冬の京都は寒い
とあるお寺に行き、御住職にご朱印をお願いしました。「ハイハイ、ありがとうございます。」御住職は、手馴れた手付きで渡された朱印帖のページを繰り、墨汁に筆を浸けました。半数のお寺は、受付で朱印帖を預かっておいて、参拝後までに仕上げて返す、と言うスタイルですが、ここは、本堂に御住職が鎮座されていて、目の前で書いて頂けます。受付小屋になってもいないので、筆を滑らせる様が目の前でじっくり拝見出来、私はこれを見るのが大好きです。・・・と、「おとうさん」本堂の外から女性の声がしました。「おとうさん、〇〇さん、お帰りになるって」「・・・ああ。」御住職はぶっきらぼうに返事をなさいます。筆に集中しているので仕方ありません。「・・・おとうさん?」もう一度、女性の声がしました。恐らく、挨拶をする為、出て来て欲しいと促しているのでしょう。「・・・今、字ィ書いとんのや。」「・・・あぁ。」障子の向こうで、女性が納得したような声を出し、何事かぼそぼそと会話をするのが聞こえ、住職は私の頼んだ朱印を、寸分の乱れなく書き上げて下さいました。有難うございました、と受け取り、本堂を後にしました。京都府の南端にあるお寺です。個人のイメージをを特定されかねない表現を使っていますので、名前は伏せておきますが、写真で判る方もいらっしゃるでしょう。 ・・・雪景色を狙っていましたが・・・ちらほらしていましたが、積もるほどではなく。ここはいつ来ても静かで気持ちが良い。 重要文化財や、寺宝が多く、見所が沢山あります。この重要文化財の三重塔は、室町時代後期の代表作なのだそうです。既に、ここ数年のうちに三度、訪れていますが、紫陽花のシーズンに、一度訪れたいと思っています。蛇足ですが・・・御朱印を頂いて改めて見ると、生乾きの墨汁が他のページを汚さないように、紙を挟んでくださるお寺があるのですが、このお寺はジャンプの紙を使っていました。漫画ページを、御朱印帖の形に切り取った物を使ってくださるのです。・・・新聞紙では、手や紙がインクで汚れそうな気がする。しかし、墨汁を吸う藁半紙的な紙が一番・・・という感じで、再利用されているのでしょうか。紙を御用意頂くのは、お寺のサービスに他なりません。紙を下さらないところも多くありましたから。・・・紙片に「銀魂」が載っていて、少し面白かったです。墨汁が乾いて、役目を終えても、却って捨てられません。