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2006年12月12日
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ソウルの
肌に刺さりそうな寒気の中
奥から白い湯気を出している
愛想のいいお兄さんたちが店頭に立つ大学芋屋さんの前で、
ケイは先月知り合ったばかりの人を待っていた。

目の前に立つ
深いこげ茶色の肌の彼と
中央ヨーロッパ風の風貌をしたケイは
同じソウルの冬空の下
同じガイジンとして梨花大学駅前に佇んでいた。

彼もまた誰かを待っているのだろうか
声をかけてみようか、とちらちら考えつつも
でも、エイが来てしまったら、そこで会話を中断するのもなんだし・・・
誤解されたりするかなぁ~~
など、つらつらと考えたりしてるうちに

ストレートの亜麻色の髪の毛が階段の下から現われ
身軽に階段を駆け上がる、少年っぽい風貌をした細身のエイが、
ケイの「先月知り合ったばかりの人」が現われた。

無愛想なエイの表情は
ケイが声をかけると
人懐っこい笑顔に変わり
ケイは、自分がエイにとって特別な人であるような錯覚を覚えた。

さっきまで
同じフレームの中で
ソウルの駅前で佇む外国人たち
を演じていた相手に
心の中でそっとさよならを言って

ケイは、今度はエイと
ソウルを闊歩する外国人たちのフレーム
に移った。


ぷちっ。







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最終更新日  2006年12月14日 10時45分43秒
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