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カテゴリ:南仏生活
夏休みとは言えども日本語授業は続いています。
シニア層は休みがちですが、 ジュニア層は2ヶ月丸々時間をもてあましているよう。 親からしたら週に1回でもアクティビティがあるのは助かるよう(^^ゞ その気持ちは私も親なのでよ~くわかりますが。 で、先日。 「最近何をしましたか?」 の質問に、 ”Je fais que travailler.(働いてばかりいる。)” と答える16歳のジャン・ノエル。 あれっ?アルバイトでもしているの? と聞き返してみたら、 「もうじき新学期だからたまった宿題もあるし、 友達にインターネットを教えたりもしているし」 とのこと。 この"Travaillerトラヴァイエ"という単語。 「働く」という意味ではあるものの、実際の日常フランス語では、 「集中して何かをする」、「何かをしていて忙しい」 というニュアンスで使われます。 例えば、学生が自室で"Je travaille!"と言えば 「今勉強中!」 という意味だし、 4歳児のCannelleが砂遊びをしながら”Je travaille!"と言えば 「今忙しいの!」 といったニュアンスに。 ほぼ"Je suis occupe(忙しい)" と同じように使われますが、 "Tu es occupe de quoi ?(何で忙しいの?)" と返ってきたりするのに対し、 "Travailler"のほうが大義名分的で、 ああ、そうなの、とすんなり受け入れられやすいようです。 ところでそのまま雑談は続き、ジャン・ノエルが言います。 「僕ら学生はTravaillerしてばかりなのになぜ無給なんだ!」 …はっ??? 「僕らのTravail(仕事)に相応するくらいの支払いが学校からないのはおかしい!」 …ええっ!!??? 「ちょっと待って、学生は教育を学校から受け取るんでしょ? ゼロの状態のあなたに教育を与えて、一人前の大人にするのが学校でしょう? お金を払わなきゃいけないのは学生のあなたの方でしょう?」 と言い返しましたが。 そう言えば、4歳のCannelleもおかしなことを言っていました。 「どうしてママはにほんごのじゅぎょうをしておかねがもらえるのに Cannelleはようちえんにいってもおかねをもらえないの?」 これはつまり、Travaillerの解釈のされ方に問題があるのだなと。 先生も"Travailler"(働く)。 生徒も"Travailler"(勉強する)。 同じ"Travailler"なのになぜ先生だけがお金をもらえるのか? 「勉強する」という単語はないのか? いいえ、あるにはありますが。 "Apprendre"は誰かから「習う」。 「私は○○先生に習います。」 とか、 「私は週に一回日本語を習っています。」 というふうに使います。 "Etudier"はもっと専門的な内容を「学ぶ」、「研究する」。 "Reviser"が「復習する」で「宿題をする」には的確ですが授業中には使えない。 となるとやっぱり一般的な「勉強する」は"Travailler"? 日本からやってくる留学生も、この"Travailler"の使い方には必ずつまづきます。 「ホストファミリーから毎日 "今日も良く働いたTravailler?" と聞かれるんです。 私仕事してないんですけど?」 という具合に。 それにしても日本の学生なら 「自分の勉強する時間に対して賃金が支払われないのはおかしい!」 なんて考えもしないと思うのですが フランス人の思考ってやっぱり計り知れない… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.08.17 09:01:36
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