ゼミや一部の初~中級者向けのものを除き、答練の始まっていないこの時期は、比較的余裕があると思う。大規模な法改正があった年なら、ちょうど改正本が出るので、それを精読したりもするが、今年は地域団体商標以外に大きな改正はないので(不競法は除く)、何をしようか迷っている人もいるのではないだろうか。
余裕のあるこの時期なので、一度著名な判例を通読してみてはいかがだろうか。ずっと以前に、
判例の読み方で、「判例を読むときには、要件だけでなく、どのような理論構成でその結論が導き出されたかにも注意」した方がよいということを書いたが、意外に合格者でも判例を通読したことのない人がいる。短答では結論だけを知っていればよいので、判例セレクトのような本は便利だが、論文では判決に至るプロセス(判決の理由)まで知っておいて損はない。
また、判決文は法的思考のエッセンスとも言えるので、論文は苦手、知識はあるのに論文の点数がイマイチ伸びない、という人は、判決文の言い回しを真似することで得点が伸びる場合もある。
あまり深入りすると判例ウォッチャーになってしまい、かえって合格が遠のくので、時間的余裕のあるこの時期に、著名なものだけを通読しておけば十分だろう。