多くて、ぱくりと口に放り込むとモグモグゴクンまでの間がとてもキレイ。麺類をすするときも、かなりの量の麺をつるつるーっと思いっきり吸い込んで、おしまい。アー気持ちいい。（よく旅の番組で女優がカメラの前で食べてる様子を見るけど、気取ってばかりいて、キレイかもしれないけどちっともおいしそうじゃありません。）そして何より、彼女は食べてる間じゅう笑顔で、ほんとにうれしそうに食べている。おいしいんだろうなあ、たのしいんだろうなあって思わせられて、ますます見入ってしまうんです。話が変わりますが、私自身は麺類を食べるのがものすごく下手です。日本人なのに、ラーメンもお蕎麦もうまくすすれません。しかもちょっとすすろうとすると、麺の先っちょが暴れてお汁が飛んでたいへんです。太いうどんや、水分のない焼きそばなんて、ゼッタイにすすれない。どうしてだろう。ギャル曽根さんに、麺類をすする極意をぜひ教えて欲しいものです。１．「極北ラプソディ」 海堂尊　　　　　　このタイトル、どう読むのが正しいんですか？ゴクホクでいいの？２．「母のはなし」 群ようこ３．「私たちには物語がある」 角田光代４．「コシノ洋装店ものがたり」 コシノアヤコ　　　　　　朝ドラ「カーネーション」は、とても元気の出るドラマでしたね。５．「ひそやかな花園」 角田光代６．「容疑者Ｘの献身」 東野圭吾７．「殺人現場は雲の上」 東野圭吾８．「マエストロ」 篠田節子９．「おれのおばさん」 佐川光晴10.「おれたちの青空」 佐川光晴　　　　　「おれのおばさん」の続編。続けて読まないと何のことかわかりません。11.「四十回のまばたき」 重松清　　　　　冬眠する女と、セイウチのようなアメリカ人。あり得ないような設定。　　　　　どうも話に入り込むことができませんでした。12．「ナイフ」 重松清　　　　　こちらは、重松清さんの優しさ満載で、読み応え十分です。

  2012.05.05

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  「下町ロケット」　池井戸潤

  大企業対中小企業のビジネス小説。という紹介を見て、なんとなく敬遠してました。ビジネスなんて全然わからないし、難しそうだし・・・でも、あまり評判がいいらしいので、ちょっと読んでみようかなと扉を開いたとたん、一瞬にして佃製作所に入ってしまいましたよ。前半は確かに特許がどうした訴訟がどうしたという話でしたが、ちっとも難しいとは感じなかったし、何より佃社長の肩肘張らない自由気ままな性格に惚れてしまいました。とてもすてきな人ですよ。後半に入ると、ビジネス小説というよりも「男の夢」が主題になってきます。ここからが、特におもしろい。主人公は、元研究者。今は中小企業の社長になっているんですが、だからといって夢をあきらめることはない、中小企業には中小企業の夢がある。そして、社内の不協和音も一気に消し去ってしまったのは、物を作る人だけが持つプライドだった。と一言でまとめると陳腐な印象かもしれませんが、男たちのプライドがほんとうに気持ちいいんです。ストーリーは、めまぐるしいくらいに変わっていくので、息つく暇もありません。天下の帝国重工とのやりとりの、息づまる緊張感。また一方では自分が作ったものに対する迷いのない自信。それを真摯に受け止めてくれた帝国重工の人間模様も含めて、ほんとうに気持ちのいい話でした。ロケットがうちあげられるシーンでは、涙が出ましたよ。しっかりと感動できる、骨太の本を読みたい方に、強くおススメいたします。【送料無料】下町ロケット

  2012.05.03

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  「容疑者Ｘの献身」　東野圭吾

  いまさらですが、ガリレオシリーズです。実は、このシリーズを読むのは初めて。すごくおもしろくて、ドラマや映画も大人気というのは知っていましたが、なんとなく機会がないまま来てしまいました。興味のある本でも、こういうことってありますよね。ところが、先日読んだ角田光代さんの「私たちには物語がある」の中に「容疑者Ｘの献身」が紹介されていたんです。なんだか角田光代さんが東野圭吾の推理を読んでるっていう光景が、意外な気がして・・・でも、彼女がおもしろいと言うのならぜったいにおもしろいのだろう！と読んでみました。もう、もう、おもしろいの一言でしたよ！！今まで読まなくて、損しました。出だしのときこそ、「ん？天才にしてはそんなことでいいの？」とか「いくら一流大学だからって、そんなに天才がごろごろいるわけないじゃない」とか、軽くつっこみながら読んだんですが、途中からはストーリーが気になって気になって、イッキ読み。この話は、犯人は初めからわかっています。そんなのは別に珍しいことじゃないけど、刑事が犯人を追い詰めていくんじゃない、その犯罪をいかにして隠したかを解いていく話です。なんてことは、皆さんとっくにご存知でしょうけど、わたしはそこが何とも新鮮でした。ただ、ちょっと物足りない点もありました。主人公が片思いしている女性。靖子さんです。彼女は、お弁当屋さんで働きながら女の子を育てているけなげな女性ですが、そこまで主人公に愛された魅力はなんだったんだろう。それが、本の中にはほとんど書かれていないんです。どうも一目ぼれだったようですけど、ただそれだけでそこまで愛情を感じるというのは、ちょっと説得力に欠けるんじゃないでしょうか。ぜひ映画も見てみたいと思い、you tubeでちょこっと予告編など見ました。映画は、恋愛物として作られているようですね。雰囲気も、音楽も、あまあまです。ちょっと違うんだけどな～という気がするんですけどね。わたしは。　　　　

  2012.04.22

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  「私たちには物語がある」　角田光代

  わたしは作家が書いた読書案内の本が大好きです。今までにも、いろいろな人の読書案内を読んで来て、それを参考に本を買ったり、また味わい方の手がかりみたいにしてきました。でも、この角田光代さんの「私たちには物語がある」ほど迫力のある読書案内は初めてです。なにしろ、紹介されている本の数がハンパじゃない。そして当然だけど、一つ一つの感想が、独立した作品みたいに思えるほど完成されているので、いつもの角田さんの描写力を十分に味わうことができるのです。ほんとうに、これぞ読書の醍醐味みたいな感じで、どっぷり浸って楽しみました。角田さんが紹介してくれる本をあれもこれもと読みたくなるので、メモをとりながら読みましたが、それもきりがなくて、結局20冊を超えたところで中止。この本を買いに行くことにしましたよ。ところで、第1章の「本のある世界でよかった」は、読書に対する思いが書いてあるんですけど、わたしは大きな感動をもって読みました。なぜかというと、私がつねづね読書に関して思っていたことと同じことを書いてあったから。◎本の一番のおもしろさは、その作品世界に入る、それに尽きる。◎本は人を呼ぶ。本屋の通路を歩くと、私だけに呼びかける声が聞こえる。◎感情移入や共感など、じつにちっぽけな感想の一つでしかない。そして、第2章以降は「読書の部屋」という、ぱぐらの拙ブログと同じ名前になっていて、ますますうれしくて、子供みたいに喜んじゃっているわけです。すごく値打ちのある、いい本を読めてよかったなあ。ほんとうにありがとう。と、本にお礼を言っています。【送料無料】私たちには物語がある

  2012.04.14

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  「ひそやかな花園」　角田光代

  新聞に連載されていたときに一通り読み、今回が2度目です。夏の日のきらめくようなキャンプの思い出。あれは、どこだったんだろう。集まっていたのは誰だったんだろう。どうして突然なくなってしまったんだろう。というミステリーじみた冒頭に夢中になって読みましたが、2度目とはいえそのおもしろさは全然損なわれませんでした。前半はその謎を追い、後半はキャンプの参加者の今を追います。参加者それぞれの家族観や、幸せ不幸せがあって、それぞれが収束していくところは見事。角田光代さんの描写がすばらしい。ネタバレしますよー。と言って感想文を書きたいところだけど、この本に限ってはゼッタイだめだめ。ぜひ読んでくださいな。ほんとうの家族って何？ほんとうの幸せって？そして、生きるってどういうこと？そんなことを考えさせられる本です。けど、そんなしちめんどくさいことは考えたくないとおっしゃる方も、ストーリーを追いかけるだけでもきっと満足できると思いますよ。焼き鳥屋のメニューで、大根おろしにウズラ卵を混ぜたものが出てきたんですが、そのエピソードが、妙に納得できました。人間もそれでいいのね。角田さんは人間に優しい人だなって。ひそやかな花園／角田光代

  2012.04.12

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  「母のはなし」　群ようこ

  群ようこの小説を読むといつも、彼女はやっぱりエッセイの人だなあと思います。エッセイはあんなにおもしろいのに、小説となるとエピソードが浅い、感じるところがない、納得させられない。つまり一言で言うと、読み応えがないのです。この本もそうでした。著者の母親の一代記だということは、彼女の今までのエッセイを読んでいればすぐにわかります。昭和5年に生まれた女の子が80代になるまでを描かれているけど、エピソードといえるものが特にない。ただ淡々と成長、結婚、浪費家で子供をかえりみない夫との生活と離婚（このあたりは著者の記憶に残っているから、生々しさが少しありますが）、そして老後の浪費に関する話。娘として母親の若い頃に思いをはせるのは当然としても、年老いてからの母親の愚かさには唖然とするし、大迷惑を被っているのは群さん自身です。正直言って、こんなお母さんがいたら恥ずかしい。それを、かばうでもなくただ冷たい視線で書いている。群さんはなぜ、この母親の生涯を本にしようと思ったのだろう。それが不思議です。エピソードが浅いと書いたけど、一つだけ印象に残ったところがありました。それは群さんと弟がロールケーキを切る様子が書かれているところです。群さんは、人数分に切り分けるのに、目分量でさくさく切って弟に好きなのを選ばせて、自分は残ったのを食べて文句一つ言わない。弟は定規を持ってきて、均等に切り分けるべく一生懸命計算ばかりしていて、いつまでたっても切らない。やっと切ったかと思ったら、切り口が斜めになってしまったと悩んでいる。二人の性格の違いがロールケーキ切り方で、端的に表現されていておもしろかった。こういうキラリとしたエピソードは、群さんらしいユーモラスでそっけない書き方がいちばん生きるなと思いました。【送料無料】 母のはなし / 群ようこ 【単行本】

  2012.04.08

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• 3月に読んだ本　8冊

  春ですね。我が家の裏にある丘も満開の桜で、夜ともなるとお花見客の声が聞こえてきます。それで、突然話が変わるんですが、春のお出かけ用に、くすんだ大人ピンクのスカートを買いました。丈もデザインもわたし好み。去年買ったこげ茶系のジャケットにもよく合います。と、勝手に悦に入って自己満足しているわたしだったんですが、鏡で全身を見ると、なんかヘンだ。スカートのおなか周りや脇のラインが、何となくスッキリしないんですよ。サイズもぴったりで、ちょうどいいくらいのゆとりもあるのに、なんでだろう・・・しばらく見ていてわかりましたよ。わたしはおばさん体型を通り過ぎて、おばあさん体型に移行しつつあるんですね。だから、ごく普通のスカートがだんだん似合わなくなってきたんですね。試しに、思いっきりおなかを引っ込めて、背筋を伸ばして胸を張ったら、なんとか見られるようになりました。でも現実問題、そうやって外を歩くなんてムリだけどね。同年代でも、すっきりかっこいい着こなしをしている人もいるけれど、たぶんそういう人は、涙ぐましい努力をしているはず。サイズ云々の問題じゃなく、どこがどうと言えないような体型の変化じゃどうしようもないですね。しょうがないさ、人間大事なのは中身だよ。と割り切るほど、人間ができていないわたし。コートを脱ぐ季節、深刻です・・・体型に関してはともかく、3月の読書はばっちり。いい本に出会うことができました。１．「錦」　宮尾登美子　　　　　　　昔の職人ってすごいです。　　　　　　　今なら、パワハラ。みんなすぐに逃げ出しますよ。２．「東京物語」　奥田英朗　　　　　　　地方から東京へ出てきたばかりの若者の青臭いパワー。　　　　　　　なんだか懐かしくて、おもしろかった。３．「しょうがない人」　平安寿子　　　　　　　誰の周りにもいそうな「しょうがない人」がいっぱいです。　　　　　　　あーいるいる！こんな人！！と、うなずきまくりでした。４．「姫椿」　浅田次郎５．「こっちへお入り」　平安寿子６．「女のとなり」　乃南アサ７．「これでおしまい」　佐藤愛子８．「抱擁、あるいはライスには塩を」　江國香織

