前回の投稿12月31日(!)から半年経っての更新ですが
皆さんお元気でしょうか?
こんなBlogでも1日100アクセスあるそうです
来てくださる皆様ありがとうございます
さて、フランスは年度末でいつもに輪をかけて忙殺されていますが、
本日朝8時、2000年から我が家の一員となったシーズー犬キューピーが他界しました。
去年の夏くらいから足腰が弱くなり、去年の秋の日本帰国時に義両親に預けた際、
「キューピーがハンガーストライキ*1をしている、
関節*2も痛いみたいで震える。
関節の痛み止めをあげてみるけど食欲はどうしようもないから
あなたたちが戻ってくるまで持たないかも」
などと言われていました。
でも私たちが戻ったら元気にまた餌を食べ始め、寂しかったんだね、なんて話していました。
確かに食は細くなり普通のドッグフードの量は減りましたが、
肉のにおいがすればおねだりはするし、
年を取って好き嫌いが激しくなっただけかなと。
その他、白内障*3がかなり進んでいたようで、
以前は石を投げると追いかけて必ず見つけていたのに見つけられなくなったり、
耳も遠く*4なっていたようで呼んでも振り向かなくなり
後ろから体を触ってビクッと驚くなどの老化現象はありました。
事の発端は先週金曜の夜。
外出して夜遅く帰ってきた私たちをいつものように
尻尾を振って迎えてくれたキューピーの喉元に
大きなしこりがあることに気づきました。
その日も餌に手をつけなかったのはもしかしてこのせいなのかと気づきました。
しかしとても元気にしていたので、その夜はそのまま就寝。
翌土曜日
この日も一日忙しくゆっくりキューピーを触れたのが夕方。
明らかに異常なしこりが首の周りにあります。
ももももしかして甲状腺癌*5!??
海に行こうとしていたのをキャンセルしすぐに動物病院へ連れて行きました。
すると「膿瘍*6だから切って膿を出せば大丈夫!」との拍子抜けな診断。
「ただ、場所が場所なだけに全身麻酔*7をするから、高齢なこともかんがみて
心の準備はしておいてください。」と。
その日は入院し翌日曜日の午前中。
迎えに行くと元気なキューピーと再会しました。
夜勤だったかわいい女性獣医を噛むほど元気と言われました
普通に歩行もできたし、食欲は依然無いものの水は飲んだので、
徐々に回復するだろうと思いました。
翌日月曜午後
傷口*8付近に入れたドレーン(管)*9除去と抜糸で病院へ。
食欲は無いが水は飲んでいました。
その夜から急激に容体悪化しました。
20時、真っ黒な血を2回も大量に吐きました。
その後翌朝5時まで、3~4回は同様の量を吐血。
火曜日
仕事だったので義母に病院へ連れて行ってもらうと。
「入院して点滴*10しながら検査をし、その結果で治療に当たることになるが、
高齢であることも考え、治療したとしても回復には繋がらないかもしれません。
安楽死*11させることも考えるべきかと思います。どうしますか?」
結局吐き気止めと栄養剤を注射してもらい帰宅、
その日はずっと寝たきりでしたがおしっこしたくなると立ち上がれました。
注射が効いたのか、吐くことはなくなりましたが水も飲まなくなりました。
水・木曜
寝たきりの時間が増えました。
依然飲食を拒否。口元に持っていっても顔を背けます。
さすがに水を飲まないのはまずいので、
市販の赤ちゃん向け脱水症状用の薬やビタミンC、マグネシウムなどを
水に混ぜて、注射器から口に流し込みましたあげ始めました、
あげた半分くらいは飲んでいました。
この方法が効いたようで、1日3回はおしっこをしました。
内臓潰瘍*12が疑われていましたが、腎臓*13は元気であることが確認できました。
たまに立つこともできました。
金曜日
もう立つことができず、衰弱しています。
水が飲めるのだから、流動食だって食べれるはずだ!
そうすれば力もつくだろうと、動物病院へ。
呼吸が遅いこと、体温が通常38度が36度と低めなこと、そしてもう寝たきりなことで
死期が近づいていると言われましたが、
やはり安楽死させる決断は避けたいです。
経口栄養剤と老犬用パテを処方されました。
経口栄養剤は人間にも処方するようなものがあるようですね。
そこで思い出されたのが2009年に亡くなったパピー(夫の祖父)。
肩を脱臼し、全身麻酔で手術、回復が期待されたものの
その数日後内臓出血を起こし亡くなりました。
その時に、点滴の他に意識がはっきりしたら与えてくださいと経口栄養剤が出されていましたが、結局意識が朦朧としたまま、逝ってしまいました。
若い時の全身麻酔は有効ですが、老齢になると内臓器官が追いつかないと言うことなのですね。。。
さて、この日は2時間おきに経口栄養剤を注射器から口に流し込み、2回排便を確認しましたが、
排泄する際にキャンキャンと鳴くのです。
寝たまますることに抵抗があるのでしょう・・・。
「いいんだよ」と言っても目がごめんと言っているようで、切なく感じました。
もうこの日は伏せることもできずずっと横たわっていました。
体がさらに体温を失っているようだったので
冬にいつも着せる手作りのフリース素材の上着をかけて就寝しました。
今日
朝7時半にキャンキャンと鳴く声で家族全員が目を覚ましました。
目がうつろで遠くを見ています。
ごく少量の排泄をし、便で汚れた体を洗う際に抱き上げましたが
今までになく首がだらんと落ちてしまい、もうダメだなと。
それでも夫は栄養剤や水を与えようと言いましたが、
気分的に、これが日本で人間なら、お坊さんの念仏を聞かせる時が来たなと。
でも念仏の一つも唱えられない私は、その代わりに、
夫と娘に聖書の祈り*14をして欲しいと頼みました。
祈りが終わったその時。
息絶えました。
祈りで天国までの道筋ができたのだと思っています。
苦しかっただろうとは思いますが、何ヶ月も苦しむことはなく
安らかに逝くことができました。
管に繋がれて寝たきりにすることなく、安楽死させることもなく。
命の灯火が自然に消えるその時まで、家族と一緒に過ごすことができました。
最近ハマっていたこちらのマンガ。
(なんとフランス語訳も3巻まで発売されています!!)
この本を読んでいたお陰で9歳の娘も生き物の死にしっかり最期まで向き合うことができました。
手紙が届くといいな♪
【フランス語 語彙紹介】
*1:la grève de faim : ラ・グレーヴ・ドゥ・ファン
*2:l'articulation : ラルティキュラスィオン
*3:la cataracte : ラ・カタラクトゥ
*4:sourd(形容詞) : スール
*5:le cancer de la thyroïde ル・カンセール・ドゥ・ラ・ティロイドゥ
*6:l'abcèsラプセ
*7:l'anesthésie générale : ラネステズィ・ジェネラル
*8:la cicatrice : ラ・スィカトゥリス
*9:le drain : ル・ドゥラン
*10:la perfusion : ラ・ぺルフュズィオン
*11:l'euthanasie / euthanasier(動詞) : ルタナズィ/ウタナズィエ
*12:l'ulcère intestinal : ルルセール・アンテスティナル
*13:le rein : ル・ラン
*14:la prière : ラ・プリエール