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カテゴリ:文鮮明先生み言葉選集(講演文)
真の家庭理想による平和世界の実現 日付:一九九七年十一月二十七日 場所:アメリカ、ワシントンDC、キャピタルヒルトン・ホテル 行事:第四回「世界平和会議」 尊敬するシドキー議長、基調演説者の皆様、著名な元、現職国家元首と紳士淑女の皆様。「二十一世紀に向かう世界ビジョン」という主題で開かれた「世界平和連合」の第四回「世界平和会議」に参席してくださった皆様に、深く感謝申し上げます。 私は来たる土曜日、RFKスタジアムで行われる特別な行事に、皆様を直接招待したいと思います。世界宗教の代表的指導者の祝福の中で、私と妻は、百八十五カ国から参加した三千九百六十万双に対する祝福結婚式を挙行いたします。当初の目標だった三百六十万双を超え、再び三千六百万双を超過して達成いたしました。皆様の国からも多くの夫婦が同参するでしょう。百八十五カ国の代表を含めた三万双の夫婦がスタジアムに参席し、同時に人工衛星とビデオを通じて、世界的に祝福結婚式が連結され、進行するでしょう。 この祝福を受ける夫婦は、自分の家庭と夫婦の結合を神様のみ前に誓約し、配偶者には永遠の信頼と純潔を誓い、そして子女には高こ徳と純潔を教えながら養育することを約束します。この夫婦たちは、言語と人種と国家と宗教の背景が様々です。しかし、彼らは神様の愛、そして世界平和は神様を中心とした完全な家庭から始まるという信念ゆえに、この祝福式に同参するのです。 私は、皆様がこの歴史的な式典を見物するだけではなく、皆様もまた、関係ある周囲の人々と共に神様のみ前に出て、自らの結婚の誓約を新たにすることを願って、その場に招待いたします。 人類共通のビジョンのために きょう私は、人類共通のビジョンを見つけ、実現するために歩んできた過去の五十年を回顧しようと思います。人類は第二次世界大戦の痛手を踏み越え、すべての国が平和になる道を探そうとしました。 神様は私に、二千年のキリスト教の基盤の上に神様の天国を建設する世界的な運動を指示されました。啓示の中心は、真の父母と真の家庭を探し出す公式路程でした。しかし、当時の韓国のキリスト教指導者は、この真理を受け入れることができず、神様に大きな失望を与えました。私は迫害と反対を受け、罪なく投獄される苦難の路程を歩まざるを得ませんでした。 キリスト教のこの歴史的な過ちが讒訴条件となり、韓国で悪が勢力を得て、韓半島が完全に分断され、半世紀にわたる受難の歴史を生み出す摂理の内的原因となったのです。 神様が下さるメッセージを拒絶したことが、なぜこれほど不幸な結果を生んだのかということを知るためには、神様が五十年前に私を通してキリスト教指導者に下さったメッセージの意味を知る必要があります。そのメッセージは、本質的にきょうのメッセージと同じです。ただし、キリスト教のためだけのものではなく、ユダヤ教、イスラーム、仏教、ヒンドゥー教、そしてすべての宗教と宗派のためのメッセージです。それは、神様を中心とした真の家庭の理想だけが、個人相互間や家庭と社会、そして国家相互間の真の関係と平和を達成する土台になるということです。 私は青少年のときから、人間の罪と苦痛の根源を探そうと必死に努力してきました。私はこれまで多くの涙を流し、誰も理解できない長い歳月の祈祷生活と孤独な霊的闘いをしてきました。長年、聖書に対する研究と広大な霊界を遍歴したのちに、ようやく神様が真で理想的な人生を啓示してくださったのであり、また人間の苦痛の根本原因が、エデンにおいて人間の先祖によって始まったことを教えてくださいました。 真の愛と真の家庭の理想 尊敬する指導者の皆様。皆様は、神様が真の愛と真の人のために、万物を創造なさったことを知らなければなりません。被造物はすべてペアになっています。動物界、植物界、鉱物界、すべて主体と対象の関係でできており、互いによく与え合うことによって形成される調和は、それらが存在して繁殖するすべての力、そして愛と善の基盤になるのです。 人間もまたこの原則に従って創造され、個人は心と体でできており、そして男性と女性になっています。神様の理想は、神様の真の愛を中心として心と体が一つになった個人と、そのように完成した男性と女性が一つになる家庭です。このようになれば、人間は神様の神性を正しく反映できるのです。また、神様の真の愛の対象体となり、子孫に神様の真の愛、真の生命、真の血統を伝えられるようになるのです。 