  2012.04.06

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  「これでおしまい」　佐藤愛子

  わたしは仕事が終わってうちへ帰るとき、いつもバスを利用します。バス停には屋根も囲いも何もありません。だから、夏は炎天下に道端に立ってバスが来るのを待たなければならないし、冬はもちろん吹きっさらしです。わたしは基本的にまじめな性格なので夏も冬もバス停に並びます。たいていの人はそうやっています。しかし、そうじゃない人ももちろんいます。夏の日差しや冬の冷たい風を避けて、ちょっと離れたビルの軒下に非難してバスを待つ人もいます。それは別に悪いことじゃありません。バスが来たら、列に並んでいた人は順番にバスに乗り込むわけですが、ビルの軒下避難民はどうするか。そこにそれぞれの個性が出るんです。一つ目のタイプは、列に並んでいなかったのだからと、列の最後に並びます。（もちろんこれが正しい唯一のやり方だと、わたしは思います。）二つ目のタイプは、自分がそこに来たときに列で待っていた人を覚えていて、自分の順番どおりの場所に入り込もうとします。（自分には権利があると思ってるんでしょうけど、それは違うと思います。）そして、三つ目のタイプは、列の入りやすそうな場所を適当に選んで（たぶん気の弱そうな人の前に）割り込んでしまいます。言語道断です！ムカッ！そのバスは、高速道路を通るバスなので、遅れて乗ったからといって座れないことはありません。必ず座らなければならないのです。（補助席になってしまうことはありますが）かといって、満席で積み残されるほどのこともありません。列の最後に並んでも、必ず座って帰れるのです。ですから、まじめに並んでいる人もわりと鷹揚で、途中にするりと入る人がいても怒ったりする人はいません。ある日、いつものように列に並んで待っていたときのことです。バスが来て、ビルの軒下から出てきた避難民仲良し初老女性3人組が、さてどこに割り込もうかと、列をキョロキョロ見ていました。すると、私の前に並んでいた中年女性が、その仲良し初老女性3人組を手招きして、「どうぞどうぞお入りくださいな」と彼らを自分の前に入れてしまったんです。3人組はもちろんとてもうれしそうに「まあ、すみませーん。ご親切にありがとうございます。」などとかしましくお礼を言ってました。知り合いなのかと思いましたが、どうもそうじゃないようです。わたしはなんだか腹が立って、手招きしたおばさんに「なんでそんな勝手なことを？あんたにそんなことする権利はないでしょ。あんたの後にずらーっと並んでいる人に許可を得たの？列の後の方にお年寄りや障害のある人がもしいたらどうするの？」などと、もちろん心の中でですけど、不愉快をがまんしながらバスに乗ったのでした。そのおばさんは親切な人なんでしょうけど、どこか間違ってないですか？自分の後の人を犠牲にして、自分だけお礼を言われていい気持ち。それって偽善者だ！そのことがあってから、わたしは毎日、ビルの軒下避難民を注意して見るようになったんですが、この親切な勘違いおばさんって意外と多いんですよ。（なぜか全員中年以上のおばさんです）彼らはとてもにこやか。そして自分が優しい親切な人間であるってことに、疑いを全然持っていない。でも、それってやっぱり違うでしょ。と割り切れない気持ちのわたし。そんなとき、わたしは佐藤愛子さんを思い出します。彼女はエッセイでよく怒る。特に若い頃のエッセイを読むと、胸のすくような思いがしました。彼女の怒りは、弱者への思いやりと人間は正直でなければならないという気持ちからきているから、ちっとも怖くないし不快感がまったくないのです。佐藤愛子さんが、この軒下避難民と親切勘違いおばさんを見たら、いったいどう思うだろう。何と言って怒ってくれるだろう。わたしはそれを読んでみたい。佐藤愛子さんの「これでおしまい」は、老境に至った愛子さんが「怒らなくなった」と言いながらもまだまだ健在な様子がしのばれるエッセイです。ほんとうにこれが最後になるのなら、愛子ファンの読者は必読だと思います。【送料無料選択可！】これでおしまい (我が老後) (単行本・ムック) / 佐藤愛子/著

  2012.04.02

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  「抱擁、あるいはライスには塩を」　江國香織

  もともと江國香織さんの独特の雰囲気が肌に合わないような気がして、あまり読まない作家さんなんです。なのにわざわざ図書館に予約まで入れて、受け取ってみたらその厚みに驚いたのにもかかわらず、勇んで読み始めました。その理由は、ひとえにブログ友だちきたあかりさんのレビューです。彼の感想の最後の一文、「本を閉じるまでが読書です。」に思いっきりうなずき、（まったくの同感！）その本を閉じた瞬間を味わうためだけに読んだようなものです。そして、きたあかりさんのレビューにまた、激しく同意してしまったのでした。この本は古い洋館に住む三代の家族の物語で、章ごとに語り手が変わりいろいろな側面から家族の歴史が語られます。年代はさかのぼったり一気に飛んだり、慣れるまではなかなかたいへんです。そしてこの家族は、一言で言ってしまうと、とにかく浮世離れしている。なにしろ学齢期にある4人兄弟を小学校にも通わせないで、家庭教師を雇って勉強させるのです。彼らは当然世の中の普通のことを何も知らず、他人とつきあうことをしないまま育ちます。大学には行くらしいので、そのときはじめて社会勉強を始めるということでしょう。考えてみれば、純粋培養みたいな育ち方をした彼らが、世の中に巣立っていく物語とも言えそうです。この4人兄弟の両親と叔父叔母たちもまた、より浮世離れしているのですが、母親の菊乃だけはちょっと違います。菊乃は唯一自発的にこの家のヘンなところに反発して、家出して7年もの間会社勤めをしながら自立しようとする。しかし、その結末は唖然とするほどの事態となり、菊乃は何事もなかったように、親の決めた許婚と結婚。家族はそれを冷静に受け入れます。普通の家庭ならば、たいへんな事件と言ってもいいと思うんですが、そこんとこも浮世離れ家族はやたらおっとりとしているんですよね。そんなヘンな家族のエピソードが続きますが、菊乃と対照的に従順な性格の百合ちゃんの結婚生活は、ちょっと喜劇のようです。厳格で折り目正しい（そしてめちゃくちゃ古臭い）家に嫁いだ百合ちゃんは本当にかわいそうでしたが、このエピソードだけはわりとステレオタイプなので、かえって印象に残りました。大家族の大河ドラマというのでもなく、一人ひとりに大きなドラマが降りかかるのでもなく、淡々と移り変わっていく家族。最後に洋館に残ったのは・・・？というラストに、きたあかりさんの指摘した、裏表紙が効いてくるんですね。　【中古】単行本(小説・エッセイ) 抱擁、あるいはライスには塩を【10P28Mar12】【画】【中古】afb 【b0322】【b-novel】

  2012.03.31

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  「女のとなり」　乃南アサ

  女のつく漢字ひとつひとつにまつわるエッセイ。というより、ちょっとしゃれた短編風です。女のつく漢字の多さに、まずびっくり。家に入るから嫁だの、古くなったら姑だの、そんなわかりやすい漢字ばかりではありません。「妄」だとか「妥」だとか「嫌」だとか「凄」だとか、あ、こんなところにも女がいた！という驚きの連続です。その漢字に女が入っていることの奥深さには、唖然とするほど。考えてみれば、「男」って漢字は、文字通り田んぼで力仕事をするたくましいさまを表しているけれど、ただそれだけのことですもんね。男は働いていればいいのよって、いえ私の意見じゃなくて、遠い昔漢字が出来た頃の考え方（たぶん）を言ってるんですけど。このエッセイ集（というよりわたしは短編として楽しみましたが）は、最後まで読まないと何の漢字がわからないようにできている。次はどんな漢字が出てくるのかなと考えながら読み、それがたいてい最後までわからない。乃南アサさんはほんとに巧みですごいぞ！と思わせられました。そういえば表紙だって、これだけじゃまさか漢字の本とは、誰も思わないでしょう。こういうところも、センスがよくて好きです。【中古】 女のとなり

  2012.03.27

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  「こっちへお入り」　平安寿子

  「こっちへお入り」のタイトルだけで何がテーマの小説か、わかった人はすごいです。表紙には光沢のある紫色の座布団と半開きの白い扇子の絵。もうわかったでしょ？落語がテーマの物語です。で、この物語を読んだ感想を一言で言うと「落語ってすてき！！」日本の古典芸能で、落語家の中には人間国宝もいらっしゃるというのに、落語って私たちにはなかなか聞く機会がありません。昔はテレビでも見かけたけれど、今はお笑いといえば若くて元気のいいお兄さんたちが主流です。いえ、はっきり言いましょう。テレビに出てくるお笑い芸人は、お笑い芸を何もしない人たちです。なんてことを言ってもしょうがないんだけど、この小説を読んで、落語の奥深さ、緻密に計算されたお笑い芸のすばらしさに圧倒されました。仕事にも恋にもストレスばかり感じて行き詰っている30代のOLが、落語のおかげで人間が生きていく機微を学び成長していく。その様子を軽やかに描いた、ほんとうにおもしろい小説でした。落語がこんなにすてきなものなら、もっと知りたいし聞きたい。もっとテレビでやってほしいと、強く思います。「こっちへお入り。そこにお座り。どうした。何があったんだい。お前さんの話を聞こうじゃないか。」そんな、リズミカルで人情にあふれた呼びかけに、もう長いこと触れたことがないなあ。落語のCDがあるらしい。一つ買ってみようかな。【送料無料】こっちへお入り

  2012.03.25

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• 「姫椿」　浅田次郎

  春休みに入ったら読書とDVDに明け暮れるぞーと決めていたわたしは、予定通り本とDVDをどっさり借りて来ました。それが先週の水曜日。昼間はソファに寝そべって、つまみ食いしたり本をぱらぱら読んだりして自由を満喫。暗くなってから、めんどくさいけどご飯でも作るかな？今日は簡単にスパゲッティにしよう。そして玉ねぎを切り始めたそのときが、苦しみの始まりだった！！！玉ねぎで泣かないために包丁をよく研いだのがアダとなり、左手の親指の頭をザックリ切り落としてしまったんです！！痛かった？いや、痛いより出血の派手さと精神的なショックで、呆然としてました。とにかくタオルで包んで押さえ、落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせ・・・結局救急センターで血管をしばって止血。台所の惨状は夫に片付けてもらい、（夫はのん気そうに、指あったよーって。）その頃からやっと痛みを感じはじめて、その晩は眠れないほどでした。それから今日までの一週間。不自由で身の回りのことができないのはもちろんのこと、本を読んでもDVDを見ても、ちっともおもしろくない。ほんとうにつまらない一週間でした。せっかくの読書です。やっぱりどこも痛くない状態で読みましょう。皆さんも、包丁にはくれぐれも気をつけてくださいね。おもしろくないとは言いながら、読んだのは浅田次郎の「姫椿」です。この本を選んだのは偶然でしたが、この本にしてほんとうによかった。気持ちが落ち着いてくる本でした。今は抜糸も終り、痛みもほとんどなくなりました。分厚い包帯からも開放されて、手がすっきり。だからこうしてパソコンに向っています。ただ、包丁を見るとまだ心臓がドキドキします。当分包丁は使えないと思いますよ。

