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ピアノが教えてくれたこと

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2008年05月15日
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カテゴリ:ショパン


チェコでは日本のように桜も咲くのですが、私にとってのお花見は・・・
いつしか、りんごの花になっています。

このシリーズを書いているうちに、りんごの花は散ってしまいましたので、
りんごとマズルカのお話しは、今回でおしまいにしようと思います。

:::::::::::::::::::::

さて、りんごの花を愛でながらりんごケーキを食べる。
これは、保存技術の進歩した現代だからできることなのかというと・・・

実はそうでもないのですね。
オーストリアには 「一冬倉庫で保管できるりんご」 というのがありました。

:::::::::::::::::::::

農家を改築したお宅で、そのロングライフりんごをいただいたことがありますが、
それは、レーダーアプフェルという名前で・・・

これは直訳すると、レザー・アップル、革(皮)りんご 
ということになります。 (市場には出回らないものだそうです)

:::::::::::::::::::::

その皮は、とても硬くて厚く、食べてみると酸味と渋みがあり・・・
なんとも素朴で舌にしみわたるその味・・・

むかしは、冬に新鮮な野菜や果物なんて簡単には調達できない。
そういう時代があったのだということを思い起こさせられました。

:::::::::::::::::::::

色は梨のような茶色で、決して赤くはならないりんご。
同じようなりんごが、ポーランドにもあるかも知れませんね。

冷蔵庫や貯蔵技術のなかった昔、これはどれほど貴重なものだったか・・・
このりんごは、そういうことを教えてくれたように感じられました。

:::::::::::::::::::::

電気のなかった時代は、オーブンに薪をくべ、パンでもケーキでも焼いていた訳ですが、
その薪もまず斧で薪割りをせねばならず・・・

そうやって暮らしていた昔の農家の人々・・・
そしてポーランドの農民・・・

:::::::::::::::::::::

元はと言えば、農民の間から起こった音楽。それがマズルカなのですが、
それは大変な農作業も多々あった時代に、自然の恵みとともに暮らした・・・

そういう人々のこころから生まれた音楽なのですね。
そこには、多くの楽しみもあり、そしてやり場のないものもあったことでしょう。

:::::::::::::::::::::

こうして、昔の暮らしに思いを馳せてみると、マズルカというのはやはり、
生きるということと直結している。 そういう音楽だと思わされます。

大地に根差した音楽には、春の息吹、短い夏、収穫の季節、厳しい冬が・・・
そしてそこでの人々の暮らしや思いが・・・凝縮されているのでしょうね。





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最終更新日  2008年05月15日 06時43分44秒
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