|
テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:海外雑感
手彫りのイヌクシュクをいただきました。
イヌクシュクというのは、バンクーバー・オリンピックのエンブレムにもなった、北極圏カナダの原住民の石を積み上げたオブジェのことです。イヌイットの道しるべとも、呪術的な意味があるとも言われています。 高さは5センチくらいの、石のイヌクシュクです。 バス停で隣り合わせたオジサンで、ホームレスよりはマシな格好をしていたのですが、アル中かヤク中か?という風体で、最初話しかけられたときは戸惑いました。あまり邪険にするわけにもいかず、適当に相槌を打っていたのがなれ初めです。 そのうちに、バックパックの中から、手彫りのイヌクシュクをいくつも取り出し、自分で作ったものだと解説を始めました。完成品もあり、粗彫りで石の角を取っただけのものもあり...。 バスが来て別れ際に、そのうちの一つをくれました。「グッド・ラック」と、手をギュッと握りながら。 そういう風体の人に手を握られるのも恥ずかしく、悪いのだけど汚らしいような気もしました。同じ人間同士、そういう風に思うのは間違っているとは思います。 「お金あげなきゃ、悪いかな?」と思った私の方が、さもしい根性をしているのでしょう。複雑な思いでした。 物質的な財産を何も持っていなさそうな貧しい身なりのネイティブ・インディアンのオジサンが、「グッド・ラック」と私に言ってくれたことが私の心を温かくしてくれましたが、とりあえずイヌクシュクはキレイに洗いました。 どういう縁か、私の手元にくることになったこの小さな置き物、大事にします。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.08.08 14:28:13
コメント(0) | コメントを書く
[海外雑感] カテゴリの最新記事
|