  2012.03.21

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• 日本語教師の仕事　そして2月に読んだ本　6冊

  日本語教師という仕事はなかなかおもしろい職業です。なにしろ、人が一つの外国語を覚えていく道のりを見届けるというのが、普通できない経験でしょう。「自国で挨拶程度は覚えてきました」という程度の留学生たちは、最初はおっかなびっくりで、教師の口をみつめて一言も聞き漏らすまいと息を詰めて聞いています。一年も経ってくるとコミュニケーションが楽しくて、語学に関係のない質問も出たりして、活発な授業になります。もちろん学生はさまざまですから、全然勉強しないで落ちこぼれてしまう人もいます。学校へ寝に来ているような学生もいます。自国で日本語がぺらぺらになってから来る学生もいます。見ると彼らの電子辞書カバーはボロボロに傷んで擦り切れています。よくがんばって来たんだなあ・・・と感心するのですが、ちょっと気を許すと教師を試したり、天狗になったりする学生もいるので、教師も緩めたり引き締めたりの工夫が必要になります。毎日が刺激に満ちていて、退屈しない仕事です。けど、どうもわたしにはその毎日が濃すぎて、学期が終わる頃はもうへとへとになるんですよね。昨日最後の授業を終り、やっと春休みになりました。待ちに待った春休み。春休みは、映画のDVDと読書と換気扇掃除で過ごそうと思います。2月に読んだ本です。１．「薄暮」篠田節子　　　　　　　　篠田節子さんらしいずっしりとした長編です。　　　　　　　「画壇」って何なんでしょう。　　　　　　　「芸術家の妻の一生」としても読める、おススメできる本です。２．「夜をゆく飛行機」　　　　　　　角田さんが描く「家族」はこうなるんだなあ・・・　　　　　　　「ツリーハウス」を思い出しながら読みました。　　　　　　　３．「かわいそうだね」綿矢りさ　　　　　　　綿矢りささんの本は、鋭い心理描写が好きだったけど、　　　　　　　一作ごとにそれが薄まってきているようで、残念です。　　　　　　　この本のシチュエーションはほんとうにかわいそうだね。　　　　　　　私だったらきっぱり別れちゃう。４．「短歌の作り方教えてください」俵万智＋一青窈　　　　　　　一青窈って個性的な人ですね。　　　　　　　添削を受けても、「これがわたしなんだよ！」ってところはすごい。５．「コーヒーもう一杯」平安寿子　　　　　　　おしゃれなカフェを経営するって、若い女性のあこがれなのかな？　　　　　　　でももちろん、憧れだけじゃうまくいかない。　　　　　　　６．「秋の花」北村薫　　　　　　　どこでも評判のいい本ですけど、わたしはもう一つかなあと…　　　　　　　真相に届くまでが、じっくり書かれているというより、とろい。７．「センチメンタルサバイバル」平安寿子　　　　　　　独身でがんばっている強力叔母と、無気力な若者代表とが同居。　　　　　　　何も起こらず何も進展しないけど、のめりこんで楽しく読みました。８．「エッジ」鈴木光司　　　　　　　それなりにおもしろかったんだけど、理屈が難しすぎて・・・　　　　　　　こんな話、最後はどうやって収めるんだろうと心配でしたが、　　　　　　　　心配は的中しました。

  2012.03.09

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• 1月に読んだ本　8冊

  わたし、今、愕然としています。読み読みノートから1月に読んだ本のタイトルを書き写そうとしたんだけど、タイトルを見ても、内容がまったく思い出せない！！読み終わった日付も書いてあるし、著者名も書いてある。ほんとに読んだのかなあ、わたし。まさか、誰かがイタズラで書き込んだんじゃ・・・そんなバカな。私のノートだし、私の字だし。まさかまさか、これが認知症の始まり？怖いよー・・・あわててタイトルで検索して誰かの書評を見てみたら、内容を思い出しました。確かに読んだ記憶がありますよ。あーよかった。いや、よかったのかよくなかったのか分からないけれど、とりあえず読んだことは確かです。それは篠田節子さんの「夜のジンファンデル」です。好きな作家だし、かなりのインパクトだったはずなのに・・・おもしろかったんですよ。すごく。１．「廃院のミカエル」　篠田節子２．「夜のジンファンデル」　篠田節子３．「犬坊里美の冒険」　島田荘司　　　　　　島田荘司さんは好きな推理作家ではあるけれど、　　　　　　この人が書く若い女性の話し言葉はちょっとねえ・・・　　　　　　なんだかバカっぽく聞こえてしょうがありません。　　　　　　特にこの本の犬坊里美は新米とはいえ弁護士なのに、　　　　　　すぐ泣くし、頼りないし、どうも好きになれません。　　　　　　男性から見て、こういう女性ってどうなんでしょう。４．「背の目」　道尾秀介５．「銀河に口笛」　朱川湊人　　　　　　　　　　　　いつも安心して読める朱川湊人さん。　　　　　　ファンタジックで懐かしくて、不思議さがちょうどいい感じでした。６．「すべて真夜中の恋人たち」　川上未映子７．「そらをみてますないてます」　椎名誠８．「赤い指」　東野圭吾今年の冬は本当に寒くて、九州だって毎日天気が悪くて雪模様です。しかしへこたれてはいられない！椎名誠さんの「そらをみてますないてます」には、「モスクワって暑いなあ。マイナス9度もあるよ。」と住民が言ったという世界一寒い町の話が出てきます。わが町は寒いといってもせいぜい0度前後。あったかい下着をいっぱい着て、冬を楽しむことにいたします。

  2012.02.10

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  「台湾」に関する本　数冊

  この冬休み。私は仲のよい友だちと二人で台湾へ行きました。実は台湾は今回が2度目。一回目は団体ツアーの王道、新幹線と大型バスで台湾をぐるっと一周しました。そんな旅行でも、台湾の魅力は私たちの心をがっちりつかんでしまい、ゼッタイにもう一回行こうね！！！って、かたくかたく約束。ですから、今回はまず二人の行きたいところをピックアップして、スケジュール作りから。我が家で開いた台湾会議は活発な意見交換の場となり、ますます旅は楽しくなったというわけです。地図（正確を期するために、現地で購入）や地下鉄路線図と相談しながら、テクテク歩きながら、あーでもないこーでもないと移動する旅は、効率は悪いけど楽しかったー！！ところで、2回目の台湾旅行のために、わたしは何冊かの本を買いました。「週末台湾」吉田友和　鈴木夕未「台湾のたびしおり」ayaco「満里奈の旅ぶくれ　たわわ台湾」渡辺満里奈　　　　どれも旅行のガイドブックじゃないけれど、それぞれに台湾に対する思いがエッセイ風に書かれていて、台湾を（おもしろおかしく）理解することができ、また旅行の役にも立つといった本です。「週末台湾」は、実際に旅行する人のために有用な情報が満載ですし、「台湾のたびしおり」はそれに加えて、写真やエピソードが満載。どっちも読むだけでもおもしろい本です。それに何より、台湾を愛してやまない著者の心が、びんびん伝わってくる。「満里奈の旅ぶくれ」という本は、どっちかというと台湾本というよりタレント本。旅行の参考にはあまりなりません。台湾が好きな人よりも渡辺満里奈のファンの人におススメですね。そして、最後に買ったのが、旅行の本家JTBの「るるぶ」です。たまたまブックオフで500円になってたので。「るるぶ」の意味は、皆さんごぞんじですよね。見る、食べる、遊ぶ　の最後の文字を三つ続けて、るるぶです。で、読んでみて、改めてびっくりですよ。見る食べる遊ぶなんて、ウソウソ！！食べる食べる買う。るるうですよ、これは。とにかく、どのページもカラー写真ばかりで、記事はほんのわずか。しかも、その写真はどれもひたすらおいしそうな食べ物ばかり。食べ物じゃない写真は、たいていレストランの外観かホテルのお部屋、あるいはおみやげもの。たとえば、台湾名物牛肉麺（ニュウロウミェン）のページには、いろいろなお店の牛肉麺が8種類も。小籠包のページも同じようなもの。この写真を見比べて、これがいちばんおいしそうだからこのお店に行こうって感じの旅行者がいるんでしょうか？または、このおみやげが買いたいから、この街のこのお店を探そうとか・・・そういう人もいるのかなあ。いや、ニーズがあるからこういう本が売れているんでしょうけど。うーん、旅行のガイドブックにも、私は著者の現地に対する愛情を感じたい。独断でもいいから、著者の経験やエピソードを読んで、現地の雰囲気を感じたい。本好きって、旅行ガイドブックにも読む楽しみを求めてしまう。これって、変わってる？最後に余談ですが、もし台湾旅行を考えている人がいらっしゃったら、重要なアドバイスを。もしあなたがダイエット中であったなら、台湾旅行中は絶対にダイエットの継続は不可能です。きっぱりあきらめて、体重増を覚悟して行くべきです。とにかく、何を食べてもおいしい国です。しかもどっさり出てくる国です。レストランであっても、夜市の出店であっても、道端の屋台であっても、日頃からおいしいものが大好きな食いしん坊のあなた、台湾は決してあなたを裏切りませんよ。

  2012.01.28

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• 「すべて真夜中の恋人たち」　川上未映子

  とても静かな気持ちで、読み終わりました。大きな感動も涙もないけれど、真夜中の光を想像しました。ほんとうは、暗闇が人一倍怖い私。毎晩11時までにはお風呂に入って、あとは寝るだけ状態。夜中にコンビニやビデオ屋さんに行く人の気が知れないと思っている私ですが、年に一回だけ、誕生日の真夜中に光を求めて歩いてみましょうか。また、入江さんの仕事が興味をひきます。本を読むのが仕事。だけど、読んじゃいけない仕事。彼女は、フリーの校閲士です。私たちが毎日読んでいる本も雑誌も新聞も、必ず誰かの校閲を受けているんですね。一日中、辞書や原稿や本やネットと格闘する孤独な作業。活字も好きだけど、人間もちょっと好きな私にはとても出来ない仕事です。そんな校閲士。しかもとびきり内気な入江さんの、生まれてはじめての恋のお話。入江さんが愛した三束さんの真実は、結局何もわからないけど、入江さんはきっと幸せになれる。そう確信できます。本当は孤独な石川さんとは、これもはじめての友だちとなったみたい。実は、私自身この頃体調を崩していて、娘のうつ病も長いことスッキリしない。つらい中で、たまたまこの本を読んで、ほんとうによかった。人間、生きていくのは大変だけど、もうちょっと静かに生きてみてもいいんじゃない。なーんて陳腐な言葉しか出てこないのが、我ながら情けないけど、実に幸せを感じられた本でした。優しい本なので、ちょっと傷ついている人におススメかも。どこかで、文の良し悪しは比喩にあるって読んだような気がしますけど、ほんとうにこの本の光の比喩はすばらしかった。CDからあふれ出てきた細かい光が、体の中を駆け巡り、指先からほとばしり出るところなんて、もう、実際にそんなことがあったとしか思えません。川上未映子さん、すごいです。大好き。

