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テーマ:最近観た映画。(40112)
カテゴリ:しんみり
「日本の映画でさ、お葬式の時に遺体をきれいに身づくろいしてくれて、
そういうのを仕事にしてる人の話なんだって、TVで予告やってた。 奥、知ってる? 元々オーケストラの団員だったんだけど・・・」 たまに一緒に早朝映画観に行くパン仲間のヨンイさんが教えてくれた。 「どっかで聞いたことある話だなあ・・・」 あ!『おくりびと』だよ!! ロゼさんや天国の口さんちでお見かけしたわ。 「あ~~~観たい、観たい!!」 「ここらでもやってるかね~?ソウルだけかね~??」 ぶどうさんも日記に『おくりびと』がよかった、って書いてらしたので ソウルで上映されてるのは確かなんだけど。。。 検索してみたら、うちの近所の映画館でも上映中らしい。 でも、早朝割引はなくて、一番早い上映時間が夕方の4時過ぎから。 そのかわり夜中の12時過ぎてもやってるよ。 ヨンイさんにそう話すと、 「じゃ、無理ね。『007』が公開されたらまた観に行こう!」 で済んでしまった。わたしは観たい。どうしても観たい。 そんで、観るならパンダにも観てもらいたい。 そこで幼稚園の先生に電話して、今日一日だけ6時半までみてもらえるように お願いして、パンダと一緒に映画館に向かった。 4時だから、まだ学校や仕事が引けてない時間とはいえ・・・ 観客はパンダ夫婦を含めて4人。 贅沢過ぎるわ、この劇場。 『おくりびと』 監督 : 滝田洋二郎 脚本 : 小山薫堂 音楽 : 久石譲 出演 : 山崎努、本木雅弘、余貴美子、広末涼子 吉行和子、笹野高史、山田辰夫、峰岸徹 ************************* 所属していたオーケストラが突然解散となり、 田舎に戻り新しい生活を始めた小林(本木)と美香(広末)。 「旅のお手伝い」という求人広告を見て、面接に行ってみると、 そこは旅行代理店ではなく「安らかな旅立ち」をお手伝いする 納棺専門の会社だった。 淡々と、しかし温かな気遣いで納棺を営む社長佐々木(山崎)の姿勢に、 小林も次第に馴染んでいく。 死はさまざまな形でやってくる。 ニューハーフの息子に。金髪の女子高生に。 優しいお母さんに。長生きしたおじいちゃんに・・・ そして誰にも平等に、丁寧に死に装束を着せ、化粧を施し、 野辺の旅立ちに送り出す佐々木と小林。 しかしそんな小林に妻は「触らないで、汚らわしい!」と家を飛び出してしまう・・・ わたしが初めて身近な葬式に出たのは、 高校生の時で、一緒に暮らしていた祖母の葬式だった。 ずっとずっと朝から晩まで泣いていて、 悲しくて、悲しくてしょうがなくて、 でも、葬儀屋さんが祖母を湯灌して清め、着替えさせ、化粧する間だけは 目も心も奪われた。 映画で山崎務がやっていたように、両手を組ませて一旦ちょっと浮かせてから 胸元に置き、数珠をかけ、全身白い装束に包まれた祖母だったが、 頬と唇だけは愛らしいピンク色で、ただ眠っているようにしか見えなかった。 普段化粧をしてなかったせいで、なおさら可愛らしくて、 旅立つというよりはお嫁にいくみたいだと思ったのを、覚えている。 「いや~、あの人ら本当に肌一切見せないもんね~!!!」 と、後で母が感心しながら話しているのを聞いて、そういえば、 湯灌の時も着替えの時も、祖母の肌はこれっぽっちも見えなかったなとちょっと感動した。 悲しみの中であの一連の美しい所作だけは、魔法のようだったよ。 日本っていいね。 映画の話そのものもよかったけど、山形という舞台がよかった。 あはは、あたしなんてさ、トンビとかカラスとかウグイスの鳴き声だけでも泣けたよ。 羽ばたく白鳥、地吹雪、鳥海山の残雪、川をさかのぼる鮭、桜・・・ そしてそこに久石譲の音楽。 もうね、海外組にはたまらんです。 ただ、妻役は甘ったるくてカンベンしてくれと思った。 夫婦の日常のとこだけリアリティがないというか、浮いてるというか。。。 ね、ぶどうさん?!! 山崎務は完璧。余さんも大好き(ロゼさん一緒、一緒) 吉行和子と笹野高史もほんとにいい。 峰岸徹ももうこの世の人ではないのだなあと思うと、余計涙腺がゆるんだよ。 笑って笑って、そして泣ける。こういう映画、もっと韓国でも公開してもらいたいな。 元々は本木雅弘が『納棺夫日記』を読んで感銘を受け、映画化を監督に要望した とあるけど、わたしも読んだことがある。 納棺夫日記増補改訂版 原作は映画ほど美しいものでも生易しいものでもなかったと思う。 でも確かに感動した一冊。 これを読んでから映画観たら、きれいに作りすぎと思ったかもしれないけど、 わたしは読んでも読んでもさらさらと忘れてく頭なので、 映画は映画でやっぱりいいと思う。 あまり上映期間は長くないと思うので、 在韓日本人奥様、お急ぎくださいね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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