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2007年04月19日
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山を見つめるようになったのは、いつからかわからない。

あるいは、大好きな話をそこで落としたときからだろうか。

大好きなものをあそこに落としてきたから、気になって仕方がないのだろうか。

今日もかなたにそびえる山のうねを探して、私の目は地平線の上を泳いでいる。

――――――――――

今日もボクは、つい好きな人の頭上の向こうを探ってしまう。

今現在、ボクはここにいるのに、いつも探しているのは、もっと向こうにある何か。

その「何か」が何なのか、ボクにすらわかっていない。

答えを知る日は来るのだろうか。

――――――――――

手元ばっかり見るくせがついたのはいつだろうねぇ。

老眼がひどくなったときからかしらねぇ・・・。

前は縫い物は好きだったんだよ。嫌なことがあっても、不思議と気分が落ち着いてくるもんでね。でも、いつごろからか、それが楽しくなくなった。

そのころから、何もせずに手だけ見るようになったような気がするねぇ。

―――――――――

ほんとのところは、誰にもわからない。

もしかしたら、視線の先にあるものが見つかる日がくるのかも知れないし、ずっと見つからないのかもしれない。

でも、自分は何かを探しているかもしれない。
そう感じるだけでも、なんらかの安堵を得られたことはないだろうか。


―――――――――――

これは、フィクションです。





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最終更新日  2007年04月20日 04時23分37秒
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