  2012.01.22

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• 顔の美醜って

  今日は本の話題じゃありません。顔の美醜についてです。人の顔、それも若い女性の顔の美醜について書くなんて、自分でもちょっと気がひけるのですが、わたしは実に感動しているんです。誰のことかわかりますか？それはなでしこジャパンの澤穂希さんのことです。彼女をはじめて見たのは、もう何年も前のことです。何かのニュースかテレビ番組で見たんだと思います。ほんとうに言いにくい失礼なことを言いますが、はじめて見た澤さんは、正直言ってちっともかわいいとは思わなかった。お猿さんみたいな女の子だと思いました。髪は伸ばしかけだったんでしょう、ばさばさと広がっていて、せめて短く切ればいいのに・・・なんて思いました。去年のワールドカップの優勝のときも、すばらしい表情をしているとは思ったけれど、美しいとは失礼ながら思いませんでした。でも、あれ以来、あれよあれよという間に澤さんはほんとうに美しくなりました。まるで魔法にかかったかのようです。時折テレビで見かける彼女は、もちろん髪にもお化粧にもプロの手が入って飾られたのもあるでしょうけれど、彼女の美しさはそんなうわっつらなものじゃないって感じがします。昨日ニュースで見た、水色の振袖姿はなでしこの名にぴったりの清楚さで、率直で飾らない態度も魅力的で、先日の成人式のどの振袖姿より輝いて見えました。ほんと、きれいだなあ～って、見とれてしまいました。「外見より中身」って言葉は、美人じゃない女の子に決まって投げかけるお約束の言葉と思っていました。勉強の出来ない子に教師が必ず言う言葉「君はやればできるんだ」と同じように、ある意味真実かもしれないけど、言われてもちっとも嬉しくない言葉。けど、澤さんみたいな見事に変身した女の子を見ると、あーあれは本当だったんだって、なんか感動しています。きっと、ロンドンオリンピックに向けて、なでしこジャパンのみんなはもっともっときれいになりますよ。とっても楽しみです。

  2012.01.12

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• 9,10,11,12月に読んだ本　

  遅くなりましたが、皆様、明けましておめでとうございます。今年も、ここを訪れてくださる皆様が、健康でハッピーで、今までどおり読書を続けられますように、心からお祈りいたします。ぱぐらの読書の部屋を、これからもどうぞよろしく！9月に読んだ本　10冊　　　　「人生のきほん」　佐野洋子　　　　「しっぽちゃん」　群ようこ　　　　「球体の蛇」　道尾秀介　　　　「片眼の猿」　道尾秀介　　　　「夏の災厄」　篠田節子　　　　「憧れのまほうつかい」　　さくらももこ　　　　　「魔王　　伊坂幸太郎」　　　　「いつか響く足音」　　柴田よしき　　　　「カカシの夏休み」　重松清　　　　「殺人鬼フジコの衝動」　真梨幸子10月に読んだ本　7冊　　　　「修羅の終り」　貫井徳郎　　　　「ゴールデンスランバー」　伊坂幸太郎　　　　「ひと呼んでミツコ」　姫野かおる子　　　　「チヨ子」　宮部みゆき　　　　「神様のカルテ１」　夏川草介　　　　「神様のカルテ２」　夏川草介　　　　「兎の目」　灰谷健次郎　　　◎11月に読んだ本　4冊　　　　　　　　「アフリカの蹄」　帚木蓬生　　◎　　　　「木暮写真館」　宮部みゆき　　　　「花桃実桃」　中島京子　　　　「緑の毒」　桐野夏生12月に読んだ本　5冊　　　　「我が家の問題」　奥田英朗　　　　「カラスの親指」　道尾秀介　　　　「やってられない月曜日」　柴田よしき　　　　「ア・ソング・フォー・ユー」　柴田よしき　　　　「椰子椰子」　川上弘美去年の今頃は何を読んでいたのかな？と思って探してみたら、暮れのうちに9月から12月まで読んだ本をまとめて紹介してました。今年もまったく同じことをやってるなんて・・・しかも、年が明けてからなのでなお悪い。今年は、少なくとも月に一回は読んだ本をアップしたいです。

  2012.01.08

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• 「FUTON」　中島京子

  一粒で二度おいしいのは何のキャラメルだったのか忘れてしまいましたが、この本はまさにそのとおり、二度おいしい本でした。なにしろ、中学の頃退屈な文学史の授業でしか聞いたことのない、田山花袋の「蒲団」を読むことができ（読んだような錯覚を持つことができ）、しかも中島京子さんらしい、おだやかだけどとてつもなくおもしろい物語も同時に楽しめたのですから、大満足です。で、まず「蒲団」の方から感想を言うと、この本はなんとなくつまらない中年おじさんの、みっともなくも滑稽な話です。どうしてこの本が、義務教育の必須項目として挙げられているのかわかりません。「先駆的な私小説」という価値があるのなら、時雄という主人公のおじさんは田山花袋本人であるのでしょう。すると、田山花袋は、自分のみっともなさを正直に小説に仕立て上げたということになります。その勇気はすごいですね。しかも、学校で教材にされて「田山花袋の蒲団」という題名だけはすごくよく知られている。田山花袋もこれを知ったら、びっくりすることでしょう。それにしても、この百何十年かのうちに社会通念はひっくり返り、過去の恋愛の常識は今や滑稽でしかないという現実に、ほんとうにびっくりしてしまいました。そして、中島京子さんが書いたFUTONは、現代の時雄さんの物語です。現代の時雄さんはデイブ。アメリカ人で、日本文学の研究者。そして、手の中から飛び出そうとしているおバカな恋人エミを追いかけて、東京までやって来ます。「蒲団」の時雄さんは、女に対してすごく上から目線に理屈をこねるけれど、デイブはもっと感情的で正直です。また、彼が東京で出会うイズミとハナエは、「蒲団」の女性たちと対比的で頼もしいし、エミの生き方もまた、現代の女の一例だなあと思います。考えれば考えるほど、100年を隔てた二つの物語を比べてみたくなる、読後感も絶妙におもしろいこの本。「FUTON」のおかげで「蒲団」に興味を持って読んだ人もたくさんいることでしょう。田山花袋さんにも読ませてあげたいです。あ、忘れていましたが、ウメキチとイズミのその後も知りたいですね。

  2011.10.16

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• 「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎

  今日の日記は、大きくネタばれする予定です。未読で、これから読むのを楽しみにしている方は決して読まないでくださいね。　　　　　　　　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・この本は、きっと好きと言う人とあまり好きじゃないと思う人が、真っ二つに分かれるんじゃないかなと思います。というのは、ストーリーの肝心な点が、何一つ明らかにされないからです。なぜ善良な一市民を、新総理の暗殺の犯人に仕立て上げなければならないのか。なぜ青柳君が選ばれてしまったのか。そもそも暗殺の理由は何だったのか。国家だか結社だか何だか、よく分からない怪物みたいなものは、いったい何だったのか。そういったものが、まったく分からないまま事件が起こって、事件が終結します。だから、ある意味ものたりない。でも、そういう物足りなさを差し引いてもなお、めちゃくちゃおもしろい。とにかく読んでみてよって思います。警察も、国も、国に追従するマスコミも、そして当然一般の民衆も、みんなが青柳君を犯人として、探そうとする。伊坂幸太郎さんは、たぶん、青柳君が理不尽に追いかけられて、逃げ回って、意外なところで意外な助っ人に助けられながら、なんとか生き延びたというおもしろささえ書ければそれで良かったんでしょうね。真実とか、いきさつとか、そんなことはどうでもよかったんでしょう。そして、それは大成功でしたね。この本のおもしろさは、青柳君の逃走劇にもあるけれど、ところどころに挟まれる学生時代の思い出も、ほんとに懐かしくておもしろい。若い4人の会話は、このストーリーに不似合いにのどかです。若いって、のん気なことだったんだなあと、誰でも自分ののん気だった若い日を思い出したんじゃないでしょうか。それに、青柳君のお父さんもおもしろすぎます。こんなにシリアスな物語なのに、ときどき笑ってしまう。そして最後の「痴漢は死ね」と「たいへんよくできました」には泣きました。この本は映画にもなったそうですけど、映画の方はどうだったんでしょう。それから、私はオズワルドという人を知りませんでした。これも謎なんですね。

  2011.10.05

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  「カカシの夏休み」　重松清

  重松清の小説は、今までに何冊か読みました。どれもこれもおもしろいし、インパクトが強いし、人気があるのもうなずけます。しかし、おもしろさも怖さも、そして悲しさも（めちゃくちゃ泣ける本も多いです）わたしにとってはちょっと濃い目かな、という気がしていました。料理でいえば、出しの取り方も味付けも、もう少し薄いほうが私の好みかな。そういうわけで、ここ何年かご無沙汰していたのですが・・・たまたま図書館で手にとってみたこの本。いつもより薄めの味付けで、とてもよかったですよ。今まで読んだ重松さんの中で、最高に好きです。中編が三つなんですけど、どれも学校が舞台となっていて、それぞれ「過去」「現在」「未来」がテーマとなっています。前の二つは、中年の男性教師が主人公。人生の中間にある男性の心のつぶやきが、そこここから聞こえてきて、味わい深いです。特に二つ目の「ライオン先生」は、年を取ることに抵抗を試みる男の可愛さに、若くして亡くなった妻の思い出がからまって、ユーモラスに書かれていて秀逸です。最後の一編は、高校生の自殺にたまたまかかわってしまった姉弟の話。ひねりの効いたストーリーは、前の二つとちょっと趣が違うけど、これもまた印象に残る小説でした。本の解説によると、重松清さんには他にも「中年物語」と呼べるようなものがいくつかあるそうです。それを選んで、もっと読んでみようかなという気になりました。中年世代のお父さんたちにも、おススメですよ。【送料無料】カカシの夏休み

  2011.09.19

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  「片眼の猿」　道尾秀介

  重すぎず軽すぎず、固すぎず柔らかすぎず、深刻にならず、どこでも気軽に読めて、物足りないということもない。ミステリーの醍醐味もそこそこあって、なかなか楽しいです。最後の方で明かされる、耳や目や他の登場人物の体の秘密。そして、超能力の秘密。あっちにもこっちにも秘密がいっぱいあって、ものの見事にだまされて、そーだったのか！！の連続です。しかしまあ、よくここまでだましてくれたもんだなあ！！これ以上は言えないけれど、読後感も良好。ま、最後まで読んでみてください。だまされるところが楽しいんで、皆さんも盛大にだまされてくださいな。今日は短いけれど、これでおしまい。あ、そうそう、トランプの薀蓄も楽しいよ。【送料無料】片眼の猿