アダム家庭は、神様の理想と一致した真の愛の家庭を築かなければなりませんでした。人間始祖アダムとエバは、神様の無形の性稟を実体的に完成し、神様のみ旨と愛を宇宙に伝えるという期待の中で創造されました。アダムとエバとその子女たちは、全人類が従うことのできる根本原理を生活の中で確立するはずだったのです。 アダムとエバの子孫は、心と体を一つに完成し、神様と一つになった個人、そして夫婦が一つになった家庭、また子女と共に一つになった家庭を成し、自由と平和と幸福と希望が地上全体に満ちた、安定した基盤を築いたでしょう。その典型が家庭や国家にとどまらず、世界と全宇宙に広がるのが神様の理想でした。真の家庭において形成された天国モデルが国家全体に拡大され、国家圏の天国が全世界に拡大され、世界圏の天国が全天宙に拡大されるのです。 人間の最も基本的な心の姿勢と人格は、家庭で形成されます。家庭は愛と人格、そして生活の出発であり、その根本基台となります。人生は家庭基盤の上で、父母の愛によって生まれ、息子、娘の段階から夫婦の位置、父母の位置、祖父母の位置へとその位相を異にする愛の人格体として完成し、結局、子孫の愛情の中で天の国に行くようになっているのが創造原理です。家庭を通して歴史と国が生じ、理想世界が始まります。これがなければ、個人の存在する意味もなく、血統の伝承もありません。ですから、家庭はすべての価値と理念、そして制度と体制より優先される、最も貴い人間の愛と生命の本拠地になるのです。 人間の罪の根本と真の家庭理想の回復 しかし、悲惨なことに、神様が理想とされた真の家庭は実現されませんでした。エデンの園で蛇はエバを誘惑し、エバはアダムを誘惑して、利己的な偽りの愛をこの世に植えたのです。人類の罪と不幸は、人間の先祖アダムとエバがサタンを動機として結んだ不倫の愛の結果から始まりました。堕落によって人類の始祖は善の先祖になれず、悪の先祖となり、悪の生命と悪の血統の根をもつようになったのです。 このように誤った愛から出発した最初の家庭は、真の愛の完成人格である真の人、真の夫婦、真の父母の始原をつくることができなかったのです。偽りの愛の結実である堕落人間の利己主義は、真の愛の秩序を破壊し、自身の心と体の葛藤から、家庭、国家、世界的な葛藤によって、分裂と闘争を拡大してきているのです。 人間の不幸を治癒する解決方案は、神様に帰る蕩減復帰しかありません。ために生きる真の愛によって心と体の闘いを中断させ、本然の真の愛の人格に復帰しなければならないのです。人類が真の愛の人格の始原と標本となる真の父母を迎えて祝福を受けることによって、理想家庭を築くべき理由がここにあります。 個人を復帰し、真の家庭を復帰して、真の愛と善を世界的基準に拡大しなければなりません。ただこの真理だけが、争っている教派を一つに統一でき、また地上天国を成し遂げることができるという事実を知っている私は、五十年前にこの啓示をキリスト教の人々に明らかにしました。私は、もう一つの教派をつくる意向は全くありませんでした。しかし、神様のメッセージは既存の教団から拒否され、迫害を受けました。私はやむを得ず他の基盤を築かなければならなかったのであり、そのために過去四十三年間、苦労してきました。一九五四年、韓国で「世界基督教統一神霊協会」を創立し、日本、アメリカ、ヨーロッパ、そして全世界に宣教師を派遣しました。この基盤の上に、私たち夫婦は多くの団体を立て、真の家庭の原理が学術、言論、宗教、芸術、産業分野などで扱われ、この世界を蕩減復帰できる標本と典型をつくろうと努力したのです。 神様の三つの悩みの種 罪の根源であるサタンの戦略は、真の家庭理想が実体化され、根を下ろすことができないように、常に破壊することです。これが過去五十年の間に、神様の三つの悩みの種にもなりました。第一は神様の存在自体を否定する共産主義であり、第二は不道徳と堕落であり、第三は教派と宗派間の分裂と葛藤です。 考えてみてください。どれほど多くの罪なき人々が、共産主義によって命を奪われたでしょうか。一億以上の人々が犠牲になり、また数億の人々が追放されて強制的に奴隷生活を強いられ、虐待と飢えに遭い、戦争で傷を負って、生涯を苦難の中で送らなければなりませんでした。それだけではなく、神様を否定する非真理を伝播することにより、人間が究極的な価値を見いだせないようにした罪科は、本当に大きいものがあります。 