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テーマ:ノンジャンル。(2214)
カテゴリ:おはなし(作り話)
振り向いたのは、誰かに呼ばれたと思ったから。
でも、よく考えてみたら、 私の存在は、 ない ことになっていたんだった。 だから当然、私の名前を呼ぶ人もいるわけがない。 もし私のことを話す人がいたら、 たとえクラス中に言うのであっても 「あいつが」と言うだけ。 私の名前ですら「汚い」から。 その状態があまりにも当然すぎて、自分でも忘れていた。 でも、そんなことを考えていたら、 名前を当然のように呼ばれる 隣の席に座る「わに」がうらやましくて仕方なくなった。 でも、そんなことを考えていても仕方がない。 私の名前は呼ばれない。 私の存在は消されている。 隣に座りたくない、 同じ班にいたくない 「負」の存在として以外は。 ――――――――――――――― これは、フィクションです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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