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2010.03.18
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カテゴリ:フランス時事
フロン・ナショナル Front National
FNと称される。

辞書では国民戦線党、極右政党。
党首のジャン・マリ・ルペン氏が非常にカリスマ性のある人物で
移民排除や在仏外国人の制限などを掲げています。
最近はEUからの脱退や、反アメリカ(反グローバル、反資本)主義など、
比較的聞こえの良い政策を掲げていますが本質はどうなのでしょう。
日本で言う共産党のような存在で敬遠される傾向にあるようです。

一般的なフランス人がFNを語る時は
「ルペンだからね」
の一言に尽きます(笑)。
娘のマリンヌ・ルペンは次期党首で、
彼女の代になったらもう少し緩和されるだろうと言う声もあります。

十数年前にFNはトゥーロンで圧勝を果たし、当時、別の土地の人と話す際など、

「トゥーロンの隣に住んでいる」と言うと決まって、

「えっ!??大丈夫なの??ファショFacho(ファシスト)の町なのに?」

とか

「まわりはショーヴァンChovin(排他的愛国主義)ばかりじゃないの?」

と同情されたものです。

しかし実際に隣町に生活していて、そう感じたことは一度もありませんでした。
隣町だったからかな?

さて、この前の日曜日にフランス統一地方選挙がありました。

フタを開けてみると。

日頃政治には比較的興味の高いフランス人。
が、今回の投票率は少なく47%、これはかなり珍しいことです。

プロヴァンス・アルプス・コート・ダジュール地方では
現サルコジ大統領の党であるUMP(民主主義党)、PS(社会党)と、
足並みをそろえて獲得率は20%。

しかし着目すべきはFNも20%を獲得した点です。

数字を見てもあまりピンと来ませんが、
選挙後数日経っても、町に張られたFNのポスターが一向に無くならないことに気づきました。

これは今年初めて。

FNのポスターはとてもわかりやすい。
「国民の国境を守る」党ですから、青・白・赤で彩られた炎が目印です。

一般的なフランス人自身、FNを恥ずかしく思うところがあるらしく、
FNのポスターはすぐさま剥ぎ取られていました。
選挙前に剥ぎ取られることだってありました。

が、今回は選挙が終わってもまだ残っている。

無関心なのか。
支持率が上がったのか。

最近の世界的な不況を受けて、私が感じるのは後者です。
外国人にとって住みにくくなるのかな。
そんなことがぼんやり頭に浮かびました。

それはそうと、この日はお役所手続きが必要で、
税務署及びポリス・ナショナルPolice Nationale(市民警察)の外国人課へ行きました。

税務署の受付も、ポリス・ナショナルの外国人課の担当者も、
アフリカ出身と見られる黒人でした。
税務署受付の方にはお国訛りもかなり見られました。

公的機関で働いているからには、彼らは帰化したのだろうな。

フランスで公務員になるにはフランス国籍が必要です。
こちらに来てまもなくの頃、ポリス・ナショナルの担当者から言われたことがありました。

「帰化すれば公的機関で活躍できるのに」

これには当時も今も、即答できます。

Non !

フランス国籍になるなんて、真っ平ごめんですスマイル
いや、本当、まじで。考えられない。

もしフランスが悪い方向に歩き出してFNが指揮を執り、
「フランス国籍を持たない外国人は退去」
なんてことになったら、私はどうするかなぁ?

これにも即答、「日本に帰りまぁす」赤ハート

まっ、そんなことにはそうそう簡単にならないでしょうが、もしも、の話。

そんなあいまいな覚悟でフランスに住む私もいれば、
自国を捨てる覚悟の外国人もいる。

身近にも、内戦の続くレバノンにはとうに見切りをつけ、育ったフランスを自国とする人がいます。
そんな覚悟と、
ただ好きになった人がフランス人だった、というだけの覚悟には大きな隔たりがありますね。

話を戻して。

移民を受け入れた当初、移民たちにはフランス人が嫌がる仕事をあてがわれていました。
しかし最近ではこんな田舎町でも移民は帰化し、公職を手にすることができるようになりました。
これに嫉妬するフランス人ももちろんいるだろうな。

そんなことをつらつらと考えていた一日でした。





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Last updated  2010.03.20 18:25:29
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