神様の二つ目の悩みの種である不道徳と堕落は、まるで押し寄せる荒波のように、家庭と国を破壊し、命を奪っていっています。道徳の崩壊は離婚と家庭破壊、青少年の淪落と未婚の母の問題、そして麻薬中毒などの悪の実を結びます。 これは特定の国の問題ではなく、世界共通の問題になりました。世界的に広がっていくエイズは、淫乱と乱雑な性生活の直接的結果です。日ごとに増えていくエイズをこのまま放置すれば、何百万、もしくは何千万の人命が失われていき、人類の存立を脅かすでしょう。 神様の三つ目の悩みの種であるキリスト教の教派間、または世界の宗派問の葛藤と分裂はどうでしょうか。神様にとって、宗教者は世界の良心でなければなりません。彼らは悪に打ち勝てる伝統と価値と実践力をもっていなければなりません。ところが、互いに反目し、分裂しながら争っているので、無能になって感化力を失い、悪に打ち勝って世の中を正しく指導する力を喪失したのです。以上の三つの根本問題は、五十年前に宗教指導者たちが神様の摂理に対して無知で、神様のメッセージを受け取れなかったことにより生じた結果です。 人間の責任分担の重要性 世界の高名な指導者の皆様。神様の見解では、過去五十年間、世界のすべての不幸と絶望と破壊が必然だったとは捉えません。避けることができたのです。もし一九四〇年代の後半に、キリスト教を中心とした宗教界が神様の啓示に従い、真の家庭の理想と一つになっていたならば、共産主義はいち早く衰退していたでしょう。また、各教団の影響力ある指導と模範を見せる実践生活により、青少年の退廃、家庭破壊、エイズなども世界的な問題にならなかったでしょう。 共産主義者は、私を中傷して謀略を巡らし、評判の悪い問題の人物に仕立て上げました。私にファシスト、または似非宗教者というレッテルを貼り、世界的に誹謗を浴びせました。アメリカでは脱税という捏造の罪をかぶせ、監獄にまで送りました。しかし私は、過去二十五年間、アメリカが摂理的な使命を悟れるよう、私のすべての精誠と魂を注いできました。西洋を中心に、世界に寄与した私の思想的な指導と立体的な活動を通して、アメリカが共産主義に打ち勝てるように助けることができたのです。今や共産主義は、ほぼ消えつつあります。 不道徳と淫乱、そして退廃の風潮は、享楽主義と共に家庭を組織的に破綻させています。一部の現代人は、「伝統的な家庭以外に、同性愛の人々もまた別の類型の家庭を築くことができ、彼らは養子や人工授精によって子女をもつことができる」と考えるまでに至っていると言います。 これは、長い歴史を通して人類が存続してきた人類の存立の霊的根本土台を破壊する、恐ろしい結果を生み出しています。皮肉なことに、科学者は絶滅する植物や動物の種類に対して嘆いていますが、根本が破綻する家庭については悟れずにいるようです。 今日、神様は私たちに質問されています。「人類は救いを得るまで、人類の三分の一ほどをエイズや戦争によって失わなければならないのだろうか」、「神様が本来計画したとおりに、人間が万物と調和して暮らすことを悟る前に、地球の自然資源と環境がすべて破壊されるのではないだろうか」と。 神様は、決して諦めたりはされません。どのようなことがあっても、神様は真の家庭理想を通して人類と世界を救い、回復されるでしょう。疑問なのは、どれほどの代価を払うかということです。人間の生命だけではなく、経済的な損失や環境の破壊まで含めた代価のことです。堕落と不道徳のゆえにもたらされた社会問題は、経済的な崩壊とともに、さらに悪い環境をもたらします。世界の指導者はこの点を深く反省してみる必要があります。 神様の希望は、人間の苦痛が終わり、真で平和な世界一家庭を形成することです。神様は、私たちが自ら責任分担を完遂することを願われます。もし、人類が神様のメッセージを受け入れ、また確信をもって行動すれば、神様の国はそれに比例して早く、喜びの中で成就できるでしょう。そのようにしなければ、神様と人類の苦痛は延長され、不必要な死亡と不幸が続くでしょう。 真の愛による祝福結婚 それでは、神様の悩みは、どのようにして解決されるのでしょうか。どのようにすれば、家庭が根本的に健全になれるのでしょうか。どのようにすれば、分裂した諸宗教が神様のもとで和解、協力できるのでしょうか。その答えは、国際祝福結婚式の中にあります。私と妻は、一九六〇年に三家庭を前にして主礼を行い、祝福結婚式を始めました。そのとき人々に、全世界の何千万双が神様の祝福を受けるようになると話せば、誰が信じたでしょうか。