  2011.09.13

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• 「魔王」　伊坂幸太郎

  はじめての伊坂幸太郎です。人気の高い作家さんらしく、電車の中でこの人の本をのめりこむように読んでいる人を何度かみかけました。それで、興味を持って読んでみたのですが・・・わたし、今までたくさんの本を読んできたけれど、こんな不思議な本は初めてです！！出だしは、電車の中でサラリーマンが風変わりな超能力を持っているってことに気づくシーンです。ま、言ってみれば、のどかな雰囲気のファンタジーぽいものかな。電車の中で必死で読むのも、ストーリーが相当おもしろいんだろうな。くらいの軽い印象でした。でも読み進むと様子が変わってきて、日本の政治の話（架空の設定ではあるけれど）ファシズム、ムッソリーニ、そしてアメリカに対する嫌悪感からアメリカ人の家や店に火をつけるなどの暴動が起こったり（およそ日本人ぽくない行動ですが）憲法九条の改正や国民投票、次期首相と目される政治家の魅力と運の強さ・・・そんな展開になっていくにもかかわらず、雰囲気はいつも静か、というより牧歌的な感じさえするんです。そして、あろうことか主人公は超能力の解明もできないまま、そして有効に使うこともできないまま・・・・・・・・・あ、いけないいけない。大きなネタばれをやっちゃうところでした。全体に流れる牧歌的な雰囲気は、主人公の弟とその恋人の魅力によるところが大きいんですが（現にこの二人は後半の主役になります）弟もまた、兄と同じような運命をたどるのではないかと匂わせています。固い話かと思えばそんなことはなく、宮沢賢治の詩やシューベルトの「魔王」が引用されたりするけれどファンタジーでももちろんなく、何なんだろう、どこへ行くんだろうといぶかしく思っているうちに、ストーリーは何も収まらないままおしまい。じゃ、おもしろくなかったのかと言うと、これが本当にのめりこんで半日で読んでしまったんです。特におもしろかったとも思わないんだけど。こんな不思議な本でした。他の伊坂幸太郎さんの本も、もっと読んでみたいですが、この「魔王」みたいな感じのが多いんでしょうか。皆さん、伊坂幸太郎さん、好きですか？

  2011.09.09

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  5,6,7,8月に読んだ本 20冊　　と、任天堂DSにひと言

  とうとう夏休みも終わりになりましたね。少し前まで涼しい日が続いていたのが、今週は猛暑がぶり返し、夏に疲れた体にはキツイことです。でも、今日街を歩いていて思ったのですが、日差しは強いものの、風が吹くと真夏とは違ったさわやかさをかすかに感じます。やっぱり秋の空気ですよ。若いときは、こんなこと感じたことはなかった。９月に入っても、暑いものは暑い。早く本当の秋が来ないものかと思うばかりでした。暑さの中にも秋風を感じられるようになるのなら、年を取るのも悪くないですね。さて、長い間さぼっていましたね、「今月読んだ本」です。読書メモを見たり読書メーターを見たりして、なんとか思い出してはみましたが、全部は思い出せません。たぶん、ここに書くのの1.5倍くらい読んでいると思います。（特に、６月７月はゼッタイにこんなに少ないはずがありません。）一冊読み終えるとすぐさま次の本を手に取り読み始める、しかも読み終わった本はすぐに図書館へ返しに行くのですから、すぐにメモしておかないと２度と思い出せません。ほんとにずぼらでだめですね。５月に読んだ本　８冊　　　１．優しい大人　桐野夏生　　　２．妄想気分　　小川洋子　　　３．プリンセス・トヨトミ　万城目学　　　４．二十一歳の父　曽野綾子　　　５．あした咲く蕾　朱川湊人　　　６．さようならコタツ　中島京子　　　７．長男の出家　　三浦清宏　　　８．ふがいない僕は空を見た　窪美澄６月に読んだ本　２冊　　　１．幻夜　　東野圭吾　　　２．人質の朗読会　　小川洋子７月に読んだ本　３冊　　　１．７月24日通り　吉田修一　　　２．三十光年の星たち　　宮本輝　　　３．県庁おもてなし課　　荻原浩8月に読んだ本　7冊　　　１．家族狩り　天童荒太　　　２．ひまわり事件　　荻原浩　　　３．小さいおうち　　中島京子　　　４．神様からひと言　　荻原浩　　　５．6時間後に君は死ぬ　　高野和明　　　６．肉体の門　　田村泰次郎　　　７．螺鈿迷宮　　海堂尊突然ですが、任天堂DSiLLって画面が大きいので目に優しくていいですね。少々重いのが難点ですが、とても見やすくて、前のDSに戻る気がしません。老眼世代、老眼予備軍におすすめします。「脳を鍛えるおとなのDS」の文系と理系が初めから入っているところが、泣かせます。ただ、任天堂さんにひと言言いたい。大人世代を意識しているんでしょうが、本体の色が地味すぎますよ。中高年だって、かわいいピンクやさわやかな水色が好きな人は多いんです。いえ、年を重ねたからこそ、持ち物は可愛いものが好きって人もいっぱいいます。私もその一人。この次はもっときれいな色をお願いします。

  2011.08.30

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  「小さいおうち」　中島京子

  大戦中の、中流家庭に女中奉公するタキさんの回想手記という形の物語。女中とは言っても、現代人がイメージする家政婦とは全然違いますよ。女中は奉公する家の家族同然で、家族を愛し、誇りとして生懸命尽くす。まさに滅私奉公という言葉がピタッと来ます。彼女にとってそれが生きがいであり、奉公先を終の棲家と決め、奥様も女中をその家からお嫁に出すことを夢見る。頭の回転もよく愛情深いタキさんは、たぶんその時代にあっても、女中の中の女中。女中の理想形であったんだろうなと思います。最後の章では舞台が現代に移されて、タキさんがたった一つ遂行しなかった仕事が明らかにされて、読者の心に余韻を残す・・・という形になっています。あまり書くとネタばれになるので書きませんが、世間の大多数の書評がタキさんの秘めた想いに触れているけれど、わたしは「ほんとにそうだったのかなあ」と、ちょっと疑わしく思っています。タキさんがそのとき思っていたのはそうじゃないんじゃ・・・？？？本は、著者がどういうことを書こうと、読み手が自由に受け取りたいように受け取ってよいものですから、私も勝手に自分の感じたままに受け取りたいと思います。そして、この本が実にすてきな愛すべき小説であり、私も大好きだと思うことに変わりはありません。戦争を語り継ぐことが大切であることは、もちろんのことです。ヒロシマやナガサキは言わずもがな。悲惨な戦地の話、空襲の話、学童疎開の話・・・いろいろな悲しい話が伝えられています。でも、この本に書かれているような、戦時下の普通の家庭の話も伝えられてもいいのでは…戦争のさなかにあっても、人は期待に胸をふくらませたり、恋に胸を焦がしたり、遊んだり笑ったり。だって、それが人間ですもの。ところで、冒頭に出てくる若い女性編集者。この人は完全な脇役で、悪役風に登場しているけど、この後どうしたんでしょうかね。何となく再登場を待ちながら読んでいたんですけどね。第143回直木賞受賞作！【BOOK】「小さいおうち/中島京子」

  2011.08.17

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  「オジいサン」京極夏彦

  京極夏彦といえば、いちばんに思い出すのがあのとんでもない厚みの文庫本。そして、魑魅魍魎ということばがピタッと来る、おどろおどろしい表紙。私は前に「姑獲鳥の夏」を読んで、へとへとになった経験があります。でもご安心ください。この本は、どんな怖がりの人でも中高生でも安心して読んでいただける、簡単だけど奥深いあるおじいさんの物語です。本を読むヒトなら誰でも、「あーこの主人公の考えてること、わかるわかる！！わたしとおんなじだわ。そうそう、そうなんだよねー」という経験をしたことがあるでしょう。わたしはこの本の主人公徳一さんの考えてることに、同感はあまりしなかった。だけど、70歳、80歳の人が読んだら、きっとそう思うんだろうなという気がします。そして、今の私は、30歳の人よりはずっと徳一さんに近い感情を持っているという気もしました。「おじいさん」じゃなくて「オジいサン」と呼ばれた。それは誰が何と言おうと「オジいサン」なのだ。真ん中の「い」は、断じて「い」なのだ。そう呼ばれたのはいつだったか。昨日か、3日前か、5日前か。場所はどこだったか？その場所の記憶にたどり着くまでに、物語全体の3分の一くらいかかります。またある日は、スーパーで試食販売のソーセージを試食したところから始まり、料理して食べるまでに、やっぱり全体の3分の一くらいかかってる。徳一さんがぐずぐずしているわけじゃないし、無駄な描写があるわけでもない。徳一さんはひたすらまじめに、誠実に、そしてけなげに生きているだけなのです。それはどこかおかしい。そして、せつない。人間は、こうやって年をとり、こうやって社会の片すみに追いやられ、それでもまじめに生きていくのだと、私に教えてくれます。徳一さんはそんなことは何も考えちゃいないだろうけど、電器屋の2代目さんもちゃんと徳一さんから学んでいます。お年寄りの方が読んでも楽しめる本だし、私のようなあまり遠くない将来、高齢者と呼ばれるようになる世代の人も、ゆっくり手にとってほしい本です。ちぎっては投げみたいに、次から次に手当たり次第に読んでる人は、ちょっと立ち止まって深呼吸してから読んでね。　【中古】単行本(小説・エッセイ) オジいサン【画】　【中古】文庫 文庫版 姑獲鳥の夏【10P02Aug11】【画】

  2011.08.10

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  「県庁おもてなし課」　有川浩

  みなさま、長い間ご無沙汰していましたが、やっと。やっと。やっと、夏休みに突入しました。新米日本語教師のぱぐらは、日々の授業の準備や勉強に追われ、読書からすっかり遠ざかっておりました。授業といっても週にわずか二日しかクラスをもっていないんですが、それでもその準備にかける時間は、90分授業に対して5,6時間以上。いったい何をそんなに準備することがあるの？と言われそうだけど、日本語教師をやったことがある人ならみんなわかってくれるはず。とにかく、わたしは学校中の学生や教師や事務員たちの中で、誰よりも夏休みを待ち焦がれていたのでした。これから8月21日まで、普通の学校よりちょいと短いけれど夏休みを満喫する予定です。（と言ってもどこに行くわけでもなく、家の中で読書三昧ですが）夏休み第一日目に行ったのが書店と図書館。そして一番に読んだのが、この「県庁おもてなし課」です。高知県庁のおもてなし課（実在）を舞台にした地域おこしの現実を、いい大人にしてはちょっとかわいすぎる恋をからめて描いた、なかなかさわやかな物語です。わたしはうかつなことに、読み始めてしばらくは荻原浩さんの本だとばかり思っていました。だって、お役人の脳みその硬直具合をおもしろおかしく表現しているところなんて「メリーゴーランド」そっくりです。だけどそのうち、複雑な人間関係の機微に触れたり、ほのかにめばえた恋心のところに来ると、あれ？ちょっと違うぞ・・・で、はじめて著者名を確認して、自分のマチガイに気づいた…なんとまあ、まぬけな話ですね。なんていうのかなあ、心の機微に対してとても繊細に触れるか触れないかという距離を保ちながら書いているのが有川さん。柔らかい表現ながら、核心をついて納得させられるのが荻原さん。それは男女の差なのか、世代の差なのか分からないけど、（たぶん世代の差のように思います）そういう違いを感じました。それと、もう1つ。方言を使った小説って、なんでこんなに楽しんでしょう。はじめのうちは乗り切れないんだけど、慣れてくると一種独特のリズムがなじんで、すいすい進みます。高知方言のイメージは、NHKの「龍馬伝」で出来上がっていたので、すぐになじみましたよ。おもてなし課の面々はそれぞれに成長し、硬直した役人ぽさも残しながらだけど、前進しはじめました。二つの恋もみごとに成就しそうです。しかし、この「おもてなし課」は高知県庁に実在するそうで、有川さんが「こういう本を書いてもいいですか。」と打診したとき、二つ返事でOKが出たとか。なんと太っ腹な！！さすがいごっそうの国高知！高知に行って、どんないごっそうがいるのか見てみたいじゃないですか？！県庁おもてなし課

