25日の日記
北東に進路をとって、電車に乗る。トンネルを抜ける度に、住み慣れた場所の気温から1、2℃下がってゆく。暖かい電車から降りると、寒さに慣れていない身体が縮む。思わず、ポケットに手を突っ込んだ。今日は病院まで歩いてみよう。 ipodから、『チョコレィト・ディスコ』が流れてきた。何も考えず脚を動かすのに、Perfumeは最適か。雪が降ってきた。 構うものか、進んじまえ。道路の真ん中でセキレイがヒョコヒョコ歩いている。オイオイ、野鳥がなんてとこにいるんだ。雄雌は判らないけど、オトコマエな態度だ。雪が降っているのに、遠くの空は青。 知らないお店、知らない空気、ありふれた南天が、軒先で私を余所者扱いしている。さて、方角的にはどんどん北に向かっているようだが、どこかで西へ舵を切らなければ。『すみません、ちょっとお尋ねします。』イヤホンを外し、其処を掃いていた方を呼び止めた。 『こんにちは』ノックをして病室に入る。 大分顔色の良くなった患者は、笑顔で迎えてくれた。『お疲れ様』 数日前は、こんなに劇的に快復するとは、正直、夢にも思わなかった。今は、あらゆるものに感謝。