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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:私のお仕事
景気が悪いと言われていますが、どこまで悪いのかを実感することはこれまでほとんどありませんでした。
レイオフについても、数年前から囁かれつつ、現実に私たちの職場でレイオフになった人はいません。 ポジションのカットはあっても、オフィス自体がある程度の人数がいる組織なので、定年退職やその他事由で辞めていく人もいて、わざわざ誰かを切るというほどの切羽詰った人員カットはありませんでした。 「ああ、世間ではそうなんだ...」と今日しみじみ感じた出来事があります。 昨日で移動になった受付嬢の代わりの人材の面接が数日前から始まっていますが、面接まで進んだ応募者の中には男性が二人いるというのです。 ウチのオフィスが独立した部門となって30数年、初めてのことらしいです。 「受付は女の仕事という時代ではないんだよ」と男女平等を口にする男性もいる中、やはり受付業務に男性が応募してきたというのは驚きです。 業務自体は、別に男性でも女性でも構わないのですが、問題は給料です。 エントリーレベルの仕事だから、給料が少ない。学校卒業したての若い人ならまだしも、既婚者や家族持ちの場合は、やはり家計にどれだけ必要か考えなければならず、ふつう男性なら素通りしてしまう条件です。 もちろん、前任のHR嬢のように学位をとった後なかなか専門職にありつけず、内部から攻めることに決めてエントリーレベルから始める人もいます。内部事情を知っている私としては、そういうやり方を推しますが、男性にはとても「そうすれば?」ということは言えません。 エントリーレベルの時給20ドルから始めても、どこかに行き着けるという保証はまったくありません。その職に就いて回り道をする間に大きな魚を釣り逃す可能性も高いわけです。 どれだけの回り道になるかわからず、しかも、時間的にもBidding Rights と呼ばれる確実に面接をしてもらえる(書類審査で振り落とされない)という待遇を得るだけでも半年掛かります。その間を凌げなければ、エントリーから始める意味がまったくありません。 半年以上を経て、たまたま内部募集で自分の希望の職種があれば、確実に面接に行き着けるというだけで、そこから先、2時面接、採用という流れには何の保証も優遇措置もありません。また、募集自体がなければどこにも行き着けません。 そういうことを踏まえて、妙齢の、決して新卒には見えない男性が応募してくるということは並々ならぬ決意あってか、よほど経済が冷え込んでいるのではないかということなのです。 応募者のビジネス・スーツ姿が着慣れた感じがしていたのにも強い印象を受けました。 面接だからスーツは当然と言えば当然なのですが、私たちの職場はとてもカジュアルで、マネージャーでさえもラフな服装(ポロシャツとか)をしていて、ネクタイを締めることはあっても上着まで着込んでいる姿を見ることはほとんどないからです。 最初、「あれ、スーパーバイザーの募集をしていたっけ?」と思ったくらいでした。 景気が悪いのか、それとも時代が動いているのか、ともあれ、受付嬢が最終的に決まるのは再来週くらいになるようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.06.02 18:27:53
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