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2009年09月26日
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カテゴリ:ぴかままの戯れ言
ベルリン市内、Sバーン環状線に、Westhafen(西港)という駅があります。
ここは地下鉄U9との乗換駅でもありますし、私の住処から外人局に行く際にはSバーンに乗っていってここから歩いて行くのが便利でした。

SバーンからUバーンへの連絡通路の階段から、Uバーンのホームにかけての壁のタイルには、ハインリヒ・ハイネの文章がたくさんプリントされているんです。ドイツ語と、フランス語とで。(こちらに、画像入りのレポートがあります。残念ながら日本語はありません)

その中に、ハイネが33歳でフランスに移住した際、彼の名前をフランス人がどう読んだか、について書いた文章がありました。
Heinrich Heine・・・まずフランス人にとって「H」というのは発音しない文字。厳密には無声の「H」と有声の「H」との区別があるのですが、音としては実際には発音されるわけではないんですね。だから、たいていのフランス人はハヒフヘホ系の発音は上手くできません。だから、どう頑張ってみても「ハインリヒ・ハイネ」とは発音できないんです。
で、「ei」という母音の組み合わせも、ドイツ語だと「アイ」ですけどフランス語では殆どの場合が「ア」の一種になるし、その後に「n」までくっついて来るとなると、やっぱり鼻母音の「アン」と発音してしまいがちなわけです。
で、最終的にはこの名前、「un rien」みたいに発音されることになってしまい、ついに「Monsieur un Rien」=つまらん奴、大したことのない奴、と呼ばれることになってしまったのだ、という文章でした。

この駅で乗り換える度に、急いでいてもついついこの文章を読んでしまい毎回クスッと笑っていたものです。

なんでWesthafen駅にハイネなのか、何か所縁があるのか、について書いてあるものを見つけるに至らなかった(いつも同じ出口しか使わないため、全部を見て回ることはなかったのです)のですが、これ以外にもなかなか含蓄のある文章が書いてあって、電車待ちでも退屈することのない駅でした。

この話、何年も前から書こう書こうと思っていたのに、放置ネタとして頭の隅っこに収納されてしまっておりました・・・。




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最終更新日  2009年09月27日 01時40分03秒
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