  2011.07.25

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• 「ハリーポッター　死の秘宝」映画を見ました。

  本に続いて、映画もとうとう終わってしまいました。ハリーポッターの「死の秘宝」後編です。いえ、まだ映画館でやっていますよ。でも、私にとって、未知の映画を待ち望んでワクワクしながら待っている、何より楽しい時間は、もう2度とくることはないんですね。本を読み終わったときも、どうしようもない寂しさに襲われましたけど、まったくそれと同じです。ハリーとの旅は終わってしまった。そして、彼はもう私の助けなんか必要としない立派な大人になってしまったのね。（初めからぜんぜん必要じゃないけど）この映画をあまりにも熱く待ち望んでいたせいか、映画の出来からいえば、シリーズの中でもあまりいい方じゃないような気がしました。グリンゴッツから白いドラゴンに乗って逃げるシーンは、本で読んだときよりさらっとしすぎていたし、ホグワーツでの戦いも、もう1つ迫力に欠けました。でも、いいんです。あの、本に描かれていた深く熱い場面が、そのままスクリーンに表現されるとは思いません。ちょっと寂しいけど、ハリーポッターの桁外れのおもしろさを邪魔するものではありません。ホグワーツの決闘シーンでは、原作では先生たちが団結して得意の魔法で戦うとありました。でも映画では、マクゴナガル先生とスラグホーン先生がいたくらいで、懐かしい姿が少なかったです。これから見ようと思っていらっしゃる方にちょっとアドバイスしますと、この映画は前編につながっているわけですが、前編を振り返って復習するようなシーンはまったくありません。前編の終わりのシーンをちらりと見せただけで、すぐに次なる冒険が始まります。まるで、ほんの少し前に前編を見たでしょ、と言わんばかりのそっけなさです。前編の終わり方を覚えていないという人には、物語に入っていくのが難しいんじゃないかと思います。本を読まないで映画だけで今まで来た人には、もっと難しいでしょう。本を読む方は、できれば「死の秘宝」の１をぱらぱらでもいいので、少し復習されたほうが分かりやすいと思います。ハリーポッターの映画を初めて見てから、7年もたったんですね。子役たちもずいぶん大きくなりました。ハリーは小柄でやせているけれど、まっすぐな瞳を持った青年に成長しました。まさに原作のハリーそのものです。ロンも原作どおり、背の高い青年になりましたし、ハーマイオニーも、すらっとした知性的な雰囲気の女性になりました。7年前、彼らがオーディションで選ばれたとき、原作の雰囲気を持っていたんでしょうが、成長して大人になった後のことまで想像して、選んだんでしょうね。たとえば、親や兄弟を見てどんなふうに成長するかも考えて選んだんでしょうか。ドラコ・マルフォイは、幼い頃はほんとに可愛い顔だったけど、最後には闇の魔術から足を洗って屈託ありげな大人になりました。私のイメージと違ったのは、ネビルとジニーかな。ネビルは頼りない劣等生だったけど、とても体格がよくなって、頼りがいがあって考え深そうなタイプになりましたよ。ジニーはちょっと地味な顔立ちと思っていたけれど、彼女もがっちりした体格になったみたいです。いいお母さんになりそう、って感じでした。それから、ドラコの友だち（子分）クラッブとゴイルは、今回の映画では一人が黒人でした。確か、前回までは黒人じゃなかったと思います。そんな細かいどうでもいいようなことを思いながら、映画を見ました。長い長い物語の最終巻というのに、過去を懐かしむようなシーンもまったくなく、わたしのちょっとセンチメンタルな気分も吹き飛んだわけですが、原作でもそうだったけど、19年後のマイホームパパになったハリーとその家族のシーンは、蛇足じゃないでしょうか。お母さんになったハーマイオニーはとてもきれいでしたが。

  2011.07.20

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  「ふがいない僕は空を見た」　窪美澄

  「女による女のためのR-18文学賞」という賞があるそうですね。この本はその大賞をとった短編を元に、続辺を書き足したものだそうです。「R－18」という言葉も、実ははじめて知りました。暴力的であったり、反社会的であったりする内容のものを、つまりほとんどエッチなものという意味みたいですが、18歳以下の子どもたちに見せてはいけないってこと。（何を今さら。18禁という言葉なら知ってました）それで、この文学賞は、多くの実力派の女性作家を輩出しているそうなんですが、この本もまさにそのとおりだと思いました。R-18に相当するのは最初の一編だけで、後半はその18歳以下の高校生の行き方をさぐり、さらに最後には人間が生を受けることに力強く迫っていく物語です。だから、この熱くて生々しくて、それなのにさわやかな感じのする物語を、わたしは18歳以下の人たちにも読んでほしいという、矛盾した感想を持ちました。不妊のあんずさん、高校生の卓巳くんと良太くん、勉強を教えてくれる田岡さん、助産婦のお母さんとみっちゃん、松永さんの家族たち、あんずさんの強力な姑さん、みんな生きてるんだなあと素直に共感してしまう、まっすぐさがとてもいい気持ちです。「ふがいない僕」って誰だろうと思いながら読みましたけど、結局最後まで誰かわかりませんでしたけど、これはきっと私たち生きている人みんなのことなんでしょうね。ところで、この本は普通に書店や図書館に置いてありますから、別にR-18というわけじゃないんですよね。誰でも読めるんですよね。ということは、この文学賞の名前は「R-18文学賞」と言っているけれど、ほんとうにそうなんじゃなくて、それくらいいやらしいよという例えなんですね。もしR-18にひかれてこの本を読もうと思う18歳以下の人がいたら（いっぱいいると思いますが）、この本は18歳以下の人にもとてもいい本ですから、どうぞどうぞお読みください。そして、ちゃんと最後まで読んでくださいね。きっと、この本が好きになりますよ。　【書籍】ふがいない僕は空を見た

  2011.05.31

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  「長男の出家」　三浦清宏

  読み始めて思い出しました。わたしは、この本を読むのは3回目です。芥川賞にしては（？）ちょっと読んだ感じは、難しい言葉や表現もないし、あまり長くないし、さらさらと読める本です。軽く読んで、そのまま「おもしろかった」ですませることもできそうです。だけどこの本は、人によって響くところが違うだろうなと思わせられます。人によってもそうですけど、同じ人でも読んだときの背景や立場が違えば、全然違う読み方ができるだろう・・・そう。この本は、ちょっと珍しいくらいいろんなことを感じられる本だという気がしました。ストーリーは実に簡単です。ごく普通のサラリーマンの家庭の長男が、わずか9歳で僧侶になりたいと言い出します。普通9歳の少年の夢なんて、すぐに忘れて、その時々に興味の向くものになりたいというのが普通だと思いますが、この長男の意思は固く、とうとう中学生になって出家してしまいます。職人に弟子入りするのも厳しい修行でしょうが、仏門に入ることにはもっと、想像を超えた厳しさがありました。が、本人は淡々とすべてを受け入れていきます。受け入れられないのは、両親の方です。まだ十代の愛する息子を手放す。手放すといっても、昔の丁稚奉公のように盆と正月に里帰りができるわけではありません。寺に訪ねて行って遠くから姿を垣間見るだけで、声もかけられないし、好物を食べさせてやることもできません。そればかりか、戸籍まで赤の他人になってしまうのです。親に甘えるどころか、急に他人行儀に（他人になったんですが）「木村さんがおみえになりました。」などと住職に伝える長男。生み育てた親でありながら、親であることを許されない。そこにいるのに、声もかけられない。そういう状況になったとき、父親は自分が今まで生きてきたみちのりを思い、母親は自分と子どもの将来を見る。そしてそれぞれが、この受け入れ難い状況を自分なりにかみ砕いて消化していく。これは、そんな親の物語です。昨今の親子の関係は、大学生にもなった息子を小さい子ども扱いしたり、80歳の母親が50歳の息子に○○ちゃん、気をつけてね。なんてやってるのが、当たり前の風景になってしまっていて、たいした違和感も持たなくなってきましたよね。（うちにもいるけど）親って、放っておけばそんなふうになってしまうものなんだとも思います。親として、まだ15年ほどしか子育てをしていないこの夫婦が、いきなりスパッと親の道を切られてしまって、これからの人生をどうやって生きていくのか、私はそれがとても知りたいです。また、両親の気持ちを表現しているところはたくさんあるけれど（でも、控えめです）、長男本人の気持ちについては、ほとんど何も書かれていません。父親が日常の長男の様子を思い出しては想像するだけです。わたしは、長男のほんとうに気持ちも知りたいと思いながら読みました。だけど、親ってものは、結局子どもが本当に何を感じているかを知ることはないと思うので、読者も知らなくてもいいことなのかもしれませんね。そこがまた、読み手を深く考えさせる点だと思います。これは著者の三浦清宏さんの実体験じゃないかという気がするのですが、続編を書いていらっしゃらないのでしょうか。もしご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。【送料無料】長男の出家新版

  2011.05.27

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  「老いの才覚」　曽野綾子

  曽野綾子さんという作家は、わたしにとっては、そんなにたくさん小説を読んだことがないにもかかわらず、どこか気高くて手の届かないような、一種の尊敬の気持ちを持っている作家です。特に彼女のエッセイは、日頃からなんとなく感じていてもうまく口に出来ない、または口にするチャンスがないようなことを、胸のすくような明快さで表現してくれる、厳しい人でもあります。最近で言えば、「老いの才覚」の冒頭に、後期高齢者医療制度のことが出てきます。後期高齢者も保険料を負担しなくてはならなくなり、年金から天引きされることになったというニュースでした。後期高齢者に当たる人が「我々を殺す気か」と怒っているのを、テレビのニュースで見た人はたくさんいることでしょう。私も見ました。見ながら、なんだか情けないような恥ずかしいような、なんとも言えず嫌な気がしたのを覚えています。曽野綾子さんもそんな映像を見たんですね。そして、老いる力を持った自立した老人にならなければならないと、厳しく批判しています。そうそう、私もそう感じたんだ。そう言いたかったんだ。ずるいようですが、これを読んだとたんに、胸につかえていたものがいっぺんにストンと落ちたような、すっきりした感じがありました。この本は、一貫して「自立した老人になりなさい」をテーマにした、厳しいエッセイ集です。私はこの本を読んで、胸がすっきりし、私に書かれたような本だわ、と自戒の気持ちを持ち、50代でこの本にめぐりあってよかったなあと、いたって単純に納得したわけですが、みんながみんなそうは思わないだろうなあという気もします。今まで長い年月苦労して働いてきて、年をとった今、若い者に甘えて何が悪いんだ、という考えの人も日本人には多いのではないでしょうか。それも一つの考え方でしょうが、若い者に甘えようとして甘えさせてくれなかったとき（そうなることの方が多いでしょう）そのお年寄りは、どうするんだろう。恨み言を言いながら残りの人生を無為に過ごすのでしょうか。それよりは、若い者など頼りにせずに、自律しつつ好きに暮らすほうが楽しいに決まっています。さて、ちょっと話が飛びますが、こんなことがありました。数年前のことです。わたしは近所の体操サークルに入って、エアロビクスの真似事みたいなことをやっていました。そこで知り合った同年代の人と話していたら、お互いに映画が好きだということがわかりました。あの映画はおもしろかったわね。あれは見ましたか？などと、いろいろ話して意気投合。話も合うし、感じのいい方で仲良くなれそうです。わたしは「今度いっしょに行きませんか？」と言いました。すると、彼女が言ったんです。「ぱぐらさんが行かれるときは、連れて行ってくださいね。」「ん？！」わたしは一瞬返事をしなかった。だって、おかしいじゃありませんか。お互いにいい年をした大人です。しかも映画が好きで、街の映画館はどこにどんなのがあるか全部知っている。「連れて行ってくださいね。」じゃなくて、「いっしょに行きましょう。」じゃないですか？それを「連れて行ってくださいね」と言われたら、見る映画はわたしが決めるの？何日の何時の上映を見るか、何時に待ち合わせをするのか、どこの映画館で見るのか、全部わたしにお任せってこと？私たちは、対等な立場じゃないの？その主体性のない無責任な一言で、私の方はいっしょに行く気持ちが消えてしまいました。たった一言のことでそこまでこだわる私のほうが、おかしいのかもしれません。彼女だって、特に意味もなく謙遜の気持ちで言っただけかもしれません。箱入りみたいなその言い方は、自分をかわいく見せたいという心理だったのかも…話が大きくそれてしまったようですが、自立できないおばちゃんは、当然自立した高齢者にもなれっこないんだなあ・・・というようなことを思い出しました。今、読み返してみて、彼女はひょっとしたら私と映画に行きたくなかったのかも知れないなあと気づきました。だから、「連れて行ってください」などという行きたいのか行きたくないのかわからないような言い方をしたのかもしれませんね。とすると、彼女のほうが一枚うわて。食えないヒトってことになりますね。【送料無料】老いの才覚

