冬に乱舞する蝶
相互リンク先のchuyoshikoさんは、蝶の幼虫を育てられています。もう時期も遅いので、羽化は来年になりそうとのことですね。これから冬にかけて虫たちは、あるものは次の世代へ命を受け継ぎ、あるものはそのまま冬眠という形で、寒い冬を越します。真冬に、たとえ吹雪いた日があったとしても、チョウチョが乱舞する場所があります。 全国にいくつかありますが、ここ東京では、東京都多摩動物公園の昆虫園です。建物自体が巨大な温室になっていて、世界の珍しい蝶が飛び回っています。人間を怖がることもなく、手を出せば留まるし、メスの蝶の模型を使って、オスを集め、髪の毛の上に留まらせた小さな女の子も、喜んでいました。ここへは年間パスポートを購入して、通ったことがありました。蝶も素晴らしいのですが、年中蝶が乱舞する仕掛けを作った、園長さんの研究に大変興味を持ったからです。最初は悪戦苦闘の連続だったといいます。春から秋にかけては、卵 → 幼虫 → さなぎ → 成虫というサイクルを繰り返しますが、 晩秋になると、さなぎの姿で春が来るまで、半年くらいじっとしています。春になると、暖かくなるから羽化するのだと考えて、気温を徐々に上げていきました。 ところが、春の気温にしても、ほとんどが羽化しなかったそうです。何度やっても同じで、このままだと昆虫園自体の開館も、危ぶまれる事態だったそうです。そんな時、 「そうだ、ひょっとしてこれかもしれない!」と、ひらめいたことがあり、実験してみると、ほとんどのさなぎが羽化したそうです。 それは何か!それでは次回をお楽しみに~ ・・・って意地悪はしません。それは、「日照時間」だったのです。春に近づくにつれ、日照時間が長くなります。4月中旬くらいの日照時間に似せて、光を当ててやると、羽化しだしたのです。これって、本当に面白いですね。温度ではなく、光の当たる時間を、さなぎは感知して、春を知るのです。同じ生き物として、人間も関係があるかもしれませんね。月の満ち欠け、季節の温度差、湿度、気圧など以外に、「日に当たる時間」によって、 生理的に影響を受ける部分って、あるかもしれません。朝は思いっきり日の光を浴びると、体にエンジンがかかると聞いたことがありますが、 まだこの「日照時間」と「人間の体の仕組み」の関係、研究の余地がありそうですぞ。