カテゴリ:在日関連
劇作家、つかこうへい氏が17年前に書いた「娘に語る祖国」の本を私は大切にしています。当時、同じ立場で「自分は娘に何を語れるのか?」と、この本を前にして自問自答したのを思い出します。 本の中では歴史認識において私とは立場の違いも感じましたが、最後の部分で 「人間の業というか、こういう難しい問題は、自分の娘に語るようなやさしい口調で、一つひとつ説いていかなければ伝えられない。人は、人をうらむために生まれてきたのではない。歴史は優しい穏やかな目で見るべきではないか」とある部分に私なりに共感を覚えました。 しかし,2作目の「娘に語る祖国『娘に語る祖国 「満州駅伝」─従軍慰安婦編』(光文社,97年3月刊)の「従軍慰安婦問題でパパが誤解していたこと」という部分にると, 「実はね,パパはいろんな人に取材をしたんだけど,従軍慰安婦の人たちは必ずしも悲惨じゃなかったんだ」そして、「パパは作家として,国としての歴史的事実よりも,一人の人間の小さな事実,その時 のその人の心の動きに興味があるのです。・・・と、ここまでくれば???違うんじゃないか?と嫌悪感すら感じました。 今回の受賞を素直に喜ぶべきなのか?それとも右翼と言われる埼玉県の上田知事すら引用するこの2作目の内容が”本来の演劇での受賞と同時にマイナス要因にならなかった”と色眼鏡で見てしまうのは私だけでしょうか? カミングアウトした在日が、一歩でもお前に進む事が大切だと思い記事にしてみました。 つかこうへい氏のHPにはこんなコメントが載せられている。 つかこうへい 紫綬褒章受賞 『私は韓国人であり、日本に国籍がございません。 このような大切な褒章を受けるということは思ったこともございませんでした。 私の両親は、もう二人とも亡くなりましたが、戦時中、日本に参りました。生きていれば、この栄誉をきっと喜んでくれたと思います。本当にありがとうございました。』 つかこうへい つかこうへい=本名:金峰雄(キムボンウン)春の褒章 西日本新聞 「韓国人の励みになれば」、「夢にも思わなかった」 紫綬褒章のつかこうへいさん談 紫綬褒章を受章した劇作家で演出家のつかこうへいさん(59)は在日韓国人。「日本の戸籍がないので、夢にも思わなかった。両親は亡くなっていますが、生きていたらきっと、喜んでくれたでしょう」としみじみと喜びをかみしめた。 大学在学中に演劇活動を始め、「熱海殺人事件」や後に小説版が直木賞を受賞した「蒲田行進曲」などを次々と発表。1970-80年代、若い世代の圧倒的な支持を集めた。 一方で俳優や劇作家、演出家の育成にも力を注いだ。94年に「北区つかこうへい劇団」を旗揚げし、小西真奈美さんや黒木メイサさんら人気俳優を輩出。「いろいろな役者を育ててきたことも評価されたと思います」 夏に各地で上演する「売春捜査官」は、娘が父である総理大臣を弾劾する物語。「権力と闘う姿勢はこれまで通り変わりません。弱者の目線で、ものづくりを続けていきたい」 2007年04月28日 身を削って芝居で闘う http://ch-k.kyodo.co.jp/17kyodo/backnumber/backnumber2001/job/job03.html 4月25日の演劇批評です。 【演劇】北区つかこうへい劇団 ★北区つかこうへい劇団「売買捜査官~女子アナ残酷物語」 (北とぴあ・つつじホール@王子) 木村伝兵衛部長刑事は東京警視庁でただ一人の女性捜査官として事件を解決してきた。 そして今回の「容疑者大山金太郎が幼なじみで女子アナに憧れる山口アイ子を痴情の果てに絞殺した」一見単純な「熱海殺人事件」にはなぜか巨悪がちらつく。長崎県の原子力発電所に勤めていた大山金太郎は被爆していたのだ。何故なのか? 禿げた上にホモセクシャルであることに悩む部下・万平の制止を振り切り、部長は敢然と真相に切り込む。そして国家権力に一歩もひかず立ち向かっていく部長の元に赴任してきたのは元恋人の熊田留吉。二人は長い時を経て誤解を解き、思いを通じ合わせる。しかし熊田に課せられた本当の任務は・・・ そして大山金太郎の殺意の真相は、売春の元締めをすることでしか日本で生きる場所を見つけることの出来なかった在日朝鮮人・李大全と、六本木ヒルズの住人と合コンをする女子アナに憧れる女の悲痛な叫びがあった。 はたして部長の戦いはどのような結末を迎えるのか!? 桃組を観劇。 若手公演だったけど、当初は「若手ふるい落とし公演」と冠がついていた公演で、劇団の方針が「ダメなら即クビ」だから、皆、フルパワーで熱演していましたね。滝のようにしたたり落ちる汗、久々に観たな・・・ 作品も2006年版に手を加えており、観やすくなっていたし・・・ これで千円。かなりお得な公演です。 つかこうへい=本名:金峰雄:直木賞作家。 1948年4月24日生まれ。福岡県嘉麻市(旧嘉穂町)出身。A型。 慶應義塾大学文学部中退。在学中から作品を発表。 在日韓国人であり、金峰雄という本名を持つ。 ■受賞作 18回岸田国士戯曲賞(昭和47年)「熱海殺人事件」 第14回ゴールデンアロー賞演劇賞(昭和51年) 第28回キネマ旬報賞脚本賞(昭和57年)『蒲田行進曲』《脚本》 第6回日本アカデミー賞最優秀脚本賞(昭和57年)『蒲田行進曲』《脚本》 第42回読売文学賞戯曲賞(平成2年)『飛竜伝'90』《戯曲》 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.24 19:43:27
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