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カテゴリ:南仏生活
ヴヴォワイエVouvoyerとチュトワイエTutoyer。
pidooにとってまだまだ続いている課題です。 Vouvoyerは主語をVous あなたにして話すこと。 述語は敬語・「です」「ます」調になります。 相手が複数の時には「あなたがた」として使います。 Tutoyerは主語をTu きみにして話すこと。 「親しい口をきく」こと。タメ語ですね。(ってまだ死語じゃないですよね?) 基本的には 敬語と、家族・友人間の話し方の違い と理解して構わないとは思いますが。 pidooの場合。 日本人相手で、1学年以上年上なら、敬語で話します。 年上にタメ語は、なんとなく失礼な気がしてしまいます。 年上の従姉妹やちょっと親しくなってきた友人にさえも、タメ語はなんだか失礼な気がして、ところどころ敬語を織り交ぜたり。 ちょっと悩むところです。 フランス人相手ではもうちょっとゆるく、「同年代だな」と思えばTutoyerしています。 フランス語を習い始めた時の語学学校で、先生から「Tutoyerして」と言われていたので、 それほど失礼でもないのかな?という感覚はありました。 が、当初は明らかに年下フランス人にTutoyerされるとちょっとムッとしていました 「年上には敬語だろ!」 みたいな(笑) 最近では全く気にしなくなり、年下でVouvoyerされ続けると、pidooのほうから "Tu peux me tutoyer! チュ・プー・ム・チュトワイエ!" (タメ語で話して!) と提案します。 しかしこれが仕事の場だったり、子供の幼稚園の他のママになったりするとVouvoyerになります。 数回で会わなくなる場合ならいいですが、 何度も会っているとだんだんVouvoyerは他人行儀過ぎると感じてきます。 この切り替えどころがとても難しい。 明らかに同年代なら気軽に "On peut se tutoyer ? オン・プー・ス・チュトワイエ?" (タメ語で話そうよ) と言えるのですが、 明らかに年配だと、このセリフ自体が失礼な気がしてどうしても言えません。 日本語に訳すからこそ失礼な気がするんですけどね。 ちなみに一般的にフランス人嫁・姑間でもVouvoyer、 フランスにも目に見えない壁がありました! pidooの結婚当初はそんな壁は見えなかったので、pidooと義理母間はTutoyerです ”世間の嫁姑はVouvoyerしている”ことに気が付いた時、義理母に 「知らないでTutoyerしていたわ!Vouvoyerしたほうがいい?」 と聞いてみたら、 「今さらやめて、他人行儀ね」 と言われそのまま現在に至ります。 ところで、VouvoyerからTutoyerへの切り替え時、フランス人はどうしているんだろう? 主人を観察しても、職場では年配だろうと上司だろうとすべてTutoyer。 でもお店の店員や問い合わせする時などにはやっぱりVouvoyer。 切り替え時をなかなかキャッチできません。 で、前述した "On peut se tutoyer ? オン・プー・ス・チュトワイエ?" タメ語で話そうよ というフレーズも、なかなか耳にしないんですよね。 ということは会話中に、突然切り替えているのか?? うーーーん。 今現在、Tutoyerにしたいなあ、と思う人が何人かいます。 相手のほうからTutoyerしてくれたら、私からもできるのに。 律儀なフランス人も実は結構いるのです。 先日は相手の方から 「頼むからTutoyerしてくれ」 と懇願されました。いや、マジで懇願でした。 その人は60代の方だったのですが、曰く、 「君にTutoyerされると年寄り扱いされているようだ。 まだ若いと夢を見させてくれ」 と 年配を尊敬する気持ちがアダになっていたようです。 というか、いつまでも若くいたいフランス人、 年を感じさせる言動はタブーと言うことなんですね? 別の人には、 「君が僕とTutoyerするのは距離を置きたいからなんだと思ったよ」 なんてことも言われていました。 距離を置きたい??そんなつもりないのに~~!! 先日は、友人の母親相手に、今までVouvoyerしていたのを前触れなしに突然Tutoyerしてみました。 するとものすごい笑顔付きで、私生活についてを色々話してくれ、いつもより話が弾みました! どういうことだ…?? 逆に、いつまでもVouvoyerしている相手とは、いつ会っても一般的で、他人行儀な、 くそ面白くない話ばかりしています(笑)。 別の知人は、 「会社で上司とTutoyerするきっかけがないものだから、 上司からはけむたがられているようだ」 なんて話していました。 う~~~~~ん…???? こうなってくると、日本語のタメ語・敬語と同じ定義とはとても考えられません。 「面倒くさいこと言ってないで、最初からTutoyerで通しちゃえばいいのに!」 なんて意見も挙がるかもしれませんが、 そんなことをしたら 「Vouvoyerでモノを話せない無教養な外国人」 として陰で笑われるのがオチです 逆のケースでもやはり混乱があるようで、日本語を教えている20歳の男の子の場合。 フランス語ではTutoyerしていますが、 最近日本語でもタメ語を積極的に覚え始め、タメ語で会話しています。 タメ語は知っておかなくてはならない言葉ですが、 それを「タメ語=Tutoyer」と理解してもらうのは、やはり、違う。 先生と生徒。年少者と年長者。 この区切りは日本社会を語る上での、永遠のテーマかなぁと。 そんな話をしていたら、 「じゃあ、(pidooとも)Vouvoyerするの?今まで僕失礼だったの?」 と慌てて聞き返されました。 いや、だからフランス語ではTutoyerでいいのよ 言語って結局、言葉だけを操れば言い訳ではなくて、 言語の背景にある伝統・習慣を含む総体的なもの。 Vouvoyer・Tutoyerの深い闇はまだまだ続きそうです…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.03.05 17:54:28
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