しかし、超国家、超人種、超宗教的に神様の祝福のもと、夫婦が純潔と貞節を守ることを誓約する三千九百六十万双の祝福式が、皆様の前で現実として進行されることになったのです。 尊敬する指導者の皆様。私はこの場で、過去五十年間の祝福歴史の中における困難だった事情を語ることはしません。ただ、祝福結婚式によってのみ、崩壊していく世界の家庭が根本的に安定し、その本然の役割を果たせることを重ねて強調します。各自が神様に侍る真の愛の人格を形成し、真の夫婦、真の父母になろうとする厳粛な誓約なくしては、真の家庭が回復されません。祝福結婚式によって創出された楽しく和合する家庭であってこそ、平和な社会と国家、そして世界をつくることができます。特に、国家と人種と宗教を超えて行われる祝福結婚それ自体が、世界平和の礎石になるのです。これが神様の願われることではないでしょうか。 今回の祝福結婚に、奇跡のように多くの家庭が同参するようになったのは、世界の志ある各教団の指導者の積極的な支援によるものです。そして、多くの国家指導者が、青少年の淪落と家庭破綻の問題は、この真の家庭運動によってのみ根本的に解決できるということに共感し、積極的に協力したので可能となったのです。私はこの場を通し、これらすべての支援者に、もう一度感謝申し上げます。 祝福結婚式は、人々、特に若者たちに真の愛の価値を自覚させ、絶対純潔の必要性を共感させる動機と媒介になるでしょう。この運動によって自覚した世界の善男善女が集まり、神様の祝福のもとで永遠の夫婦となる、真の愛の革命が起きなければなりません。このようにして築かれた新しい家庭が、神様のみ前に新たに誓約した既成祝福家庭の支援を受けながら、正しい倫理を実践し、世界に道徳の模範を見せることによって、真の愛が結実した理想的な家庭、社会、国家、世界を創建していかなければなりません。 祝福結婚式は、偽りの愛の因縁を清算して、絶対「性」を中心とした結婚の神聖な内容と価値の回復を目指します。真の夫婦の愛、真の父母の愛、真の子女の愛を回復するための儀式です。ですから、祝福結婚式に参席する当事者は、純潔と信頼を生命視し、不変の夫婦の愛を誓約します。その真の愛の基盤の上で、真の家庭をつくり、真の子女を養育し、生活の中で真の国家と平和世界の実現に献身することを誓うのです。 到来する未来の世界は、神様と人間と万物が調和する新しい心情文化、真の家庭による愛の文化の世界です。真の愛によって互いのために生きながら、和合、協力し、共に暮らす共生共栄共義の世界です。未来の歴史は、「人類一兄弟姉妹」を念願する若者たちが、人種を超越した真の愛によって、真の家庭と真の父母中心の真の家族理想で、「世界一家庭」の夢を実現する歴史でなければなりません。 尊敬する世界の指導者の皆様。祝福結婚は、神様が私たちに下さる最も貴い贈り物です。私たち夫婦は、皆様がこの歴史的な儀式に同参し、神様の祝福結婚を受けることを願っています。 これから「世界平和統一家庭連合」は、一層拍車を掛けて真の家庭運動を展開し、二〇〇一年まで三回にわたり、三億六千万双の祝福結婚式を挙行するでしょう。価値観の崩壊と倫理的な堕落によって、青少年が不倫に陥り、家庭が根こそぎ破綻しつつあります。 滅亡の道を転げ落ちる人類を危機から救うこと以上に、急がれる重要なことがどこにあるでしょうか。人類を救う根本的代案である真の家庭運動と祝福結婚式を世界化させ、普遍化させようとする私の活動は、尊敬を集めている皆様の積極的な後援を必要とします。国別に志のある指導者が結束し、真の家庭祝福結婚運動の支援部隊をつくって、国を救う運動をしなければなりません。人類を本然の姿に復帰するこの意味ある活動において、多くの指導者が主役となってくださるように、切にお願いします。そうして、万民が一日も早く真の家庭を築き、神様を中心とした地上、天上王権時代に入り、勝利と自由と平和と統一の世界で暮らせるように指導しなければなりません。 皆様と皆様の家庭、そして皆様の国に、神様の愛が満ちあふれることを祈りながら、これで終わりたいと思います。 一休さんのような機知(トンチ)ではありません。 奇知=人とは異なる知恵 世界平和を願う奇知の外の凡人が徒然なるがままに書く日記です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.05.05 14:34:27
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