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カテゴリ:名曲喫茶くらくら亭
【 Astor Piazzolla 】
いい。 圧倒的に、いい。 なんなのよ、この、良さわ。 だめだ、良過ぎるっ! こんなに音の空間が大きくて洒落ててシュールで緩急妙あって バラエティーに富み、 基調である全人類の琴線に触れまくる哀愁の内にどこまでも凛として力強く、 そして限りなく美しい楽曲を作り、オーケストレーションまでして、 自身、奏でる人だったとは。 こんなにもすごい人だったとは。 絵ではない絵が見える。 コマ割りが連続して向こう側のスクリーンに光学的に写る映像でもなく。 温度や湿度とともに頬に感じる風、背中にあたる陽光。 たんに佇み、耳をこらしている間も、細胞が代謝するが如く内側で経過し、 酸化し崩壊しゆく命の時間そのものを、 聴衆に体感させてしまう。劇的に甘美に。否応なく。 えーと、なんのこっちゃ? 久しぶりに読んだ小説に憑依されて、漢字が使いたくてしょうがないんだろっつうことを、 正直に認めて、これ以上はやめなさい(笑) それが絵に喩えられる程度のものなら、絵画や映像にすればいいし。 言葉で説明しうるのならば、もとから小説や論文で書かれているだろう。 音楽は徹底的に時間芸術、時間と空間、 つまり時空そのものを音波で人が操作すると見せかける生粋の錬金術。 代替などない。 だからいい加減にしろ自分と言いつつ、この感動の標に、許されたく。 前述のコインロッカー~に触発されて、 今宵バンドネオンで酒を飲もうと思ったのだ。 大体バンドネオン奏者なんて、ピアソラしか知らないしさ(笑) ほぼリベルタンゴオンリーの初心者なので、 とりあえず安い方のライブ盤を買った。 三箇所で収録したものだが、 どの場所でもこのライブを生で聴いたら鳥肌たちまくるだろう。 CDでもぞっくぞくしたんだから。 あ゛ー、なんでもっと早く聴かなかったかな、 時代的にライブに間に合ったのに。 一生の不覚。 これは84~90年の録音なのだが。もっと前も聴きたいぞ。 このぶんだとそっちのほうが、多分、好みだろうなぁ。 バンドネオンの構造は全然わからないが、 ブルースハープが厚くなった音がする。 空気を送り込んで、多分ぺらぺらした板を震わせるものだろうと思う、 音からすると。 後日、調べる。 ハーモニカも、ちっさくて薄い金属片を息で振動させて鳴らす楽器だな。 ハモンドは電気楽器でアンプも使い、 わりとべたーっと空間を埋めるところが、 よくも悪くもシンセサイザー日和なのだが、 バンドネオンは鍵盤楽器的な利便性・・・これ、コードも出るよね?・・・を持ちつつ、 クラリネットやサックス、リードを要する木管楽器にも近似する音色。 どこまでもアコースティックなんだな。 澄んだ豊かな響きを追求するクラシックの象徴:弦の観点からすると、 明らかにB級的雑音をはらみつつ、軽々と浮遊するこの空気感は、 震える板仲間共通のベーシックトーンであり、バンドネオンにして最強を極めるかもしれん。 弾けなくても、かなり欲しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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