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2010.01.17
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礼央ちゃんが紹介してくれた本は
詩集のような哲学書だった

文章を読むのは早いほうに入ると思うが
芸術の章がダメだった
ちっとも前に進めなかった
科学や人生は
すんなりはいってきたのに

芸術に関する記述は
文字としては頭に入ってくるけれど

理解できない

その世界が頭の中に広がらない


「人は目に映っているものすべてを観ているわけじゃない」
という言葉を思い出した


私は芸術の世界に生きていないと
まざまざと見せ付けられた

私にはレオナルドの言葉を
理解できるだけの経験値がなかった

暗い新潟の霙交じりの空を睨んでみても
どうしようもないのだけれど
冬の東京のように
風が冷たくても
空が青くて
お陽様がある場所だったら

レオナルドの言葉の通りに
意識して眺めてみることによって
理解の手助けを
足りない経験の補足を
たとえ体験版的なものだったとしても
得ることができたのに、と正直思った



普段よく読むような”物語”では
文字を追っていくと
自分の中に設定の街や、人や、環境が
どんどんと構築されていく

読み進むごとに油絵のように
何層にも塗り固めて
深い色合いの自分だけの世界を
作り上げてくことがスムーズにいくから
そして、判らないところは飛ばしても
情報量が多い分、補完できるから
結果として"読む”スピードが早くなっていたのだろう


読んだ文字が脳内で映像となることが
私にとって理解したという合図で
ここまでが私の"読む"という作業なのではないか


「レオナルドの言葉を読むことは
彼の目を通し、
彼の見ていたように世界を見ることでもあります」

そうイントロダクションには書かれていたが

私にとっては”読む”という行為を
”意識してものを見る”ということを
問いかけられた本だった気がしている


知をみがく言葉





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Last updated  2010.01.17 23:46:39
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