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カテゴリ:ショパン
チェコでは日本のように桜も咲くのですが、私にとってのお花見は・・・ いつしか、りんごの花になっています。 このシリーズを書いているうちに、りんごの花は散ってしまいましたので、 りんごとマズルカのお話しは、今回でおしまいにしようと思います。 ::::::::::::::::::::: さて、りんごの花を愛でながらりんごケーキを食べる。 これは、保存技術の進歩した現代だからできることなのかというと・・・ 実はそうでもないのですね。 オーストリアには 「一冬倉庫で保管できるりんご」 というのがありました。 ::::::::::::::::::::: 農家を改築したお宅で、そのロングライフりんごをいただいたことがありますが、 それは、レーダーアプフェルという名前で・・・ これは直訳すると、レザー・アップル、革(皮)りんご ということになります。 (市場には出回らないものだそうです) ::::::::::::::::::::: その皮は、とても硬くて厚く、食べてみると酸味と渋みがあり・・・ なんとも素朴で舌にしみわたるその味・・・ むかしは、冬に新鮮な野菜や果物なんて簡単には調達できない。 そういう時代があったのだということを思い起こさせられました。 ::::::::::::::::::::: 色は梨のような茶色で、決して赤くはならないりんご。 同じようなりんごが、ポーランドにもあるかも知れませんね。 冷蔵庫や貯蔵技術のなかった昔、これはどれほど貴重なものだったか・・・ このりんごは、そういうことを教えてくれたように感じられました。 ::::::::::::::::::::: 電気のなかった時代は、オーブンに薪をくべ、パンでもケーキでも焼いていた訳ですが、 その薪もまず斧で薪割りをせねばならず・・・ そうやって暮らしていた昔の農家の人々・・・ そしてポーランドの農民・・・ ::::::::::::::::::::: 元はと言えば、農民の間から起こった音楽。それがマズルカなのですが、 それは大変な農作業も多々あった時代に、自然の恵みとともに暮らした・・・ そういう人々のこころから生まれた音楽なのですね。 そこには、多くの楽しみもあり、そしてやり場のないものもあったことでしょう。 ::::::::::::::::::::: こうして、昔の暮らしに思いを馳せてみると、マズルカというのはやはり、 生きるということと直結している。 そういう音楽だと思わされます。 大地に根差した音楽には、春の息吹、短い夏、収穫の季節、厳しい冬が・・・ そしてそこでの人々の暮らしや思いが・・・凝縮されているのでしょうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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