  2011.05.17

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• 夏石鈴子さん、こちらこそありがとうございます。

  今日は、お聞き苦しいかもしれませんが、ちょっと自慢させてくださいね。前回の日記に夏石鈴子さんの「逆襲、にっぽんの明るい奥さま」の感想を書いたんですが、なんと、その夏石鈴子さんからコメントをいただいたんです。しかも、「読んでくれて、わかってくれてありがとう。」って！（コメントはこちらです）作家さんから「わかってくれてありがとう」ってお言葉を頂くなんて、本好きとしてなんてうれしいことでしょう。感無量って、こういう気持ちのことを言うんですね。夏石さん、私のほうこそありがとうございます。本は、書店で選んで楽しく、買って自分のものになった本の表紙を眺めるのも楽しく、読み始める瞬間がさらに楽しく、読んでいる間の楽しさは言わずもがな、読み終わった後の余韻も深ければ深いなりに、浅ければ浅いなりにそれぞれ楽しく、少ない語彙を探しながら感想文を記すのも楽しく、最後にブログ友だちからいただくコメントを読み味わうのも実に楽しい。そんなすばらしい、私のかけがえのない趣味です。夏石さんからコメントをいただき、しかもお礼を言っていただくなんて、これ以上のうれしさはありません。これからも、すてきな本をたくさん書いて、私たち本好きを喜ばせてくださいね。それから、わたしは山口あおばさんの平凡な幸せを、切に願っています。山口あおばさんに、くれぐれもよろしくお伝えください。

  2011.05.11

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  「逆襲、にっぽんの明るい奥さま」　夏石鈴子

  あなたがもし誰かの奥さまと呼ばれる立場なら、この本を読めば「そうだそうだ！！がんばれ！」と思いっきり同感して、胸がすっとすることでしょう。夫に対しても、子どもに対しても、そして何より、夫の母親に対しても、日頃から言いたくても言えなかったことを、この本に出てくる奥さまたちがはっきり言ってくれるからです。それくらいこの本の奥さまたちは、歯止めなく言いたい放題言い切ってくれます。わたしたち現実の奥さまとしては、言いたいことは山ほどあれど、言ってしまったことで後々いざこざが起こるのはいやだし、後味悪いのもいやだし、じゃ赤の他人相手になら言えるかというと、やっぱりちょっと恥ずかしくて言えないわ・・・・という理由から、思う存分言えないもどかしさがあるんですよ。そして、そんなのが心の中に溜まってきて、いつのまにか消えてしまえばいいんだけど、なかなかそうはいかなくて、都会の川みたいに淀みになってる。そんな奥さまの気持ちを納得させてくれる、奥さま専用の本です。一見奥さま専用の本に見えるこの本ですが、しかーし、この本をほんとうに読んでほしいのは、旦那さま、あなたですよ。あなたの奥さまは、こういうことを考えているんですよ。黙っているのはあなたやあなたの母親に従順だからじゃないんですよ。分かってますか？まあ、だまされたと思って、この本をお読みください。今夜から、奥さまの言動が気になって、おちおち会社の帰りにちょっと一杯なんてやってられませんから。ところで、この本に出てくる奥さまたちの中で、一人だけ本物の奥さまじゃない女性がいるんです。彼女はネイルアーティスト。しかも、でぶでぶすの。夕方駆け込んできたお客様のために彼女が語るネイルアートの意味や、彼女の生き方が、とてもすてき。ネイルってすばらしいと思わせられます。旦那さまがこの本を読んだら、きっとこの女性を僕の奥さまにしたいって思うんじゃないでしょうか。というわけで、この本は日本中の奥さまと旦那さまと、そしてまだ結婚していない全ての人々におススメいたします。【送料無料】逆襲、にっぽんの明るい奥さま

  2011.05.07

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• 4月に読んだ本　10 冊

  いつ頃からでしょう。「元気をもらう」とか「元気を与える」とかいう言い方が耳につきはじめたのは。昔はそういう言い方はありませんでした。わたしはその言い方を聞くたびに、どこか違和感があって居心地の悪いような感じがしていました。でも、3月の大地震があってから、この言い方を毎日のようにテレビや新聞に見つけるようになりましたね。被災していない人が被災した人々と接して、「逆に元気をもらいました。」なんて、よく言っています。慣れとは恐ろしい。今じゃ、違和感まったくなくなりましたし、それ以外の言い方を思いつかないくらい普通になってしまいました。もともと、「元気｣は、他人にあげたり他人からもらったりするものじゃなかったと思います。いつも誰の心の中にもあるもので、たまたまそれが小さくしぼんで他の物の陰に隠れたりしているときは、「元気がない」という状態。でも、何かのきっかけで「元気」はひょっこり出てきて、「元気が出た」という状態。そして「元気」はどんどん大きくなって胸いっぱいにふくらんだ「元気いっぱい」という状態だと思います。特に他人からもらわなくても、一人ひとり自分の「元気」を持っているはずですよね。「元気をもらいました」と言いたいときは、何と言ってたか・・・と考えてみても意外と思いつかないんですよね。普通に「元気が出ました。」とか「励まされました」とか「感動しました」って感じかな。私自身、あまり人から「元気」をもらった経験がないんで、ピンと来ないんですけど、たとえばものすごくがんばって成功をおさめた人の話を聞いて、わたしもがんばろう！って思うとき、「元気をもらった」って言うのかなあ。やっぱり「元気が出た」の方がふさわしいんじゃないかなあ。そういえば、プロ野球界の人が「元気を与える」とか言っちゃって、物議をかもしていましたね。「夢を与える」という小説がありましたね。（綿矢りささんです）「感動をありがとう」なんぞというクサイ言い方もありましたね。と、どうでもいいようなことをぼんやり考えている、連休中のぱぐらでした。さて、4月に読んだ本です。すごくおもしろいのも何冊かあったのに、感想を日記にするのが追いつかなかったので、残念です。少しずつアップしていきたいと思います。１．「桐畑家の縁談」　中島京子２．「昨日と同じに見えるけど」　夏石鈴子３．「女中譚」　中島京子４．「逆襲　にっぽんの明るい奥さま」　夏石鈴子５．「ツリーハウス」　角田光代６．「今日もやっぱり処女でした」　夏石鈴子７．「砂の王国」　荻原浩８．「悪人」　吉田修一９．「夜想」　貫井徳郎10．「なくしたものたちの国」　角田光代

  2011.05.05

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• 「悪人」　吉田修一

  【後半でちょこっとネタばれしています。ご注意を】吉田修一さんは、「パレード」に続いて2冊目です。「パレード」もよかったけど、私の中では中くらいの感動だったので、「悪人」も中くらいの期待しかしていなかったのですが…これはものすごく良かったです。人間とはこんなに愚かで悲しいものなのかと、胸に迫って苦しいくらいでした。この小説の舞台は九州の福岡県、佐賀県と長崎県ですから、登場人物はみんな九州方言を話します。わたしは九州生まれではないけれど九州に来て長いので、九州方言の抑揚や微妙なニュアンスもほぼ全部わかります。そのうえ、地名も身近なものが多かったし、どんな場所なのかもわかっています。さらに言えば、お金持ちのかっこいい大学生が通っていた大学が、どの大学をモデルにして語られているかも、はっきり分かります。（これは、この大学の関係者はあまりおもしろくないかもしれないけど、この小説に出てくるようなイメージがあることは否めません）そんなわけで、ますます臨場感があったので、登場人物に深い思い入れを持つことができたのかもしれません。ところで、いつものように「読書メーター」の方にも短い感想を書きました。わたしはそこに、「主役だけじゃなく周囲の人々の細かい日常まで描かれていて」と書いたのですが、後でよく考えてみると、これは間違っています。主人公の周囲の人については細かい日常が描かれているのですが、肝心の主人公については、あまり触れられていないのです。というよりも、彼の見たこと、彼の考えたことや感じたことが、ほとんど書かれていません。だから、主人公祐一がどんな人間かは、その祖父母やおじさんや、被害者や、光代、風俗の女の人が見た祐一を通して想像するしかないのです。著者は、タイトルを「悪人」として、祐一はほんとうに悪人なのかと、問いを投げかけているのかもしれません。祐一は殺人を犯したのですから悪人と呼べるのかもしれないけど、被害者の佳乃はどうなの？お金持ちの大学生増尾はどうなのよ。と、読んだ人なら誰でも思いますよね。特に無罪放免となった後の増尾の言動は許せません。死んでる人間を山に捨てたら罪になるけれど、怪我をさせた生きている人間を山に捨てても、罪にならないんですね。祐一が逮捕された後、祐一の証言により光代は被害者となって普通の生活に戻れるのですが、祐一の本当の心を感じ取ってあげて！と叫ぶように思いました。が、この点は明らかにされないままで終わってしまいます。あーつらいわ。ところで、映画「悪人」では深津絵里さんが立派な賞を受賞されて話題になりましたね。わたしは深津絵里さんが前から好きだったので、とてもうれしかったです。（まだ映画は見ていませんが）祐一役の妻夫木聡さんは、基本的に平和な善人の顔をしているように思うので、どんな「悪人」を演じたのか、とても興味がわいてきました。時間があれば、この連休中に見たいと思います。

