カテゴリ:ぴかままの仕事部屋
決して、決して「嵐を呼ぶ女」ではないのですが…
なんと、沖縄方面で北西へと進むのを遮られ方針変更、いきなり北東に向けて進軍し始めた台風15号が、我がリサイタルの当日に、東海地方めがけて襲いかかってくるというではありませんか。 まずは前日の20日、台風の刺激で俄然元気を出した秋雨前線が、信じられないほどの大雨を名古屋とその周辺にもたらしました。うちは高台にあるので浸水したりはまずありえませんが、窓から見ていても開いた口がふさがらないほどのものすごいどしゃ降り!前日までかなりの残暑だったので家の中に熱気が籠もっていて、せっかくの大打ち水大会の気温下降を利用すべく、吹き込まない範囲において窓を開けて雨を観察していたのですが、降り始めからとても大粒の雨で、それも断続的に突然降り出してはパタリと止むという降りかたです。 そうこうするうちに、南の隣区からは「天白川が溢れる寸前になり、避難勧告発令」との知らせが。詳しく知ろうと名古屋市のHPに行ってみますが、全然アクセスできません アクセス集中でサーバの能力が不足してしまったのでしょう。ようやく閲覧できたのは、市側が余計なコンテンツを非表示にしてトップページを軽くしてから。勧告発令から何時間か経ってからでした。 をいをい、これじゃいざという時役に立たないじゃないの…。 もちろん、我が家の学区には避難勧告は出ていませんでしたが、小学校の学区単位で勧告を出す現在のシステム、学区内でも標高差もあれば地形も違うし、勧告の理由が土砂災害でも、崖のそばとはるかかなたとでは危険の有無も大違い。発令地区にお住まいのmargoさんや楽子さんは、結局避難所より自宅のほうが安全だという結論に達し避難はしなかったそうです(どちらも土砂災害の危険による勧告)。うちなんか、道を挟んで向かい側(西の隣区)には山も崖もありますからね。自分のところの学区よりもそっちに対しての情報を見たほうが良さそうです。 今度は北の隣区から、庄内川がヤバイという情報が入ってきました。そして、とうとう決壊して市街地が浸水してしまったというニュースが。あとから聞いた話ですが、そっちに住んでいる門下生の家では、家の前の道が川のようになってしまったとか。その子の家は1mもの盛り土の上に建てたものだったので家は無事だったそうですが…。 夜になって雨はおさまり、翌朝までは比較的落ち着いていました。 庄内川が溢れた地区も、比較的早く水は退いたようです。 一夜明けてリサイタル当日。東京から来るマネジメント会社の3名のマネジャーさん、若手2名はうんと早い時間の新幹線に乗ってかなり早めに着いたので大丈夫だったのですが、上役さんが、東京で少し仕事を済ませてから出発したら、途中の掛川で新幹線が立ち往生。ちょうど、台風本体が浜松に上陸した頃の話です。最初は浜松~豊橋間のみの運行見合わせだったのが、すぐに掛川~豊橋間となり、さらに静岡~掛川間の停電も相俟って、結局は東京~新大阪間が全て運転見合わせに。マネジャーさんの乗ったのぞみは数時間掛川で立ち往生した末、徐行運転で名古屋までなんとか走り、そこで打ち切りになったそうです。東京から名古屋まで7時間以上!マネジャーさん、結局開演前の仕事には間に合わず、開演直前にホールに駆け込んで来たそうです…。 ピアニストは12時に先にホール入りすることになっていたのですが、私は14:30頃にホール入りすべく家を出た頃が風雨のピークに当たってしまい、16本骨の丈夫な大きな傘が壊れそうになりました(壊れはしませんでしたが)。でも、16時過ぎにGPを終えて一度外に出てみると、あら?もうほとんど降ってません。風もおさまっています。結局このあと嵐が戻ることはなく、関東へ向かって進軍していったようですね。開演1時間前には美しい夕焼けが見られたそうですよ。私は地下に籠もっていたため見られませんでしたが。 JR在来線など、名古屋の外に通じる路線で運行見合わせが続いている区間があり、来るつもりだったのに来られなくなってしまった人もいたようですが、市内の地下鉄はほぼ平常通り運行していましたし、避難の情報も出ていませんでしたので、リサイタルは予定通りに行いました。 東京オペラシティのリサイタルホールよりも、こちら電気文化会館ザ・コンサートホールのほうがキャパシティが大きく、来られる人は皆さん頑張ってきて下さったけれどやっぱりちょっと客席が寂しかったかな ホールの響きのタイプも違いますが、どちらも歌いやすい素晴らしい音響のホール。楽な気持ちで、ホールの響きに助けられて歌うことが出来ましたよ。自分としては、オペラシティのほうが、お客さんとの距離感が歌曲のコンサートには丁度良くて心地良いかなと思いますが、電気文化会館も自分の声の響きがどう飛んでいくのかが目に見える感じで結構好きですね。サイズ的には宗次ホールあたりが丁度いいのだけど、あそこは現代音楽は奏法面で難しいんですよね…各ホールの経営方針はそれぞれいろいろですから。 リサイタルは無事終了しましたが、本来日帰りする予定だったマネジャーさんたち、東海道新幹線が結局全面運休になってしまったので、帰れなくなってしまいました。若手のうち一人は実家が名古屋ということでもともと実家に泊まる予定だったので大丈夫なんですが、女性マネジャー2人が路頭に迷う事態に。同じように名古屋で降ろされてしまった大量の乗客たちが、市内のホテルに殺到してしまったため、どこも空き部屋がありません。名古屋駅から離れた地区さえも、です。 もちろん、東名などの高速道路も通行止めのため、夜行バスもありません。 とりあえず、ご飯を食べて一杯やりましょう、ということになり、ホール近くの焼鳥店へ。以前、既に退職なさった同僚に連れていってもらったことのあるお店です。鶏ばかりではなく様々な串焼き、そしてビールと日本酒を堪能。なかなか美味しかったです♪ 結局、翌朝早くに発って午前中の会議に出なくてはならないという、上役のマネジャーさんを我が家にお泊めして、若手さんはもうひとりのご実家に泊めてもらうということになりました。我が家、片付いてなくてものすごい状態ですが、この際そんなことはかまってられません。煙草を吸われる方なので、バルコニーで好きなときに吸っていただけるよう、ピアノの部屋にお泊まりいただきました。 そんなこんなでバタバタと非常事態の中でのリサイタルでしたが、演奏は東京でのより自分自身は落ち着いてできたと思っています。客席がよく見えて、「なんで名古屋に?」という東京の知人が来ていて内心驚いたりしてました(笑)。 ご来場下さった皆様、そして来られなかったけれど来るつもりでいて下さった皆様に、心からの感謝を捧げます。ありがとうございました。 これからも精進して、もっともっといろいろなレパートリーにチャレンジして行きたいと思っています。次の機会にはまたどうぞよろしくお願いしますね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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