遊戯王5D's 第1話
う~~~、デュエルデュエル今、デュエル大会の会場目指して全力疾走している僕は、小学校に通うごく一般的な男の子。強いて違うところをあげるとすれば、デュエリストに興味があるってとこかナー。名前は龍亞(るあ)。そんなわけで、近道である公園へとやって来たのだ。ふと見ると、ベンチに一人の若い男が座っていた。ウホッ!・・・いい男・・・ハッそう思っていると突然その男は僕の見ている目の前で、デッキケースを出しはじめたのだ・・・・・・やらないかそういえばこの公園は、デュエリストが集まる事で有名なところだった。イイ男に弱い僕は、誘われるままホイホイとついて行っちゃったのだ。彼・・・・・・ちょっとワルっぽいバイク乗りで、「不動 遊星(ふどう ゆうせい)」と名乗った。フリーデュエルもやりなれているらしく、デュエルを始めるなり、僕はライフポイントを0にされてしまった。よかったのかホイホイついてきて。俺は小学生とだってかまわないでデュエルしちまうような人間なんだぜ。1ターンキルなんて初めてだけどいいんです・・・僕・・・遊星さんみたいな人、好きですから・・・うれしいこと言ってくれるじゃないの。それじゃあ、とことんよろこばせてやるからな。言葉どおりに、彼はすばらしいデュエリストだった。僕はというと、すぐにライフポイントを0にされる絶望の波に、身をふるわせてもだえていた。しかし、その時、予期せぬでき事が・・・うっ・・・!ん?「冥府の使者ゴーズ」かい?意外に早いんだな。ち、ちがう・・・実はさっきから「黄泉ガエル」を特殊召喚したかったんです。魔法&罠ゾーンにカードをセットしなかったのも、そのためで・・・そうか・・・いいこと思いついた。お前、俺のデッキをめくってみろ。えーっ!?デッキをめくるんですか?男は度胸!何でもためしてみるのさ。きっといい気持ちだぜ。ほら、遠慮しないでめくってみろよ。彼はそういうと魔法カード「名推理」を発動し、僕にレベルの数を宣言させ、逞しいデッキを僕の前につきだした。自分のデッキを対戦相手にめくらせるなんて、なんて人なんだろう・・・しかし、彼の堅くひきしまった二重スリーブのデッキを見ているうちに、そんな変態じみたことをためしてみたい欲望が・・・・・・それじゃ・・・めくります・・・ペラ・・・め・・・めくりました・・・ああ・・・つぎは特殊召喚可能なモンスターカードが出るまでだ。どんどん、めくります。いいぞ。墓地の中にどんどんカードがたまっていくのがわかるよ。しっかり、デッキ枚数を確認しておかないとな。くうっ!気持ちいい・・・!この初めての体験は、通常のデッキでは知ることのなかった絶頂感を僕にもたらした。あまりに激しい展開で、デッキをめくりきると同時に、フィールドには僕の宣言したレベルとは違うモンスターカードが、あっけなく特殊召喚されてしまった。ああーっ!!(「混沌の黒魔術師 」が特殊召喚されてしまった・・・)このぶんだと、そうとうめくったみたいだな。墓地ン中がパンパンだぜ。はっ、はっどうしたい。あんまり気持ちよくて。こんなことしたの初めてだから・・・だろうな。俺もデッキ切れは初めてだよ。ところで、俺が今「ダーク・コーリング」で特殊召喚した「E-HERO ダーク・ガイア」の攻撃力を見てくれ。こいつをどう思う?すごく・・・大きいです・・・でかいのはいいからさ。このままじゃおさまりがつかないんだよな。あっ・・・今は俺のターンだろ?ああっ!!いいぞ・・・「E-HERO ダーク・ガイア」で、攻撃してやる・・・出・・・出る・・・なんだァ?さっき特殊召喚したばかりなのに、また出すってのか?鉄壁なんだな。ちっ、ちがう・・・!!なにイ?こんどは「冥府の使者ゴーズ」ゥ?お前、今、ダメージステップとまちがえてんじゃねえのか!?しーましェーン!!しょうがねえなあ。いいよ、いいよ。「天罰」をチェーンしといてやるから、このまま出しちまえ。1ターンキルでやりまくるのも、いいかもしれないしな!えーっ!?と、こんなわけで、僕の初めてのデュエリスト体験は、ワンキルな結果に終わったのでした・・・