  2011.04.29

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  「なくしたものたちの国」　角田光代

  いつも現実をより現実っぽく描く角田さんですが、この本は珍しく不思議なおとぎ話風な小説です。ちょっとだけですが、小川洋子さんの静謐系に近いような本です。だからなのかどうなのか、私はこの本が大好きです。私たちがなくしてきたもの。それは物だったり能力だったり、または感性だったりするんだけど、前は（幼いころは）あったのにいつのまにかなくなってしまったもの。そういうものが、私たちの知らないどこかの国に、集められ整理されてしまってあるのだ、というお話です。この本の主人公ナリ子がなくしたものは、いろんなものと話をできる力で、庭のトカゲや山羊のゆきちゃんやいつもポストの横にいる透明な女の人や・・・いつも話ができたのに、8歳でできなくなってしまった。それから、山羊のゆきちゃんに貸してあげた、お母さんのかんむり。ミケの生まれ変わりだった中学生の記憶、生まれなかった女の子。それなら、わたしが今までになくしてしまったものって何だろう。えーと・・・私には3歳違いの妹がいるんだけど、妹がまだ小さすぎてはっきりしゃべれない頃、わたしは妹と母の通訳をしていました。妹が何か言うと、母が「今何て言ったの？」と聞いてくる。わたしは妹の言うことがいつもはっきりわかっていたので、ちゃんと通訳してあげる。みんなは「よくわかるねえ」って驚いていたけれど、私は「なんでこれがわからないんだろう」って不思議でしょうがなかった。そのうち妹も大きくなって通訳なしで母と話せるようになり、私の役目は終わってしまったのだけど、今じゃ英語やイタリア語も操る妹の、最初の語学学習の協力者はわたしなのです。そんな通訳としての能力を、なくしました。「不思議の国のアリス」の絵本。この絵本は、とても不思議で魅力的な絵がたくさん載っていて、小学生の私はその絵をみるだけで、不思議の国に入っていけました。今もときどきその絵が見たくなる。あちこち探したこともあったけど、結局どこの出版社なのか、誰が翻訳したものなのかも全然わからなくて、もう諦めてしまいました。わたしはその絵の中でも特に、アリスと踊るドードー鳥が大好きでした。たぶん今その絵を見ても、きっと不思議の国に入ってはいけないだろうと思います。今の私は、あの頃のわたしよりもたくさんのことを身につけています。算数の問題も少しなら解けるし、漢字がいっぱい載っている本も新聞も読めます。大人になってからは料理や編み物もできるようになったし、今は留学生に日本語を教えることもできる。こうやって、パソコンをいじることもできます。だけど、いつのまにかなくしてしまったものと比べて、わたしが後から身につけたものはなんてつまらないんだろう。身につけたわけじゃなくて、最初から身についていたものは、ほとんどなくしてしまった。それはみんなキラキラしていたのに。今のわたしはとてもつまらない。なくしてしまったもの、もう二度と帰ってこないものを、探しに行こう。誰も知らない遠い国にある保管庫の、長い長い迷路のような廊下を曲がり、一つのドアを見つけよう。私たちの記憶は消えてしまったんじゃない、姿を変えて静かに場所を変えただけなんだから。　【中古】単行本(小説・エッセイ) なくしたものたちの国【10P22Apr11】【画】

  2011.04.26

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  「砂の王国」　荻原浩

  ちょっとだけネタばれしているかもしれません。でも、この感想文を読んでも、この本のおもしろさは損なわれないと思います。気になる人は、ここを読まないでくださいね。主人公は、元サラリーマンだったホームレス、山崎遼一。所持金3円。拾った100円玉一個に狂喜する山崎が目をつけたのは、超イケメンで不思議な人徳のあるホームレス仲村とインチキ占い師龍斎だった。とくれば誰だって、あ、新興宗教を立ち上げる話だなって思いますね。新興宗教の話となれば、きっとインチキを積み上げて信者を爆発的に増やし、最後には破滅していくんだろう、くらいは誰だって思うはず。篠田節子さんの「仮想儀礼」をご存知の方なら、きっとあの話を思い出します。でも、あーまたか、どうせ転落していくんだろうという気はまったくしませんでした。それくらい、おもしろさが読み手をひっぱってくれましたし、荻原浩さん独特のちょっと突き放したようなユーモラスな文体が、ときどき深刻さから救ってくれるような気がして、とても魅力があるんです。主人公の計画した、普通の新興宗教とは一線を画した宗教色の薄い宗教は、彼の計画通り社会の信頼を得ていきますが、ある時から造反した生き物のように彼の手を離れ、制御がきかなくなっていきます。そのへんは、篠田節子さんの「仮想儀礼」と同じです。「仮想儀礼」では主人公がその宗教から離れたいと思っても、からみとられ身動きができなくなって、流され続けていくラストでしたが、「砂の王国」では会員からスポイルされ、命まで狙われてミステリーじみた展開になっていきます。また、その宗教がインチキだと見抜いて退会した若者が、ブログで「自分以外を信じてはいけない。目に見えないものを信じてはいけない。」と呼びかけます。まともなことを言っているから目が覚めたのかと思ったら、その後で、新しい教団をたちあげたと言って主人公に入会を勧めている。自分の考えたことを自分で消化するのではなく、何か組織立ったものに代弁させないと表現できないという、現代人の弱さみたいなものを象徴していると思いました。結局、ホームレスに戻ってしまった主人公は、それがかえって人間らしい生き方に戻れたとでもいうように（まさにそのとおりなんでしょうね）、生き生きと落ちている小銭を探します。それは、読み手にとっても妙に安堵できるラストでした。余談ですが、最近アスペルガー症候群という障害があることを知り、ちょっと本を読んだりしていたんです。この本にその名前が出てきて、びっくりしました。坂本龍馬、アインシュタイン、ゴッホなどがそうだと言われているそうです。（本当かどうかはわかりませんよ。）もう一つ余談ですが、新興宗教ものの小説では貫井徳郎さんの「夜想」というのがあるそうですね。ぜひ読んでみたいです。【送料無料選択可！】砂の王国 下 (単行本・ムック) / 荻原浩/著【送料無料】仮想儀礼（上）

  2011.04.22

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• 「ツリーハウス」　角田光代

  評判の高い角田光代さんの長編です。満州で出会った一組の男女から始まった、一つの家族。その、終戦から現代までの歴史をたどったものです。わたしの年齢になると、リアルタイムで記憶している事件も多く、あーそんなこともあったなあと感慨深いものもありました。長い長い年月にいろいろなことがあったんだなあとも思うし、あっというまの出来事だったんだなあとも思います。が、角田さんは一つ一つの事件にあまり筆をかけることなく、次々に起こる家族の出来事の方を追っていきます。しかし、家族の出来事と言っても、ただ起こることをありのままに受け入れるだけで、後追いも何もしません。希望もないし、後悔もありません。角田さんの筆は、その家族のあり方そのままのように、何もとらえないまま流れていきます。家族の物語と並行して、親子孫三世代で中国を旅する三人が描かれます。おばあさんの行動や、中国人とのふれあいがなかなかおもしろいです。おばあさんが見ず知らずの中国人に土下座して謝る場面が圧巻ですね。誰にも何も言わないけれど、長い間忸怩たる思いを隠し持っていたんですね。この旅行は、おばあさんにとってたいへんに大きな意味があったと思うのですが、家族の歴史とこの旅行とがもうひとつリンクできていないような、物足りなさがありました。それと、物語の語り手がはっきりしていないせいで、中国旅行中の良嗣が誰からおばあさんの昔の情報を得たのかという点が、明確じゃない。そこも、ちょっと残念です。

  2011.04.17

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• 支援のしかた

  大地震で被災された方々のお役に立ちたいと思うのは、誰しも共通の気持ちでしょう。お金を出す人もいれば物資を送る人もいる。労働で支援する人もいるでしょうし、何もできないけれど心の中でじっと祈る人もいるかもしれません。どのような形で支援するかは人それぞれですが、気持ちは同じです。どれが正しくてどれが正しくないということは、誰にも言えません。また、わたしは読書量が多い割には言葉を知らず、稚拙な表現しかできないことは自覚しております。言葉に敏感な方にはご不快かもしれませんが、ご放念ください。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何を書いているのか分からないと思われた方も、たくさんいらっしゃることでしょうね。これは、前回の日記にいただいたコメントに対する返事です。もしよろしければ、コメントのほうもお読みください。

  2011.04.15

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• 3月に読んだ本　9冊

  中島京子さんから火がついたように、3月は冊数が進み、今は夏石鈴子さんにはまりつつあります。夏石さんのおもしろさって、なんて言ったらいいんでしょう。誰も取り上げないような心のひとり言を、見事に本にしてくれた人って感じかな。この二人の本は、ものすごいスピードで読めるってところが共通点です。「悪意」　東野圭吾「再生の朝」　乃南アサ「エルニーニョ」　中島京子「虹色の皿」　拓未司「イトウの恋」　中島京子「平成大家族」　中島京子「エ/ン/ジ/ン」　中島京子「僕のメジャースプーン」　辻村深月「均ちゃんの失踪」　中島京子「ハブテトル　ハブテトラン」　中島京子感想文はあまり書いていないんですが、こちらの方はプチ感想文を、読んだ本全部について書いています。よろしければどうぞ。ところで、今まで東日本大地震のことについて、何も触れずに一ヶ月も過ぎてしまいました。もちろん、息をつめて津波の映像をみつめ、避難所の様子に心を痛め、原子力発電所のニュースに暗澹とした気持ちになってきました。また、被災者の皆さんのお力に少しでもなりたいと、心を砕いているのも、日本中の人々と同じ気持ちです。しかし、ほんとに情けないことに、私は大地震関係のニュースを見ていると、なんだか心がざわざわして、悲しくて逃げ出したくてたまらなくなる。そう、昔心の病気だった頃のあの症状が、戻ってくるような恐怖心があるのです。それが来た時は、あわててテレビを切って深呼吸する。そんなふうにしています。被災された方々に比べて、なんてやわな私の心なんでしょう。だから私は自分にできることをしようとしています。募金や義援金、節電は当たり前ですが、わたしは今までどおり、一生懸命仕事をし勉強をし、ときどき楽しいことをします。友達とランチを食べたり、ときには新しい洋服を買います。今までよりも少し多めに、東北地方のアンテナショップに行って、おいしそうなものを買ったりもします。職場では、日本語を教える合間に、東北の地図や写真を使って大地震のことを説明します。原子力発電のことも、辞書をひきひき、新聞を読んで聞かせます。学生は、今まで見たこともないような真剣な表情で聞いてくれるし、電話で国のお母さんに伝えると言ってくれます。これが、平和な九州に暮らす私の、精一杯の協力です。がんばれなんて、言わない。元気を与えるのもらうのなんて、言わない。そう思っています。

  2011.04.10

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  「きのうと同じに見えるけど」　夏石鈴子

  この本で、まず最初に気をひかれたのは、著者の名前でした。夏石鈴子さん。きっと、ペンネームですよね。いかにも晩夏の宵、庭の片すみの石の影ではかなく鳴いている鈴虫を連想しませんか。まだしっかり暮れきっていない庭の、そこだけは暗がりになった苔むした庭石の陰から、響いてくる美しい音色。うーん、すてきなペンネームだなあ。さすがだなあ。中身もとてもおもしろいですね。人間というのは、ほんの一瞬の動作であっても、その一瞬のうちに頭の中にはたくさんのことがばばばっと浮かんでは消えるということを繰り返していますよね。普通そんなことは、次から次へと忘れていってますけど、それを丁寧に拾い集めて文にしました。あとで読み返してみたら、こんな本になっていました。と言いたくなるような、本です。だから、軽くスイスイ読めてしまうし、内容は誰でも「あーそうなんだよなー」と納得してしまうことばかり。こう書くと、その本ほんとにおもしろいの？と言われそうだけど、ストーリーは淡々としすぎていて、特におもしろいことは何も起こりません。そこんところも、私たちの日常と同じです。ただ、主人公を取り巻く人たちは、かなり変わった人、得体の知れない人、優しくていい人そうだけどほんとはどうなの？って人。ちょっと怖いヒトもいます。誰が読んでも緑川さんはちょっと怖いし、福貴子さんはかなりおもしろいでもいい人って思いますよね。でも私は実は、イラストの先生（わりと女っぽい若い男性らしい）が不気味です。表現形はとても親切で優しい人なんだけど、おかしくない？この先生。習い事の先生が、新参の生徒に向って、古くからいる生徒のことをあんなに話すかなあ。しかも、これ以上はないというくらいプライベートでビミョーなことを。本人は、きっと傷ついていてあまり人に知られたくないと思っているに違いないのに…この本は3冊続き物で、わたしはどうやら2冊目だけを読んでしまったみたいです。（ほらほら、わたしみたいなどじな本読みがいるんだから、本の題名には続ナントカとかことわってほしいものだわ。同じ失敗を、何度も何度もやってます）1冊目と3冊目も至急読まなくちゃ、です。【送料無料】今日もやっぱり処女でした【送料無料】きのうと同じに見えるけど

  2011.04.09

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