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カテゴリ:本のこと
林望先生の「薩摩スチューデント、西へ」を読みました。
薩摩ってさあ、未だに東北の人、特に会津の人によく思われていないらしいんですよ。 鹿児島のほうは全くこだわりはないんですけど・・・ 攘夷派から開国、倒幕派になっちゃったことで裏切り者と思われているらしいんですよねえ。 でも討幕派になったのは理由があるんですよ。 生麦事件(薩摩の殿様の行列を横切ったイギリス人の承認を切り捨てた事件)が起こって、薩摩は無謀にもイギリスと戦争になったことがあるんですよ。(薩英戦争) 鹿児島湾にイギリスの軍艦が入ってきて、性能のものすごいアームストロング砲をぶっ放されて、鹿児島市の市街地が火の海になったんです。 で、「これは勝負にならない、攘夷どころかかえって占領される」と身に沁みて思い知ったのですよねえ、薩摩は。 それで薩摩の殿様、若き薩摩藩士19人を英国留学させて西欧の先進技術や学問を学んでくるように送り出したのであります。 もちろん幕府の目を盗んでの密航でありますよ。 メンバーは後に大阪経済を立て直すことになった実業家五代友厚とか初代文部大臣になった森有礼とか。 物語は出航からイギリスに到着するまでの船旅の様子、寄港した国々での見聞、植民地になった国々の悲哀、そういったことに多くのページが割かれています。 残念なことに留学自体は1年足らずで資金が底をついて帰ってきたらしいんですよ。 でも、幕末のあまり知られていない歴史、おもしろかったです。 鹿児島中央駅前にある薩摩の留学生の銅像です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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